世界的に問題が深刻化している地球環境問題。将来の仕事に生かしたいと思い留学のご相談をいただくことも多い分野です。
オーストラリアは石炭等の資源が豊富な資源大国である一方で、環境保全に対する国民の意識が高い国でもあります。近年は使い捨てプラスティック袋の使用が禁止されたり、飲食店の多くが飲み物に付くストローをプラスティックから紙製に変更したりと、生活の中にも環境保全の取り組みが浸透し始めています。
そんなオーストラリアの大学は環境学の分野でも国際的に評価されています。自然に囲まれたオーストラリアに暮らしながら、思う存分環境学を学んでみませんか。
あなたはどちらを選ぶ?環境学の2つの切り口
環境学を学びたいと思ったときに最初に考えたいのは、どのアプローチで学ぶかということです。
方法は大きく2つあります。
- 環境保全に関わる政策・政治・法律について学ぶ
- 環境保全に関わる科学的なアプローチを学ぶ
ざっくりと分類すると、1は文系、2は理系の切り口になります。
ただし大学によっては、日本の高校卒業時に文系や理系であっても、foundation course等の大学準備コースから入学することで知識を補って別の道に進むことができる場合もあります。
※入学条件は大学によって異なります。
この記事では、1と2のそれぞれの方法にお勧めの大学をご紹介します。
- 1.マッコーリー大学(社会科学)
- 2-1.クイーンズランド大学(環境科学)
- 2-2.メルボルン大学(環境科学)
- 2-3.ジェームスクック大学(環境科学、地球科学)
1. マッコーリー大学で社会科学を学ぶ
環境問題を社会的・倫理的・法的な面から学びたい方に一番お勧めなのは、マッコーリー大学の社会科学学部(Bachelor of Social Science)の中にある、環境・社会・法専攻(Environment, Society and Law)です。
この専攻では環境保全に関わる社会的な側面に焦点を当てた授業を数多く履修することができます。例えば、環境保全に関する法律、環境問題と政治の関係、開発学、環境と社会の関わりなどの授業が多くあります。
環境問題と社会の関わりに興味がある人にはぴったりの専攻ですね。
マッコーリー大学の基本情報はこちら
2-1. クイーンズランド大学で環境科学を学ぶ
環境問題を科学的な側面から学びたい人に最もお勧めなのがクイーンズランド大学の環境科学学部(Bachelor of Environmental Science)です。QS世界大学ランキングで環境科学の分野で豪州1位、世界でも14位にランクインしている名門大学で、世界的に活躍している教授陣から学ぶことができます。
授業は生物学、海洋学、地理情報システム(GIS)、土壌学、海洋学、エコロジー学、マッピングなどの内容が幅広く履修できて、卒業までに環境保全に関わる様々な分野を網羅できるようにカリキュラムが組まれているのが特徴です。
クイーンズランド大学の基本情報はこちら
2-2. メルボルン大学で環境科学を学ぶ
上記のクイーンズランド大学と同様に名門のメルボルン大学も環境学の分野で名が通っています。メルボルン大学の場合は、理学部の中の環境科学専攻(Bachelor of Science, major in Environmental Science)になります。
環境科学専攻の中はさらに4つの分野に分かれており、興味に合わせて履修科目がそれぞれ準備されています。4つの分野は以下の通りです。
- 保全と生態系(Conservation and Ecosystems)
- 気候変動(Climate Change)
- 天然資源と危険性(Natural Resources and Hazards)
- サステイナビリティ学(Sustainability Science)
環境学の中でもさらに専門的な分野に絞って深く学ぶことができる点が魅力ですね。
また、メルボルン大学では学部の授業とは異なる範囲の授業を履修することが推奨されています(Breadth subjectsと呼ばれています)。この仕組みを利用して、例えば法学部の履修科目である「環境権と責任(environmental rights and responsibilities)」などを履修することもできますし、環境学から完全に離れた科目を履修することもできます。
環境学の中で興味のある分野を深く学びながら、全く別の分野も同時に学べるのが特徴ですね。
メルボルン大学の基本情報はこちら
2-3. ジェームスクック大学で環境科学・地球科学を学ぶ
オーストラリアで環境学や海洋学というと必ず名前があがるのがジェームスクック大学です。
オーストラリア北部に位置するタウンズビルとケアンズにキャンパスがあり、大学が所有する牧場型の研究施設や海洋研究施設を使ったフィールドワークが盛んです。
ジェームスクック大学で環境科学を学ぶ方法は2つあります。
- 環境科学学部(Bachelor of Environmental Practice)
- 理学部の地球科学専攻(Bachelor of Science, major in Earth Science)
環境科学学部は、さらに4つの専攻に分かれています。
- Biodiversity Assessment and Management(生態多様性の調査と管理)
- Corporate Environment Management(企業の環境経営)
- Land and Water Management(土壌・海洋環境マネジメント)
- Urban Environments and Landscape Design(環境配慮型都市計画)
環境配慮型ビジネスにも興味がある人は企業の環境経営を専攻したり、建築学や都市計画にも興味がある人は環境配慮型都市計画を選ぶなど、特徴のある専攻が多く揃っていますね。
またジェームスクック大学で環境学を学ぶために、理学部の中にある地球科学を専攻する方法もあります。
この場合の履修科目は地球科学学部と共通のものもありますが、そのほかに水分学、鉱物学、地球の歴史などを学ぶことができます。理学部の中にある専攻なので、より広い分野の授業を履修できるのが特徴です。
ジェームスクック大学の基本情報はこちら
オーストラリアの大学だから学べる環境学
名門大学が多いオーストラリアの大学の中でも、環境学は特に力を入れている学問のひとつです。資源国であること、国土が広いこと、グレートバリアリーフなどの自然を保有していること、国民の環境保全に対する意識が高いことなど、オーストラリアで学ぶことに意義がある学問のひとつが環境学だと言えます。
また、一言で環境学と言っても、学べる分野や特徴は大学や専攻によって異なります。また入学条件や入学方法にも様々な方法があります。
オーストラリアで環境学を学びたいと思っている方は、ぜひ一度ICCコンサルタンツの無料カウンセリングにお越しください。オーストラリアの各大学に精通したコンサルタントがお話を伺います。