このような長期にわたる両国のポジティブな関係性から「日本とオーストラリアをつなぐ仕事がしたい」と考えられる方は多いのではないでしょうか。
両国の架け橋となるキャリアの構築の仕方は実にさまざま。
今回は「オーストラリアと日本の橋渡し役」の仕事のトップでもあると言える、在ブリスベン日本国総領事館 柳沢総領事のお取り組みを、教育、ビジネスの観点からご紹介します。
両国の橋渡し役に。日本とオーストラリアの絆のために尽くす方々の力になりたい。
在ブリスベン日本国総領事館 柳沢陽子 総領事
■プロフィール
2013年9月オーストラリア在ブリスベン日本国総領事に着任。東京都出身、千葉県育ち。
一橋大学法学部卒業後、外務省入省。先任地にはドイツ、オーストリアなどドイツ語圏が多く、専門は国際法と核および大量破壊兵器の不拡散。
趣味はクラッシック音楽鑑賞。特に、アルフレート・ブレンデルなどのピアノ曲を好む。
柳沢総領事は、着任直後から「地域でできるだけたくさんの地元の方にお会いして、両国の関係を深める”橋渡し役”となることが一番の仕事」とおっしゃっています。
ブリスベンだけではなく、ブリスベンが立地するクイーンズランド州の経済界や文化界にもネットワークを広げられ、日本への理解を深める発信を行ったり、経済協力などのための情報を両国に提供したりすることにより、日本とオーストラリアの絆のために尽力している方々の助けになりたいとご自身のミッションを語られています。
留学生とのキャリアトーク:「若い時に海外生活でたくさんのことを経験し、いろいろな人がいるということを知るのは大切」
教育産業が盛んなオーストラリアにおいて、一人でも多くの日本人学生に留学に来てほしいと、留学先としてのオーストラリアのポテンシャルの高さを感じていらっしゃった柳沢総領事。
そのお取り組みの一つとして、今回、キャリアにつながる1年間のビジネス留学「IBPプログラム」が主催するトーク会にご登壇いただきました。
海外で成功、ご活躍されている方をお招きしお話を伺うことで、留学中に自身のキャリアに真剣に向き合う機会になるようにと開催される当会。その趣旨に共感いただき、今回のご登壇が実現しました。
柳沢総領事にお越しいただきました今回は、なんと質疑も含め3時間近くにも。長時間に渡り丁寧かつ熱心に学生の皆さんの質疑に答えてくださいました。
「若い時に海外生活をして、たくさんのことを経験し、いろいろな人がいるということを知るのは大切なこと。」と語る柳沢総領事。「そういった意味でも、ポテンシャルのあるオーストラリアに今、留学されている皆さんには成長の機会がたくさんある。」とのメッセージに、参加の日本人学生たちはモチベーションが高まっていました。
また、時の人の一人であるロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授の「3つのシフト(転換)」に共感されたことを軸に今の生き方と、ご自身の経験をミックスされたお話は学生にも共感を呼び、大変心に響いていました。
キャリアトークに参加者した皆さんからは、「海外を含むキャリアプランを考えるきっかけになった」「日豪の相互発展のためのキャリア意識がとても高まった」と非常に前向きなコメントを全ての方からいただき、今後の留学生活はもちろんのこと、「日本とオーストラリア」両国に貢献するためには何が出来るのかを考える非常に刺激的な経験になったようです。
最前線のビジネスパーソン達と、両国の経済協力強化に貢献する。
日本とオーストラリアの関係を深め、経済協力を強化していくために、在留邦人との積極的なコミュニケーションを取っていきたいという総領事は、ブリスベンだけではなく、クイーンズランド州の経済界を担う日系企業との関係構築や、邦人社会の横のつながりを大切にされています。
この度のブリスベン日本商工会議所(JCCIB)といわれるブリスベンにおける日系企業54社(豪州三井物産、JFEスチール、双日、東京ガス、丸紅コール、デロイトなど)が所属している商工会の交流会にも、柳沢総領事は冒頭のご挨拶に駈けつけてくださいました。
100名近い日本人留学生と日系企業の駐在員の方々が集まる当交流会では、ブリスベンおよびクイーンズランドの経済を牽引する、商社、エネルギー、コンサルティングサービス、建機メーカー、教育、観光など、さまざまな分野で活躍するビジネスパーソンの方々がプレゼンテーションを行い、それぞの分野の最前線の業務や仕事のやりがいまでを共有する場となっています。
分野は違えど「日本とオーストラリアの架け橋になる」「両国の関係強化に貢献する」との熱い想いは皆共通。
貴重なビジネスネットワーキングの機会を通じて、新しいアイディアや、共同プロジェクト企画が、多数生まれています。
日本人留学生にとっても、アカデミックのフィールドを出て、留学中に実社会との接点を持てる貴重な機会。
まさに「日本とオーストラリアをつなぐ仕事」をされている柳沢総領事をはじめ、駐在員の方々と直接お目にかかりお話を伺うことで、キャリアに真剣に向き合うきっかけになっています。
中でも、1年間のビジネス留学「IBPプログラム」の学生は、当交流会の企画段階から携わり、当日の司会運営までも任せていただけて、日豪関係の鍵を握るブリスベンの産業界の皆様からも厚い信頼を得ることができました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、「オーストラリアと日本の架け橋となるキャリア」の代表格である、在ブリスベン日本国総領事館 柳沢総領事のお取り組みからご紹介いたしました。
一言で「オーストラリアと日本をつなぐ」と言っても、それを実現する仕事も、取り込みも、本当にさまざまです。
「オーストラリアと日本の架け橋になりたい。でも、そのキャリアをどう実現したら良いか分からない。」
そのような方は是非、両国をよく知ることから始めてみてください。
オーストラリアを知るには、現地に行くのが一番。その場に身を置き、現地で働くさまざまな人と出会い、話をして、「オーストラリアと日本をつなぐ」取り組みをたくさん体感して、ヒントを探してみてはいかがでしょうか?