■プロフィール
長沼 真太郎 / Shintaro NAGANUMA
1986年北海道生まれ。慶應義塾大学商学部2年時に休学し、IBP36期生として米国シアトルのワシントン大学に留学。大学卒業後は丸紅株式会社に就職し、菓子食品課で流通菓子の営業などに従事。2011年、同社を退社し、父親の経営する『株式会社きのとや』に入社。2012年新千歳空港店の店長となり、大ヒット商品『焼きたてチーズタルト』を開発。2013年、株式会社BAKEを創業し、代表取締役に就任。
これまで多くの起業家を輩出してきた学部授業とインターンシップを組み合わせたIBPビジネス留学(注1)。
起業する業界も多岐にわたっています。今回は、さまざまな菓子ブランドを全国展開する株式会社BAKEの代表、長沼さんにお話をお伺いしました。
注1.)株式会社ICCコンサルタンツが主催運営する大学での学びと海外企業でのインターンシップを組み合わせた1年間の留学プログラム。1989年に1期生を送り出して以来、延べ5000名の卒業生を輩出している。
まるで洋菓子業界のスタートアップ。次々と事業を展開
もともと父親が北海道で営んでいた洋菓子店『きのとや』を継ぎ、お菓子屋をやりたいとずっと思っていました。しかしながら、少し保守的な洋菓子業界から離れたところで、ゼロから組織を立ち上げることに挑戦してみたくなり、2013年に原宿で新規ビジネス『Bake』を立ち上げました。最初に取り組んだ事業は、Eコマースの宅配ケーキサービス『Click On Cake』です。その後アプリで簡単に写真ケーキが注文できる
『PICTCAKE』を始めました。現在はオンライン事業に加え、チーズタルト専門店『BAKE CHEESE TART』とシュークリーム専門店『クロッカンシュー ザクザク』を全国で展開しています。また、海外進出も積極的に進めており、タイ・香港・韓国に出店している他、今後シンガポール、台湾、上海、ニューヨークにも出店を予定しています。製菓業界はパティシエが経営者を兼ねていることが多いですが、私はいろいろなバックグラウンドを持った若い人たちと一緒に、スピード感のある経営を実現させています。現在はアルバイトを含めて300人規模の会社になりました。
留学で得た経験が役立っています
IBP プログラムは海外の人と臆することなくコミュニケーションできる貴重な機会になりました。起業してからも『Slush Asia』というスタートアップイベントでピッチコンテストに参加し、英語でプレゼンテーションする機会がありましたが、IBP プログラムで身につけた英語やプレゼンテーションの仕方が生きました。メールの書き方やプレゼンテーションの授業は特に役立ったと感じています。
インターンシップでは投資銀行で数字の分析などに関わり、レベルの高い環境の中で自分の未熟さを知りました。帰国後はその経験がきっかけで、外資系投資銀行のインターンシップなども経験しました。
大学卒業後は丸紅に就職しましたが、大学のゼミで一緒だった女の子がたまたま元 IBP 生で、就職先も同じになったので縁を感じてお付き合いし、結婚しました。IBP 生の同期とも今でもよく会っていて、ビジネスにつながることも多いです。 IBP プログラムは1年という気軽に参加できる期間でありながら、とても内容の詰まったプログラムだったと思います。起業も留学も、チャレンジしたいと思ったらすぐやった方が良いと思います。
※こちらの記事内容は2016年1月当時のものです。