国際関係学(International Relations)は世界各国の事情を学ぶ専攻のため、海外の大学で学ぶメリットがとても大きい専攻のひとつです。日本を外国からの客観的な目線で捉えたり特に興味のある国や地域について理解を深めることで、将来的にグローバルに活躍したいと思う人にとっては学びの多い専攻ですね。
この記事では、
- 日本と海外で異なる「国際関係学」の中身
- オーストラリアで国際関係学を学ぶことのメリット
- オーストラリアの各大学で学ぶ国際関係学の特徴
日本と海外では「国際関係学」の中身が違う?!
日本の大学では、国際関係というと比較文化・政治学・歴史背景などを指すこともあるようです。
一方で、海外の大学で「国際関係学」(International Relations)を専攻すると、授業の多くは外交・国防・国家政策などに関するものになります。つまり、同じ名前であっても学べることはかなり違うのですね。
例えば、海外の文化に興味があって勉強したいという人にとっては、人類学(Anthropology)が最も近い専攻になります。また政治学を学びたい場合は国際政治学(International Politics)、アジアの文化や歴史や言語を学びたい場合はアジア学(Asian Studies)に進むと、興味に合った勉強ができます。
国際関係学は学ぶ国の国際的な立ち位置によって内容も変わります。例えば、イギリスで学べばイギリスの国策やEUの政策に関する学びが深まりますし、アメリカに留学すればアメリカの国防政策について多く学ぶことになります。
オーストラリアで国際関係学を学ぶメリット
同じ国際関係と言っても、各大学によって学べる内容や強みが異なります。自分の興味に合った内容をより深く学べる大学を選ぶことが大切ですね。
オーストラリアの各大学は、国際関係学をより深く学べるように様々な工夫をしています。この記事ではその中から3大学をピックアップしています。
大学名 | 特徴 |
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グリフィス大学(Griffith University) |
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オーストラリア国立大学(Australian National University) |
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モナッシュ大学(Monash University) |
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※最新情報は大学ウェブサイトでご確認ください。
それぞれの大学について詳しくご紹介しますね。
アジアに特化した国際関係学を学ぶなら:グリフィス大学
クイーンズランド州のブリスベンにあるグリフィス大学は、アジア学に強い大学として有名です。そのため、国際関係学を学ぶ際にも、アジアに特化した授業を一年目から履修できるなどの特徴があります。将来的にアジアに関連する仕事に就きたい人にはおすすめの大学です。
グリフィス大学で国際関係学を学ぶメリットを2つ紹介します。
1)1年目から継続してアジアに特化した国際関係学を学べる
例えばアジアに特化した国際関係学についてはこのような授業が開講しています。(2020年10月現在)
- Globalisation, the Asia-Pacific and Australia – 1003GIR
- Business and Politics in the Asia Pacific Region – 3027GIR
- Comparative Politics of Southeast Asia – 2015GIR
※授業の開講状況は常に変更しています。最新情報は大学ウェブサイトでご確認ください。
2)ビジネス専攻と組み合わせて勉強できる
グリフィス大学の国際関係学はBachelor of Government and International Relationsという名称です。ビジネス学部の一部という位置付けのため、ダブルメジャー(複数の専攻で同時に卒業すること)を希望する場合はビジネスと組み合わせることが可能です。
例えば、コミュニケーション・ジャーナリズム学(Bachelor of Communication and Journalism)と国際関係学(International Relations)のダブルメジャーで勉強する場合は、国際関係とジャーナリズムの両方について学ぶことができます。
国際関係にもビジネスにも興味がある人はグリフィス大学でダブルメジャーを考慮するのも良いですね。
国際関係の歴史や各地域を深く学ぶなら:オーストラリア国立大学
オーストラリア国立大学(ANU)はオーストラリアの連邦政府や各国の大使館が集まる首都キャンベラに位置しています。世界各国の情勢を知るのには最高の立地ですね。特に外交や国防に関連した国際関係を学びたい人やアジア以外の地域に特化した国際関係を学びたい人には、オーストラリア国立大学がお勧めです。
オーストラリア国立大学(ANU)で学ぶ国際関係学には3つの特徴があります。
1)1年間アジアで学ぶコースがある
3年間の通常の大学通学期間に加えて、1年間アジア各国の提携大学で勉強することができる Bachelor of International Relations with Year in Asia というオプションがあります。渡航先は北京、東京、バンコク、ソウル(2020年10月現在)。オーストラリアに留学しながら、さらにアジアの大学でも学ぶことができるのは魅力的ですね。
2)国際関係の歴史を網羅するコースが複数設けられている
例えば
- HIST2136 World at War, 1939-1945
- HIST2240 Democracy and Dissent: Europe Since 1945R
3)様々な地域の政策や国防について学ぶコースが数多く存在する
例えば
- POLS3040: Conflict and Change in sub-Saharan Africa
- POLS2031 Politics in the Middle East
- INTR2012 Chinese Foreign and Security Policy
世界の様々な地域について深く勉強したい場合はANUで学ぶことをお勧めします。
※授業の開講状況は常に変更しています。最新情報は大学ウェブサイトでご確認ください。
文化的な側面も学びたい人は:モナッシュ大学
メルボルン近郊にあるモナッシュ大学では、国際学部(Bachelor of Global Studies)の中の専攻(specialisation)として国際関係学を学ぶことができます。モナッシュ大学ならではの特徴は大きく3点あります。
1)文化的な側面から見た国際関係を学ぶことができる
国際学部の中に位置付けられている専攻のため、国際学部の学生共通のコースとしてLeadership culture and globalisationに関する授業を4つ履修する必要があります。テーマは、グローバル化がもたらす文化への影響など。政治や外交にも興味はあるけれど、文化に関する科目も履修したい人には良いコースですね。
2)在籍中に必ず海外実地研修に参加する
海外実地研修は様々なプログラムが用意されていますが、例えばGlobal Immersion Guaranteeというプログラムでは、マレーシア、インドネシア、イタリア、中国、インドのいずれかに赴き、現地で活動している団体と一緒にフィールドワークに参加します。
座学だけではなく実際に足を運んで理解を深められる工夫が盛り込まれているのはメリットですね。
3)選択科目として専攻とは無関係の授業を8科目履修できる
履修条件を満たすことができれば、大学内のどの授業を履修しても良いので、国際関係学とは別に興味のある分野がある場合はその勉強も十分に進めることができます。
文化に関する授業、自由な選択科目の履修、海外実地研修などを通じて、幅広く多角的に学びたいと思う人にはモナッシュ大学がお勧めです。
各大学の特徴を理解して自分に合った大学を見つけよう!
同じ「国際関係学」でも、大学によって特徴が色々とあります。ご自身がどうして国際関係学を学びたいのか、どんなことを学びたいのか、学んだことを将来どう活かしたいのかなどを考えながら大学を選んでくださいね。
また、国際関係を学べる大学はこの記事に紹介した大学以外にも多数あります。ご自身で調べてみてわからないことやもっと知りたいことが出てきたら、ぜひ一度ICCコンサルタンツにご相談ください。個別カウンセリングを無料で承っています。