これまでの経歴を教えて下さい。
山梨県甲府市出身。
工学院大学工学部卒業制作にて学内最優秀賞を受賞。
メルボルン大学大学院在籍時、全世界の建築学生が応募する国際コンペ:UIA-HYP CUP INTERNATIONAL STUDENT COMPETITION in ARCHITECTURAL DESIGN 2015 にてFIRST PRIZE(最優秀賞)を受賞するなど国内外で数多くのコンペ受賞歴を持つ。
現在は株式会社三菱地所設計に勤務。
大学院留学を決めた理由、必要性を教えてください。
メルボルン大学大学院に留学しようと決めた理由は、3つあります。
1つ目に、建築デザインで生きていくと決意した時、ただ日本に閉じこもっているのではなく、より視野を広げて、多種多様な価値観の中で建築と向き合うことで、今後に繋がる、人間的にも成長することが出来るのではないかと考えたからです。
2つ目に、家族も親戚も友達も誰もいない場所で一から環境・関係を作り上げることの大変さを実感することで、今後、建築デザインを仕事としていく上で直面する様々な状況に対応する力を身につけることが出来るのではないかと考えたからです。
3つ目に、学部時代の英語の授業でメルボルン出身のChristine Horne先生に出会ったことも私の決断を後押ししてくれました。彼女の姪がメルボルン大学大学院の建築出身で、現在は世界的な大企業Foster + Partnersで設計リーダーとして仕事をしています。そんな彼女とメール、電話などでコミュニケーションを取り、メルボルン大学大学院の内部環境に関して多くのアドバイスをいただきました。大学院卒業後の中長期ビジョンも、メルボルンに行く前に明確に持つことができました。
以上3つが私が大学院留学を決めた理由です。
オーストラリアを大学院留学先に決めた理由を教えて下さい。
Q1で述べた3つと関連して下記になります。
1.オーストラリアは多民族国家、多種多様な価値観がそこにはあるため。
2.様々な国籍・バックグラウンドの人と人間関係を築くチャンスがあるため。
3.世界的な大企業で仕事をしているメルボルン大学大学院の卒業生からのアドバイスがあったため。
大学院で学んだ専攻と内容、クラスメイトや先生の様子について教えて下さい。また、留学中に経験した印象深い体験を教えて下さい。
大学院では建築デザインを専攻いたしました。内容は建築の都市計画、歴史、最新デジタルテクノロジーに関することなど、自分の興味に合わせて、多くのことを学ぶことが出来ました。クラスメートのほとんどは一度社会に出て仕事をして大学院に入学してくる人が多くいたため、考え方なども様々で、お互いに刺激し合える良い関係でした。先生方も各専門分野のスペシャリストが揃っていて、10年後、20年後の建築の未来を積極的に考えている人が多くいるなと感じました。
印象深い体験は、大学院に入学し一番初めの設計スタジオの最終講評会の時に各先生方から「君の作品は他の学生と比べるに値しない。大学が求めている50パーセントも満たしていない」ときつく評価を受けたことです。その時、私は自分自身を変えなければ、この場所では生き残れないと強く感じました。
メルボルン大学、メルボルンの街の魅力を教えて下さい。家族、友人、知人に紹介するとき、どんな事をお伝えされていますか?
メルボルン大学の学生は、皆とても意識が高く、自主的に行動する学生が多いなと感じます。また、皆、将来のVISIONをはっきりと持っています。
メルボルンはコーヒーが有名で、とても落ち着いている街なので勉強も集中して出来る環境が整っています。とても住みやすいです。
留学前と後、自分はどんな視点、スキルが身につき、どんな変化があったと思いますか?
留学前と後では、建築の議論を含め、英語でのコミュニケーションスキルは格段に上がったと実感しています。英語で物事を考える日々が続いたため、帰国後は日本語を忘れることもしばしばありました。建築面では、日本ではなかなか主流ではない3Dソフトの技術を見つけることが出来、新たな建築の可能性を追求することが出来ました。
オーストラリア留学の最大の魅力を教えて下さい。
メルボルンに限ってお話させていただきますが、メルボルン留学の最大の魅力は、日本にいるだけでは出会うことの出来ない、素敵な仲間に出会うチャンスがあるということです。色々な価値観に触れ、自分自身の人間性も高められると思います。
留学後、現在、またこれまで勤められた勤務先、お仕事内容について教えて下さい。
現在は東京丸の内に本社を構える三菱地所設計で建築設計の仕事をしております。 尊敬できる先輩方と一緒に、良いものづくりをしていきたいという気持ちでおります。
留学後、どの様にして就職活動を行いましたか?出来れば具体的な就活方法を教えて下さい。現在の経験を踏まえ、後輩達へ留学中、「この様な事を行っておくと良い!」という点を教えて下さい。
私は、夏休み(日本は冬)の期間に、日本の大手設計事務所の面接などにトライしました。特別枠とかではなく、日本の学生と同じ日程で各種面接を受けました。ポートフォリオの準備はメルボルンで行い、書類関係も授業の合間に準備をし、日本の企業に送りました。英語力(TOEICなど)を書類などで証明するだけでは全く強みにはなりません。実際に使える英語力を持っているということを面接時などでアピールすることで違いが生まれると考え、私は、面接時にすべて英語でプレゼンし、自分の英語力をアピールしました。
これはほんの一例にすぎません。自分なりのやり方で道を切り開いていってほしいと思います。