教師としての専門性を高めたい。
マッコーリー大学の修士留学は最善の選択でした
大学:マッコーリー大学
専攻:TESOL
留学期間:2009年7月〜2010年6月
1985年生まれ、茨城県出身。日本の大学を卒業後、教師としての専門性を高めたいと思い、TESOL専攻での留学を決意。帰国後は、日本の高校で講師として働いている。
留学で学んだことを日本の英語教育の現場でどう活かせるかが、今後の課題
クリスマスパーティにて親友と
大学のスポーツフィールドにて
寮対抗サッカー大会の応援中
卒業式
Q:留学の動機を教えて下さい。
A:大学院留学を選択肢の1つとして考え始めたのは、大学3年の時に履修した「第2言語習得研究」という授業がきっかけです。SLAに関する理論・実践・応用を学んでいく中で、言語習得の奥深さや面白さを実感し、より専門的に勉強したいという気持ちになりました。先に経験を積むべきか、それともすぐ進学すべきか悩みましたが、「鉄は熱いうちに打て」という言葉をもらった時に、今自分がもっている情熱を大切にしたいと思い、大学院留学を選択しました。
Q:マッコーリー大学を選択した理由は?
A:「第2言語習得研究」の授業でお世話になった教授に大学院留学の相談をしたところ、オーストラリアでTESOLならマッコーリー大学がいいというアドバイスを頂きました。TESOL分野で権威のある大学で学びたいと思っていたので、マッコーリーを選択しました。
Q:マッコーリーのTESOLの魅力は何でしたか?
A:理論中心のコースワーク1年間で修士課程を修了できることです。私は何かを実践するには、まず理論をよく理解し、どのようにその理論を応用していくかが重要だと考えます。ですから、理論中心の授業は私にとって理想的でしたし、早く現場に出て働きたいと思っていた私には1年問という期間も魅力的でした。
Q:語学学校など、入学準備コースを経て進学しましたか?
A:大学院入学前に、進学決定者向けのIntroductory Academic Programという4週間のコースをマッコーリー大学付属語学学校で受講する予定でしたが、登校初日にそのコースがキャンセルになったと知らされ、結局Academic Englishというコースに3週間通いました。
Q:クラスメイトの国籍や年齢は?
A:タイ、マレーシア、シンガポール、ロシア、カナダ、オーストラリアなど、さまざまな国籍の人がいましたが、大半は中国人と韓国人でした。ほとんどが母国または非英語圏の中学・高校で英語教師として働いた経験のあるクラスメイトでした。他には、塾講師経験のある人や看護系英語指導など、より高い専門性を持っている人もいました。年齢的にみると、20代後半から30代前半の人が多かったように思いますが、本当に幅広い年齢層の人々が集まっているコースでした。
Q:日本の大学と大きく違うと感じた点はどんなことでしたか?
A:教授が学生に求めることです。日本の大学では、教室にいる=授業に参加していると思われるかもしれませんが、オーストラリアでは教室にいるだけでは欠席同然です。常に教授は学生に疑問を投げかけ、学生が主体的に考えて発言することで授業が展開されます。授業の充実度は学生次第なので、学生1人1人の経験や考えをどれだけ授業の中でシェアできるかを、教授が期待しているのがいつも伝わってきました。
Q:特に印象に残っている科目を教えてください。
A:「Context, Use and Analysis of English Language」という授業です。この授業では、言語学習者が実際に書いたtextをさまざまな視点から分析し、学習者が何をどこまで理解しているかを判断し、学習者のエラー傾向を見ながら、どのように指導していくかを考えるという内容でした。
Q:リサーチや課題で印象的だったのは?
A:「Literacy」の最終課題です。大まかなテーマはありましたが、「とにかくLiteracyに関連するものなら何でもいい、自分で考えて興味があることについて取り組みなさい」とのことでした。私は男女間のリテラシー(読み書き能力)発達における差に注目し、「Gender issues in literacy development」というテーマで課題に取り組みました。日本だけでなく、さまざまな国の教育現場で、リテラシー科目における男子生徒の成績不振が問題となっている状況で、その原因の1つとして考えられているのは教育現場におけるfeminism。文献を読み進める中で、今まで考えたこともなかった視点に出合い、今後、教師としての指導に必ず結びついていくという確信をこの課題から得ました。
Q:キャンパス以外では、どのように生活を楽しみましたか?
A:大学の寮に住んでいたので、勉強以外の時間は一緒に住んでいる寮生と過ごすことがほとんどでした。映画を観に行ったり、寮のイベントに参加したり、ビーチに行ったり。日本語を履修している友達もいたので、チューターのようなこともしていました。大学院が始まる前はホームステイをしていたのですが、そのホストファミリーに呼ばれて、週末に泊まりに行くこともありました。
Q:帰国後は高校で英語講師をされているそうですが、留学で学んだことが仕事でどのように活かされていますか?
A:留学で学んだことを活かせる段階まで来ていないというのが正直なところです。日本の英語教育の現場に入り現状を理解していく中で、学んだことをどう活かしていくか、何を実践していくか、試行錯誤の日々を送っています。これからが勝負です!
Q:大学院留学は、柳田さんの人生にとってどんな時間だったのでしょうか?
A:どんなことにも挑戦していく「力」を身に付けさせてくれた1年でした。海外の大学院で修士課程を修了したという自信、家族や友達がいないところで1年間過ごしたという経験、大学院留学中に得たものは私を成長させ、自分自身を支える力をくれました。これから先、仕事でも私生活でも、悩むこと苦しむことが必ずあると思います。そんな時でも私は前に進むことができる、諦めずに挑戦することができると信じています。以前の私は何をするにも物怖じし、失敗した場合のことばかり考えていましたが、これだけ前向きになれたのもシドニーで過ごした時間があったからです。
Q:今後のお仕事の展望などお聞かせください。
A:まず最前線で高校英語教師としてキャリアを積んでいくこと、これが今一番はっきりしていることです。経験を積んで、それから見えてくることや自分に足りないものと向き合い、機会を見つけて、より専門的に勉強していきたいと思っています。
Q:オーストラリアの修士留学を検討中の皆さんに、メッセージをお願いします。
A:「その時しかできないことがある、その時しか出会えない人がいる」。私は本当にそう思います。ほんの少しでも修士留学という選択肢があるのなら、全力で向き合っていくべきです。「もう少し考える」とか「とりあえず今は…」とか、後回しにするいいわけは言わずに、未来の自分に投資する時なのだと前向きに考えてみてください。私は2010年に修士留学したこと、オーストラリア・シドニーに決めたこと、マッコーリー大学で勉強したこと、どれをとっても最善の決断だったと信じています。だから皆さんも「今しかない」という気持ちをもって、ぜひ挑戦してください!
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