社会人を経験してからの海外留学は、自身のその後のキャリアをアップさせるきっかけになります。今回ご紹介する渡邊彩香さんは、社会人留学生としてIBPに参加し、得た経験を現在のキャリアに活かしている方の一人。彼女がIBP参加を決めたきっかけとは?社会人としてIBPに参加して感じたこととは?社会人留学を考えている方、必見です!
プロフィール
渡邉 彩香(わたなべ あやか)
大学卒業後、IT系の会社にて新規事業開発と法人営業とWEB制作に携わる。新規事業開発の分野にてマーケティングを経験後、2021年9月から、IBPのシアトルセントラルカレッジコース(アメリカ)に参加。帰国後は、日本に本社をおくグローバル企業でシニアマーケティングスペシャリストとして活躍中。
目次
- 海外のビジネスに触れ、自身の現状との差を実感。IBP参加を決意
- 学んだのは大規模なマーケティング。Z世代とのふれあいが新たな刺激に
- インターン先は4月に決定!? 早めの行動と失敗の積み重ねが功を奏した
- 留学を通して変化。他者の考えを受け入れ、尊重し、応援することが大切
- 後悔しない自己投資ができるはず!未来の社会人IBP生へのメッセージ
海外のビジネスに触れ、自身の現状との差を実感。IBP参加を決意
もともと大学就職時からキャリアについて考え、海外で働いてみたいという思いがあった渡邊さん。留学に向けて大きく動き始めるきっかけとなったのは、当時勤めていた会社の出張で海外に行ったときだったそうです。
ドイツでAI技術の高さやロボットの性能の高さを、中国やフランスで彼らの発想やアイディアのスケールの大きさ、スピード感を目の当たりにして、私が当時携わっていた仕事のスケール、スピードと比べると大きな差があると感じました。
技術1つをとっても最先端をいっていたし、打ち合わせからわずか半年でプロダクトが上がってくることがほとんどで。でも「これが世界基準なのかもしれない、これから私たちが向かっていく先はこういう世界観なのだろう」と感じましたし、同時に日本と海外の差も感じました。
ーー「日本と海外の差」について、もう少し具体的に聞かせてください。
あくまで個人的な考えですが、そもそも日本企業の多くは、日本国内という小さいスケール・パイの中でビジネスをする傾向にあるなと感じていて。
例えば、病院で何かの改善を図ろうとするとき、日本には高齢者が多いので、多くの場合、高齢者のニーズだけに焦点をあてたサービスや改善に目が向きます。他にも子ども向け、妊婦さん向けとかさまざまなニーズがあるはずなのに。そうして、ビジネスのスケールがどんどん小さくなる。
ーーそのような気付きから、なぜ渡邊さんは留学という道を選択したのでしょうか?
今後、よりグローバル社会になって日本人として海外の企業と大きな仕事をすることになったとき、きっと彼らと同じ視座で議論できないんじゃないかと思ったんです。彼らと同じ視座に立てるマーケッターじゃないと企業間競争にも勝てないなと。そう感じた時に思い浮かんだのが「留学をして海外のマーケティングについて学ぶ」という選択肢でした。
ーーなるほど!とはいっても、留学先で海外のマーケティングについて学べるプログラムは色々あったと思います。なぜIBPを選んだのでしょうか?
当時、私はすでに31歳でワーホリの資格がなかったので、他に社会人からでも留学可能なプログラムを探していました。その中で見つけたのがICCのIBPプログラムだったんです。とりあえず話を聞いてみようと思って連絡したら、私の話を色々聞いてくださった上に、熱意をすごく汲み取ってくれて。それがとても印象的でした。
他の会社の留学プログラムの話も聞きましたが、商品説明を淡々とされただけであまり参加する気になれなくて……。
ーー渡邊さんの熱意が伝わったんですね!ちなみに、社会人になってから海外留学をすることに対して、周囲の反応はどんな感じでしたか?
友人からは「10年間のキャリア構築を中断して海外に行く意味がわからない」「安定的に仕事があるのになんで今なの?」などの反応がありましたね(笑)また、親にはIBPの申し込みがすべて終わってから話したのですが、反対こそされませんでしたが、とても驚かれました。
ただ私自身、海外留学をするからキャリアが途切れるという感覚はありませんでした。留学後も働きますし、いま目の前にあるキャリアの壁を超えるために必要な自己投資が留学だったので、私にとっては「まさに今必要なこと!」という感じだったんです。ですから、何を言われても気になりませんでした。
ーー意志が強い……!渡邊さんは留学先にシアトルセントラルカレッジコースを選んでいますよね。決め手は何でしたか?
留学が決まった2021年は、新型コロナウイルス拡大の影響で、アメリカのシアトルセントラルカレッジコースしか選択肢がなかったんです。でも結果論にはなりますが、アメリカという大規模な国のマーケティングについて学べたので、良かったなと感じています。
学んだのは大規模なマーケティング。Z世代とのふれあいが新たな刺激に
シアトルセントラルカレッジコースに参加を決めた渡邊さん。学部授業の内容や学ぶ環境にとても刺激を受けたと語ります。
ーー渡邊さんは、留学先でどんな授業を選択したのでしょうか?
マーケティング関連の授業を専攻しました。いままで日本で働いていてもゼネラリストな感じで自分に肩書きがなく、留学後にはマーケッターの肩書きが欲しかったので。
ーー肩書き、かっこいいですね!実際の授業の難易度はどうでしたか?
マーケティングに対する考え方のベースはそこまで変わらなかったので、そこまで難しいとは思いませんでした。しかし、市場がアメリカメインになって、日本とはマーケティングをする規模が異なったことで、今まで考えなかった新しい要素が増えたんです。
例えば、アメリカのテキサス州の人口は2900万人ほどいるんですが、日本で考えるとその規模は近畿全体に相当します。またアメリカは、地域ごとに人種や宗教の分布も異なるのでそこも踏まえてマーケティングすることが求められます。そういう点での難しさはありましたけど、何より新鮮でしたし、大規模なマーケティング事例を学べて楽しかったです。
ーー社会人からIBP参加を考えている人の中には、現役の学生と一緒に学ぶ環境について知りたい人も多いと思います。渡邊さんは現役の学生さんと一緒に学んでみてどうでしたか?
まず思考力の高さに驚きましたね。20代前半でIBPに参加してるだけでもすごいんですけど、「20代でこれだけ考えられるんだ」と関心したのを覚えています。私が20代のときなんて全然そんなこと考えられなかったなーと。
一方、マーケティングを専攻する私にとっては「Z世代」と呼ばれる彼らの発想や視点を、リアルに感じられたことはメリットでしたね。同じものを見ていても、彼らと私では感性が異なるんです。私は「やらないな」と思うことでも、20代の彼らからすると「いいね!やろう!」と思うことが多かった。そういう面では非常に勉強になりました!社会人でIBPに参加したからこそ感じられたことだと思います。
インターン先は4月に決定!? 早めの行動と失敗の積み重ねが功を奏した
学部授業や現役学生との学びの場で新たな刺激に触れられた渡邊さんですが、インターン先を見つけるのは大変苦労したそうです。
ーー渡邊さんはインターン先をどのように見つけましたか?またその際何か工夫したことはありますか?
とにかくレジュメを完成させて色々なサイトに貼りまくりました。そのために割と早い段階からレジュメを書き始めましたね。現地に到着してから2ヶ月目くらいからだったと思います。
ーーかなり早いですね!なぜ早めに準備を始めたのでしょうか?
OPT(※)ビザを持っていて、かつ仕事を見つけようとしている人たちの多くは、大学生や20代の人ですよね。職歴をもった人間として闘わないといけなくて。ただ私にはまだ肩書きがなかったので相当厳しいと思ったからです。
※学生ビザ(F1)で在学している留学生でも、大学で勉強してきた専攻分野と関連のある業種であれば有給または無給での就労が、最長12ヶ月、有給で米国で勤務できる資格
ーーなるほど。レジュメは誰かに添削してもらっていたのでしょうか?
はい、ICCの現地スタッフから紹介していただいた、シリコンバレーに住んでいる方にメンターになってもらって、レジュメを見てもらっていました。添削された部分を都度書き直して良いレジュメに仕上げていった感じです。
ーー色々と早めに動いてみた結果、どうでしたか?
働き始めが7月なのに対して、4月初旬にはインターン先が決まりました。3ヶ月も前に決まるとは思っていませんでした。
ただ決まるまではすごく大変で。たくさんアメリカの企業に応募しましたが、返事はほとんどNGだったんです。途中で日本の企業に焦点を変えたところ、パソナという会社からマーケティングの仕事を募集していると連絡があり、採用をいただきました。
ーー結構、上手くいかないこともあったんですね……。
そうですね、失敗したことも多々ありました。でも早めに行動して、早めに失敗できたからこそ、失敗から学ぶ時間も確保できたし、色々なやり方に挑戦できたと思っています。インターン先が早く決まったのもそのおかげだと思います。
ーーこれから社会人としてIBPに参加する人にもおすすめな方法ですね!
だと思います。あとはICCの現地スタッフにアドバイスをもらうのもアリです。実際に私も彼らにアドバイスをもらいながら自分で試してみて、煮詰まったら聞いてを繰り返してました。現地スタッフはすごくフレンドリーで相談しやすい方々ばかりなので、困った時は助言をもらいに行ってみるといいと思います!
3-1 帰国後の仕事にも採り入れたいと思った、インターンでの学び
ーーインターン先はマーケティング部門とのことですが、具体的にどんな仕事をしていたのでしょうか?
記事作成や、ウェビナーの企画・運営・開催、他者のウェビナーのプロダクトマネジメントなどコンテンツ作りがメインでした。大きなプロジェクトとしては、サラリーサーベイという約8,000ある全米日系企業を対象とした給料調査に携わりました。そのサラリーサーベイのプロダクトマネージャーポジション、かつマーケターとしても働いていました。
ーーなるほど。結構大きな仕事を任されているようなイメージですが、実際にアメリカの企業で働いてみて何か感じたことはありますか?
アメリカ人の働き方と他者への気遣いが、私が持っていたイメージと異なっていましたね。それまでは「アメリカの働き方=定時開始、定時終了」だと思っていたのですが、彼らは自分のタスクが終わるまでは働くんです。
ーーなるほど、渡邊さんのイメージとは大きく異なっていたんですね!
そうなんです。ただ彼らはタスクを受けると同時に業務責任の範囲も決めます。そして範囲を超えたら他の人に業務を委託するんです。日本だと、1つのタスクに対してどこまで業務責任を負うのか決めることはあまりありませんよね。でもアメリカでは必ず責任の範囲を決めて、そこまでは必ずその人がやり通していました。その点に関しては、とても良い働き方だなと思いましたね。
ーー終わりが明確に見えた方が責任を持って仕事ができそうですね!では、他者への気遣いという点は、渡邊さんのイメージとどのように異なっていたのでしょうか?