最近話題のイノベーション事例(製品、サービス、製造工程など)
そもそもイノベーションとは?
昨今、行政や企業の中で急務と叫ばれている「イノベーション」ですが、なんとなくの意味は分かっていても、正確にはどのようなことか説明出来る人は少ないのではないでしょうか。
オーストリアの有名な経済学者シュンペーター(Schumpeter)は、以下のようにイノベーションの例を挙げています。
1. 創造的活動による新製品開発
2. 新生産方法の導入
3. 新マーケットの開拓
4. 新たな資源(の供給源)の獲得
5. 組織の改革
こちらを見てどうでしょうか。
多くの人は、1の新製品開発のみがイノベーションであると考えがちな傾向があるような気がしますが、生産方法・市場・資源・組織などもイノベーションを起こす対象となるのです。
そのため、イノベーションを二つに大別すると、プロダクト・イノベーション(製品革新)とプロセス・イノベーション(工程革新/製法革新)となります。
つまり、イノベーションを端的かつ包括的に定義すると「社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革」となります。
プロダクト・イノベーション(製品革新)の事例
プロダクト・イノベーションの例として有名なのはSONYのウォークマンではないでしょうか。小型で持ち運び可能なカセットプレイヤーは、それまでなかった外で音楽を楽しむという新しい文化を生み出し、その後のポータブル音楽プレイヤーの先駆けとなりました。
ここでは、最近の製品やサービスに対する革新の事例を紹介していきます。
【ジェルボール型洗剤】
P&Gジェルボール型洗剤は、「計量する手間が省ける」という単に時短という視点だけでなく、家事の中でストレスと感じる「計量や詰め替えのこぼれた時に拭く手間」について着目、開発され、発売3年間で約1億個以上売り上げた商品。
【パソコン・スマホ用メガネ】
メガネ=視力矯正という考えを変えたイノベーション事例。
パソコンやスマホからは、ブルーライトが多く発生していることに着目し、そのブルーライトをカットするJINS PCを開発。これによりメガネは視力矯正の役割だけでなく、「目を守るもの」という新しい常識を創造した。
【配車アプリ−Uber】
スマートフォンからたった2タップでハイヤーやタクシーを配車できる圧倒的な顧客体験を実現した配車アプリのUber。アプリを使って自分の好みの車を予約したら、GPSにより自分の現在地などの迎車する位置に近いタクシーを地図上で探しマッチングすることで、正確な時間と場所に車が迎えに来る。
画面上には到着までの所要時間や、目的地までの概算料金も提示され、運賃の支払いには現金を使わずに事前に登録したクレジットカードで行うため、降車時の現金支払いに手間取ることがない。
本アプリを開発した米ウーバー・テクノロジーズは、2010年の創業からわずか5年で、50カ国259都市以上に進出し、2014年12月、Uberは12億ドルの資金調達を発表。ベンチャー企業としては非常に高い評価を受けており、現在の企業価値はおよそ5兆円。
プロセス・イノベーション(工程革新/製法革新)
ここでは、最近の工程や製法に対する革新の事例を紹介していきます。
【ZOZOスーツ】
インターネットで服を購入する際、最も問題になるのはサイズである。画像だけではサイズは分からないし、サイズ表記は同じでも、メーカーやブランドによって製品のサイズが異なる。
そのような声に応えたのが「ZOZOスーツ」。伸縮センサーを内蔵した採寸ボディスーツであり、上下セットを着用し、スマホをかざすだけでデータが読み取れ、消費者はジャストサイズの服を簡単に探すことができる。
【トヨタ生産方式】
生産計画に応じて「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」供給できれば、「ムダ、ムラ、ムリ」がなくなり、生産効率が向上する。その無駄を徹底的に排除するという思想は、トヨタにおける「かんばん方式」という独創的な生産管理方式を生み出した。
「かんばん方式」は、かつて「スーパーマーケット方式」ともいわれ、まさにスーパーマーケットからヒントを得て考案された。それは顧客である後工程が、必要な部品を、必要なときに、必要な量だけを前工程に取りに行くことで、前工程がムダに部品を多く造り、後工程に貯めてしまうという、それまでの非効率な生産性を改善することができた。
トヨタ生産方式 | 経営理念 | 企業情報 | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
トヨタ企業サイト「トヨタ生産方式」をご紹介します。トヨタはあらゆる事業活動を通じて、豊かな社会づくりに貢献し、すべてのステークホルダーから信頼される良き企業市…
【SPA −ユニクロなど】
アパレル業界のイノベーションといえるSPAとはSpecialty store retailer of Private label Apparelの略で製造小売ともいい、企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。
ユニクロはこのモデルを採用。消費者の嗜好の移り変わりを迅速に製品に反映させ在庫のコントロールが行いやすいなどのメリットにより、売れ残りのリスクを減らし、かつ多店舗で多くの商品を売ることで大幅な価格の引き下げを可能とした。
おわりに
ここまでのイノベーション事例を見ていかがでしたでしょうか。
イノベーションには、「社会を一転させてしまうようなもの」「大きなインパクトをあたえるもの」と考えがちですが、小さな変革で人々の生活を少しよくすることも、まさにイノベーションと言えると思います。
あなたの組織では、日々あらゆる可能性を模索し、「イノベーション」起こそうとしていますか?
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