中国語学習者が大幅減少。どうなる?日中ビジネス

冷え込む日中関係≠世界情勢

中国語学習者が急減しています。

日本中国語検定協会が年3回実施している中国語検定試験の受験者数は、2011年の年間77,642人から年々減少し、2014年の受験者数は年間33,833人と60%以上も減少しています。昨年末の内閣府が発表した外交に関する世論調査でも、「中国に親しみを感じない」とする回答が83%と過去最悪となりました。日本国内での嫌中感情は増すばかりですが、果たして、諸外国の中国に対する意識はどうなのでしょうか?

全米比較・国際教育学会(CIES)の「2012年学生の国際流動性に関する研究報告」によると、中国はフランスを抜き、アメリカ、イギリスに次ぐ留学生受入れ大国の第3位に浮上。中国で学ぶ外国人留学生は年々増えて35万人を超え、前年比15%以上アップとなっています。中国政府は2020年までに留学生50万人計画を打ち出し、奨学金制度なども拡充。これから中国で学ぶ留学生は益々増えていくといわれています。

日本の中国への関心は急激に萎んでいますが、それはどうやら日本だけのことのようです。諸外国では、消費・生産・投資大国である中国への関心度は上昇を続けており、特にアメリカから中国への留学生は年々増加しています。

今年3月に北京大学、北京語言大学などいくつかの北京の大学を視察しました。キャンパスにはアジアからの留学生だけでなく、多くの欧米人留学生が学んでいます。北京語言大学で留学生受入れを担当する申先生によれば、「日本人留学生は激減している」そう。ただし、新聞社、メーカー、商社など、日本企業からの派遣留学生は減っていないそうです。

国民の関心は低下しているけれど、ビジネスの相手としては今後も決してはずすことのできない、大きな可能性を秘めている中国。また、英語学習が普及しておらず、一般社会ではまだまだ英語が通じない中国では、世界の多くの留学生が中国語や文化を学んでいます。

日本は、このまま中国や中国語と疎遠になってもよいのでしょうか。中国語人材の育成はこれからも日本にとって必要なはずです。

3000人以上の留学生が在籍する北京語言大学

3000人以上の留学生が在籍する北京語言大学

 


ICCコンサルタンツでは人材育成目的に沿った国内・海外研修のご提供が可能です。

→詳細はこちら