オーストラリアで日本人が就職するための完全ガイド。人気の職種や就職するための方法とは？

オーストラリアで就職するためには、ビザの申請から、求人の探し方、必要なスキルや資格の習得など、事前に計画を立てて臨むことが成功への近道です。この記事では、日本人がオーストラリアで就職するためのノウハウを余すところなく解説します。

オーストラリア就職市場の現状と日本人に人気の職種

現在オーストラリアでは技術力や専門性を持つ人材への需要が高まっており、特にテクノロジー、医療、教育などの分野で活躍する日本人が増えています。また、ホスピタリティ業界や農業分野でも多くの日本人が働いています。日本人留学生には教育や観光関連の仕事が特に人気で、大学で学びながら世界で通用する実務経験を積み上げています。

オーストラリアの就職市場の動向

日本人はITや医療、教育分野で重宝されている

オーストラリアでは、特にテクノロジー関連のスタートアップ企業が急速に増加しています。例えばシドニーやメルボルンでは、フィンテック、ヘルステック、エドテック分野のスタートアップ事業が目覚ましく発展し、これらの分野におけるソフトウェア開発者やデータアナリストはとても需要が高いです。

日本人留学生には接客業が人気

留学生にはカフェやレストランでのバリスタやウェイターなどの接客業が特に人気で、これらの仕事を通して高い英語力と現地文化の深い理解を身に付けています。また、農業体験プログラムに参加する留学生も少なくありません。果物の収穫や農業を通じて、オーストラリアの広大な自然と農業の現場に触れられる絶好の機会です。

オーストラリアで就職するために必要なビザと申請方法

就労ビザとしてもよく知られるTSSビザは、特定分野の人材不足の解消のために提供されています。申請者は指定された職種リストに記載されている職種であること、スキル評価に合格していること、そして最低2年の関連する職務経験が必要です。加えて英語の最低基準を満たす必要があります。

就労ビザ／Temporary Skill Shortage (TSS) visa (subclass 482)

ワーキングホリデービザ／Working Holiday visa (subclass 417)

18歳から30歳までを対象にしたワーキングホリデービザの取得により、最大12か月間の滞在と就労が可能になります。このビザは文化交流を目的としており、観光や短期間の就労が可能です。

技術独立ビザ／Skilled Independent visa (subclass 189)

このビザはいわゆる永住権に近く、特定の専門性を持つ個人がオーストラリアで恒久的に働き、居住することを可能にします。申請者は、職業リストに掲載されている職種に従事していること、適切なスキルアセスメントを受けていること、ポイントテストで一定のスコアを獲得していることが求められます。

卒業生ビザ／Temporary Graduate visa (subclass 485)

オーストラリアの教育機関を卒業した留学生が対象のビザで、卒業後18ヶ月から4年間、オーストラリアで就職活動や就労をすることが許可されます。申請には、オーストラリアでの資格取得、英語能力の証明、適切な健康保険の証明が必要です。

ビザ申請時のよくある問題と解決策

ビザ申請においては、書類の不備や不足、英語能力試験のスコアが基準に達していないことなどが問題となることがあります。これらの問題を避けるためには、申請要件を詳細に確認すること、必要な書類を正確に準備すること、必要に応じて英語能力を向上させることが重要です。

オーストラリアの求人の探し方

オーストラリアでの就職活動を成功させるためには、戦略的な行動が欠かせません。適切な求人情報の収集、効果的な自己PR、そして現地でのネットワーキングの強化を通して効率的に就職活動を進めていきましょう。ここではオーストラリアで求人を見つけるためのいくつかの方法を紹介します。

現地の求人サイト・アプリで仕事を探す

オーストラリアでの就職活動では、LinkedIn、Seek、Indeed Australiaのようなオンライン求人サイトが非常に有用です。たとえば、ビジネス特化型SNSであるLinkedInでは、プロフィールを充実させることでリクルーターから直接オファーを受け取れる可能性があります。また、オーストラリア最大級の求人サイトであるSeekやIndeed Australiaには幅広い業界と職種の求人が掲載されています。加えて、業界特化型の求人サイトもお勧めです。例えばIT系職種の経験者がオーストラリアでの求人を探す場合、Stack Overflow JobsやGitHub Jobsといったサイトがおすすめです。これらのサイトは、開発者やエンジニア向けにも質の高い求人情報を提供しています。

現地での知人やネットワークを活かして仕事を探す

現地での人脈は、未公開の求人情報を得たり、推薦を受けるために有効です。オーストラリアの業界団体や専門家グループが主催するイベントに参加することで、現地のプロフェッショナルと直接接触し、貴重な情報や仕事の機会を得ることができます。例えば、TechMeetupsやMeetup.comでは、オーストラリア各地で定期的に業界イベントが開催されており、これらに参加することで現地でのネットワークを築くことが可能です。

現地大学・専門学校への留学とインターンシップを経由して就活に繋げる

オーストラリアの大学や専門学校は、学生に対してインターンシッププログラムへの参加を積極的に推奨・提供しています。なぜなら日本のように新卒であること自体が価値になることはなく、実務経験の有無が採用を大きく左右するためです。反対に、在学中にインターンシップで希望する業界でうまく経験を積むことができれば、よりよい企業への就職へと近づきます。

オーストラリア大学出願センターでは、オーストラリアの大学への進学を希望する方のサポートを行っています。現地大学への留学とインターンシップを経て、グローバルで活躍できるキャリアを目指す方は、是非ご相談ください。

オーストラリアでの就職に有利なスキルや資格

オーストラリアで就職する際、特に重視されるのは英語力と現地企業が求めるスキルです。IELTSやTOEFLなどの英語試験でのハイスコアや特定の資格を持っていると、より大きなアドバンテージとなります。

英語力

オーストラリアでの就職には、一般的にIELTSで最低6.5以上、TOEFL iBTでは90以上のスコアが求められます。特定の職種ではさらに高いスコアが必要とされ、例えば専門的な職業ではIELTS 7.0以上が望ましいとされる場合もあります。ビジネスレベルでのコミュニケーション能力の証明のために、英語能力試験のスコアの取得が重要です。

現地企業が求めるスキル

IT、マーケティング、プロジェクトマネジメントなど、現地企業が特に求めるスキルを身につけることが重要です。ITスキルに関しては、プログラミング言語（Java、Python、C#など）の知識や、クラウドサービス（AWS、Azure等）の経験が特に求められます。マーケティングでは、デジタルマーケティングのスキルやソーシャルメディア管理の能力が重視され、プロジェクトマネジメントではPMP（Project Management Professional）認定が有利に働くことがあります。求められるスキルは職種によって異なるため、事前に研究し、自分が目指す分野のスキルを磨くことがおすすめです。

オーストラリアで需要の高い資格職

特に需要が高い資格職としては、医療分野での資格（例：看護師免許、医師免許）、工学分野での資格（例：技術士[Professional Engineer][Chartered Engineer]）、会計分野での資格（例：公認会計士[CPA]、勅許会計士[CA]）が挙げられます。これらの資格を取得することで専門的な職種で就職できるチャンスが広がり、キャリアアップにも繋げることができます。

オーストラリアで就職した後は？働く環境や生活を知る

オーストラリアでの就職後、新しい生活と働く環境に慣れるためには、事前に情報を集め、準備をすることが大切です。生活費や給与水準、労働条件など、知っておくべきポイントをご紹介します。

オーストラリアで暮らすために必要な生活費はどれくらい？

オーストラリアの生活費は地域によって差がありますが、シドニーやメルボルンなどの大都市では月額約2,000豪ドル（約19.3万円）から3,000豪ドル（約29万円）が一人暮らしの家賃、食費、交通費を含む生活費の目安となります。特に家賃は都市部で高く、月額1,500豪ドル（約14.5万円）以上が一般的です。

オーストラリアの給与水準

日本貿易振興機構（JETRO）によると、オーストラリアの最低賃金は2024年6月現在、時給24.10豪ドル（約2,506円）とのこと。最低賃金は経済の動向に伴って定期的に見直されているようです。専門職や経験豊富な職種ではさらに高い給与を期待できます。

オーストラリアの働く環境について

オーストラリアでは、ワークライフバランスが大切にされ、多くの職場で9時から17時までの定時勤務が基本です。残業文化は日本ほど一般的ではなく、残業が発生した場合は、代休や残業手当が支給されることが法律で保障されています。また、多国籍な職場が多く、異文化コミュニケーションの機会も豊富です。

オーストラリアの労働基準法について

オーストラリアでは「Fair Work Act 2009」が労働者の権利を保護しており、年間の有給休暇（4週間）、育児休暇（最大20週間）、病気・介護休暇などが定められています。また、職場の安全と健康を守るための「Work Health and Safety Act」もあり、働く環境の安全確保が義務付けられています。

オーストラリアでの納税について

オーストラリアで働く外国人労働者は、オーストラリアの税法に従って所得税を納める必要があります。オーストラリアの個人所得税率は収入に応じて変動します。たとえば、年収18,200豪ドル（約176万円）以下の場合は非課税ですが、18,201豪（約176万円）ドルから45,000豪ドル（約435万円）までは19%の税率が適用されます。さらに収入が増えると税率も上昇し、最高で45%まで上がります。

オーストラリアで就職するなら、留学がオススメ！

オーストラリアでの就職を目指すなら、留学はとても有効な手段です。留学を通じて、言語の習得はもちろん、現地でのネットワークを築くことができます。また、留学中にインターンシップに参加することで、実務経験を積み、就職活動を有利に進めることができます。

留学がオススメの理由１：語学力と専門知識が習得できる

留学中の「英語を使って専門知識の学びを深める」という行為は、オーストラリアでの就活から就職後のキャリアアップにおいて非常に重要な語学力と専門知識を得るために大いに役立ちます。大学や専門学校で過ごす数年間は、オーストラリアでの就職を成功させるための充実した準備期間になるでしょう。

留学がオススメの理由２：実務経験を積める

現地の教育機関に通うことで、現地の企業と連携したプログラムやインターンシップに参加できる機会を得られます。これらは大学で学んだ理論を実践的な場面で活かす絶好のチャンスですし、インターンシップでの実務経験を履歴書に記載することで、即戦力をアピールすることができます。

留学がオススメの理由３：国際的なネットワークを構築できる

留学中には、世界各国から集まる学生や教職員との交流が日常となり、多様な文化背景を持つ人々と交流する機会が豊富にあります。これにより、国際的な視野を養い、グローバルな職場で活躍するためのコミュニケーションスキルを身につけることができます。多様性の広がるオーストラリアにおいて、職場の人々と良い関係性を保っていくために大切なスキルです。

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