オーストラリア留学は「TAFE留学」「大学留学」と選択肢が豊富
オーストラリアの大学は、世界大学ランキングにおいて常に上位にランクインするなど、高い教育水準を誇っており、2024年世界大学ランキングでトップ100以内に9大学がランクインしています。また治安も良いので、留学先として世界各国からとても人気です。
オーストラリアに留学するには、現地の大学に留学する方法以外にも、TAFEに通う方法があります。ここでは、TAFEと大学留学の違いについて解説します。
TAFEとは?
TAFEとは、「Technical and Further Education」の略で日本の職業訓練校にあたります。即戦力育成を目的に設立された州の政府が運営している公立の専門学校で、オーストラリアに約300校以上存在します。
TAFEの特徴は、主に次のとおりです。
- 専門的な分野で実務経験を積める
- べるコースが豊富にある
TAFEは卒業後、すぐに役立つ専門的な知識や技術を身につけられるため、就職や転職にも有利です。また、ビジネス・IT・観光・パティシエなど学べるコースもたくさんあります。オーストラリアにあるほとんどの職種が網羅されているといっても過言ではありません。
TAFEを卒業すると「Certificate」や、コースによっては学士号である「Bachelor」の資格を取得できる学校もあります。
卒業後、即戦力として働きたい専門的な職種がある場合は、TAFEを検討してみるのもオススメです。
TAFEと大学・大学院留学の違いとは?
TAFEと大学留学の主な違いを表にまとめました。
TAFE | 大学・大学院留学 | |
---|---|---|
運営 | 公立 | 私立・公立 |
学費 | 大学に比べると安い | TAFEよりも高い |
難易度 | 大学に比べて入りやすい | TAFEよりも高い |
学ぶ内容 | 実習がメイン | 学術メイン |
交流する人の特徴 | 現地在住の人が多い | 現地在住の人だけではなく留学生も多い |
卒業後の選択肢 | 専門職への就職に強い | グローバルキャリアを視野に入れた就職に強い |
TAFEは大学に比べて、地元のオーストラリア人の割合が圧倒的に多いのも特徴です。ネイティブな現地の言葉が行き交うため、「地元の人と交流をもちたい」「活きた英語を学びたい」という方にもTAFEは人気です。
一方で、オーストラリアの大学・大学院留学は「グローバルなキャリアを目指したい」「学びたい目的や学部がある」「目標とする大学がある」といった方にオススメです。国際的にも教育水準が高いと言われるオーストラリアの大学や大学院での学位は、グローバルなキャリアを目指す上でも強みになります。留学生も多いので、国際的な人脈作りにも役立つことでしょう。また、グローバル志向だけではなく、オーストラリア現地での永住権を獲得する近道になる場合も。進学後の選択肢は、大学や大学院の方が広いメリットがあります。
TAFEの入学条件と入学までのステップ
ここからは、TAFEの入学条件と入学までのステップをご紹介します。授業は全て英語でおこなわれるためTAFEに入学するには、英語力は必須です。
入学条件
TAFEへ入学するには以下2点の条件を満たす必要があります。
- 英語の最終学歴の卒業・成績証明書の提出
- 英語力の証明書の提出
必要な最終学歴はコースによって異なりますが、ほとんどのコースが高校卒業以上です。
TAFEが認めている英語力の証明として一般的なのがIELTSです。必要なスコアは、次のとおりです。
コース | レベル | 通学期間の目安 | 必要なIELTSスコアの目安 |
---|---|---|---|
Certificate Ⅰ~Ⅳ | 高校卒業程度 | 4~12ヵ月 | IELTS 5.5 |
Diploma | 大学1年次相当 | 18~24ヵ月 | IELTS 6.0 |
Advanced Diploma | 大学1年次相当 | 2~3年 | IELTS 6.0 |
Bachelor | 学士号 | 3~4年 | IELTS 6.0~7.0 |
また、デザイン系のコースはポートフォリオの提出を求められる場合もあります。その他にも専門性の高いコースでは関連コースの修了や実務経験が必要なケースもあるため、事前に確認しましょう。
入学までのステップ
TAFEの入学時期は、2月と7月の年2回あります。進めるステップは次のとおりです。
- ステップ1:情報収集(出発の6ヵ月~1年前)
- ステップ2:留学エージェントの選定(出発の4ヵ月~6ヵ月前)
- ステップ3:出願(出発の2ヵ月~3ヵ月前)
- ステップ4:入学手続き
- ステップ5:学生ビザの申請(出発の2ヶ月前〜3ヶ月前)
- ステップ6:出発
入学面接もないため、出願書類の不備があると挽回できません。不備のないよう早めに準備しましょう。
TAFEは入学時の年齢の上限なし
TAFEは入学年齢の上限制限はないため、社会人でも入学できます。
実際に社会人を経験してからスキルアップを目的に入学する人も多くいます。ちなみに入学できる最低年齢は、15〜17歳以上です。
TAFE留学のメリットは?
大学と比べて学べる選択肢が豊富
TAFE留学の1つ目のメリットは、大学に比べて選択できるコースが豊富なため、選択枠が多い点です。
大学の場合、コースを優先すると入学できる大学が限られるケースもあります。一方TAFEでは、自分の興味や目標に合った設備を幅広い選択枠の中からピンポイントで選ぶことが可能です。
TAFEで人気のコースと教育内容はこちら
分野 | コース | 教育内容の一部 |
---|---|---|
ビジネス(経営) | マーケティング | アイディアの発表と議論 消費者行動の分析など |
会計学 | 財務報告書の準備と作成 新規事業の運営と戦略など |
|
旅行 | フライトアテンダント | 航空業界での効果的な働き方 消防設備の操作と緊急時の対応など |
ツアーガイド | ツアーの調整と運営 CS向上に向けた取組など |
|
調理 | パティシエ | 安全に作業する実施方法 基本的な調理法の実施など |
最新設備で学べる
TAFE留学の2つ目のメリットは、大学規模で最新設備を構えていることです。
一般的に大規模な工作場や実習室、コンピューターラボなどが設置されているため、卒業後即戦力として活躍するための実践的な経験を積むことが可能です。
大学に比べて学費を抑えられる
TAFE留学3つ目のメリットは、TAFEは大学留学に比べてリーズナブルに留学することができることです。
大学へ直接留学した場合、費用は1年で約300万円からといわれています。TAFEの場合、大学編入に必要なディプロマコースは、年間約160万円ほどです。そのため約140万円の節約に繋がります。
学費はコースにより異なりますが、ここでは学費の概算をお伝えします。
例1)会計簿記:CertificateⅣ(サティフィケイト)の場合
コース名 | 期間 | 資格 | 金額 |
---|---|---|---|
会計および簿記 | 6ヵ月 | CertificateⅣ | 8,720豪ドル |
例2)ホスピタリティマネジメント:Diploma(ディプロマ)の場合
コース名 | 期間 | 資格 | 金額 |
---|---|---|---|
ホスピタリティマネジメント | 1年 | diploma | 16,140豪ドル |
TAFE卒業後は?
TAFE卒業後は主に3つの選択肢があります。
- オーストラリアの大学へ編入する
- 日本に帰国する
- 現地で就職する
オーストラリアの大学へ編入する
1つ目は、オーストラリアの大学への編入です。大学へ編入するには、ディプロマ以上の取得が必要です。ディプロマは大学1年相当の証明になるため大学2年に編入できます。
日本に帰国してキャリアアップ
最も多いのが日本で就職するというパターンです。TAFEの卒業証明が日本での就活に大きく有利に働くわけではないですが、語学力や専門性の高いスキルを強みにすることができます。英語でのコミニュケーションが必要とされるポジションや、外資系の企業など、国際感覚や英語力が必要とされる場所に就職し、キャリアアップを続ける方も多くいます。
オーストラリアの現地で就職する
最後に、現地での就職です。TAFEのオーストラリアでの認知度は高く、卒業後は学んだスキルを活かして現地での就業も可能です。TAFE卒業後に卒業ビザを取得して現地企業に就職し、オーストラリアで生活を続ける方もいます。
TAFEから大学編入するメリット
昨今、TAFEの実践で得た学びを深めるため、オーストラリアの大学に編入する人が増えているようです。TAFEから大学編入するメリットは主に2つあります。
大学2年次に編入できる
ディプロマコースを既定の成績で卒業すると、その単位を大学へと移すことができます。単位の審査基準は大学によってさまざまですが、通常半年~1年分認められるため大学に編入する際は、2年次からスタートすることができます。
しかし、全ての大学が2年次から編入できるとは限りません。編入できたとしても、大学やコースによっては2年次ではなく1年後期の編入となる可能性もあります。
大学編入を目指してTAFEに入学する方は、事前にどの大学に行けるか確認してから進学するのがオススメです。
英語に慣れているので授業に専念しやすい
TAFEで学んでいる間にネイティブな英語力を身に付けていきます。そのため、大学編入時には、基礎的な英語力が身に付いた状態です。大学ではTAFEよりも勉強量が膨大に増えますが、英語に慣れている分、語学へのハードルは下がるため授業に専念しやすいというメリットもあります。
TAFEよりも大学・大学院留学がオススメのケース
TAFEは専門的な実務経験を得ることを目的としている制度のため、以下の場合は大学や大学院留学がオススメです。
高度な専門知識や技術の習得を目指したい場合
大学では、最先端の研究に触れる機会も多く、より専門的で高度な知識を深く学ぶことができます。TAFEは実践的なスキルに重点を置いているため、学術的な探求心が強く、高いレベルの教育を受けたい人には大学留学がおすすめです。
国際的なキャリアを目指している場合
グローバル社会で活躍するには、国際的に認められた大学の学位が有利に働くことがあります。オーストラリアの大学は世界的にも高い評価を受けているため、その学位は国際的にも通用します。TAFEの資格は国によっては認知度が低い場合もあるので、将来海外でキャリアを築いたり、グローバルに活躍したいと考えている人は、大学や大学院留学を選ぶことがオススメです。
多様な学生との交流や国際的なネットワーク作りを目指したい場合
留学生の受け入れ環境が整っているオーストラリアの大学には、世界中から留学生が集まってきます。様々な国籍や文化的背景を持つ学生との交流は、視野を広げ、国際感覚を養う絶好の機会です。また、将来グローバルに活躍するための人脈作りにも役立ちます。TAFEでも留学生はいますが、大学の方が多様性に富んでいて、国際色豊かなキャンパスライフを送ることができますよ。
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