IBPの経験を活かして起業。IBP奨学生吉田勇也さん体験談
IBP奨学生として留学を経験し、次世代ビジネスを牽引している吉田勇也さんにインタビュー。IBP参加から現在までを振り返っていただきました!
プロフィール
吉田勇也
Yuya Yoshida
ウエストミンスター大学コース修了生
株式会社HARTi ・代表取締役CEO。「感性が巡る経済を創る」を企業理念に、現代アーティストのプロダクション事業を軸としたウェルビーイングな経済圏の創造に挑戦中。国内の有名アーティストのマネジメントを始め、新しいアートの価値・流通体系を作るべく、テクノロジーやSNSを活用したマーケット構造の構築なども行なっている。2020年「Forbes 30 UNDER 30 Japan」に選出。
目次
職場体験ができるプログラムに惹かれ、IBPに参加
吉田さんがIBPに参加したのは、大学3年生のとき。幼い頃から英語を学んでいたこともあり、留学への興味は高校生のころからあったそうです。
大学卒業後は、英語を使って外資系の企業に就職したいと思っていました。そのためにも、学生時代に海外の職場体験ができる留学プログラムに参加してみたくて、色々探していたんです。その中でIBPなら海外でインターンができることを知り、「これだ!」と思いました。奨学金制度も設けられていたので、すぐに応募しましたね。
多様な刺激を求めてコースを選択
ーー数あるコースの中で、ウエストミンスタ―大学コースを選んだ理由は何でしょうか?
実は最初、ワシントン大学に興味があったんです。でも調べているうちに、ロンドンの人口の3分の2が移民だということを知りました。お互いに外国人ということでフェアな関係性を築きつつ、さまざまな文化に触れられる。そこが僕にとって良い刺激になるような気がしたんです。
加えて当時、僕の英語レベルはそこまで高くありませんでした。ロンドンのウエストミンスター大学なら、1学期目に英語をしっかり勉強できるカリキュラムがあり、レベルも合っているんじゃないかなと感じました。「高いレベルで揉まれる経験も大事かな?」とも思いましたが、それよりも自分のレベルに合っていて、かつ多様な刺激が受けられる環境の方が、帰国後のキャリアに活かせそうだと思ったんです。
熱い思いをぶつけまくった、奨学金の選考面接
ーーIBPの奨学金を受けるにあたり、面接があったと思います。何か心がけたことはありますか?
面接が終わった後、「これも言っておけばよかった……」と悔いが残らないように、自分の思いを面接官に精一杯ぶつけまくることを心がけました。とにかく自分の留学に対する熱意を伝えたかったんです。
ーー熱意をぶつけること、大事ですね!面接官からの質問で印象に残っていることはありますか?
曽根社長から「あなたの考えるグローバルパーソンとは?」という質問はいまでも覚えていますね。僕は「語学が出来る、出来ないの垣根を超えて、文化や宗教、人種の違いを自然なものとして受け止め、個人と個人で接しながら関係が作れる人」と答えました。社長にも共感してもらえて嬉しかったです。
新しい価値観が得られたロンドンでの生活
興味は、法律から芸術へ
もともと大学では法律を学んでいた吉田さん。しかし留学先のロンドンで生活するうちに、さまざまな刺激を受け、自分が本当にやりたいことが変化していったと語ります。
ーーロンドンで生活する中で「日本と違うな」と強く感じたのはどのようなところですか?
街中で音楽を奏でている人が多かったり、無料で入場できるミュージアムも多かったりしたところですね。日本にいたときよりも芸術に触れる機会が格段に増えました。
ーー色々な芸術に触れられたんですね。吉田さんは、もともと芸術の分野に興味はあったのでしょうか?
いえ、芸術分野とは疎遠な人生を送っていましたし、得意というわけでもなかったんです。ロンドンに来てから「自分って芸術に興味もあったんだ」と気付きました。気付いてからはすごいスピードでのめり込んでいきました。早々に専攻も法律関連から芸術関連に変更しました。
ーー吉田さんにとってIBPでロンドンを訪れたことは、人生の分岐点になったんですね。
そうですね。ロンドンの街並みや雰囲気、日本とヨーロッパの芸術に対するリスペクトの違いが僕の道を開いてくれたような気がします。
ーー芸術に対するリスペクトの違いを感じたのはどのようなときですか?
留学したてのころ、住んでいた寮でヨーロッパ系の学生と将来について話をしていたときですね。僕自身、まだ法律の勉強をしていたので「law」に関する話をたくさんしたんです。でもなぜか場がしらけているような感じがして……。違和感を抱きつつも他の人の話を聞いていると、どうやら、ヨーロッパでは0から何かを作り出す人がリスペクトされる傾向があるみたいなんです。僕は「これは日本にはあまり見られない考え方だ」と感銘を受けました。振り返れば、ここでの原体験が今のビジネスに繋がっていると感じています。
刺激を求めてスタートアップ企業でインターン
ーー吉田さんが魅力に感じていたIBPのインターンですが、どんな企業を選んだのでしょうか?
ロンドンにいる間になるべく多く刺激的な経験をしてみたいなと思って、スタートアップ企業を選びました。日本食をデリバリーする「WASO」という会社です。Pythonを使ったデリバリーの最適化をしたり、トロリーカーでお弁当を届けたりしていましたね。お弁当を届けながら現地の人たちと会話できて、ダイナミズムを感じられる良い経験でした。
ーーなるほど、芸術関係の企業ではなかったんですね!
そうですね、インターン先に関しては業界にこだわらない方が、さまざまな刺激が受けられると思ったんです。ただ業界事情は知っておきたかったので、MTP(Meet The Professional)には参加しました。大手商社の現地駐在の方のお話を聞いたり出来てとても参考になりましたし、すごく貴重な経験になりました。
ーーインターン先はICCに紹介してもらったんですか?
基本的には自分で探していましたね。でもICCの現地オフィスのスタッフにも色々な所に連れて行ってもらったりして、お世話になりました。コミュニティマネージャーみたいな人が現地にいるのは、とても安心できてありがたかったです。
IBPで得た刺激をベースに起業
ーー2018年にIBPを終え、2019年には会社を立ち上げたと伺いました。どのような経緯で起業したのでしょうか?
そもそも、帰国当初は就活をしていたんです。ただIBPの経験をどう活かしていけばいいのかイメージできなくて。IBPで学んだことや得られた刺激・経験を最大限活かすにはどうしたらいいかと考えた結果、思い切ってスタートアップとして起業する決断をしました。結果論ですが、IBPでスタートアップ企業をインターン先に選んで良かったなとも思っています。
ーー起業されたんですね!事業内容は、芸術関連ですか?
そうです、アートマーケティング事業を中心とした会社を立ち上げました。やはり日本では、まだ「芸術に対するリスペクト」がロンドンよりも低いと思うんです。それゆえに日本のアーティストは海外と比べると経済的な成功が得られにくく、芸術そのものを私たちが身近に感じる機会も少ない。僕らがいま展開している事業は、そんな状況を変えるためのもので、新しいビジネスモデルの構築を行なっています。
ーーIBPの経験は、起業に活かされていますか?
活かされていると思います。特に現代社会は「いかに他と自分を差別化できるか」が重要だと思っているので、IBPで得た刺激や経験はまさにいい材料になるのかなと。実際にスタートアップの世界では、僕のようにIBPプログラムでロンドンに行って、芸術の勉強をした人が相対的に少なくなるので、そこを評価してもらえることは多いです。
ーーちなみに、奨学金の面接で「あなたの考えるグローバルパーソンとは?」と聞かれたとおっしゃっていましたが、そのような人材になれた実感はありますか?
あります!仕事で海外に行くことが多いのですが、どんな国の人とでも臆せず話せるようになったのはIBPを経験したおかげです。奨学金の面接時にも答えたようなグローバルパーソンになれたなと感じています。
未来のIBP生へのメッセージ
吉田さんの経験談を読んで、改めて奨学金を受けてIBPに参加しようと思った人もいるはず。最後に吉田さんからメッセージをいただきました!
僕の周りには、奨学金を受けてIBPに参加した人がたくさんいますが、挑戦して後悔している人はいません。きっとやらずに終える後悔の方が強いと思うので、迷っている人はとりあえずエントリーしてみてほしいです。応援しています。
電話:0120-033-470
みなさんのチャレンジを精一杯サポートいたします!
筆者プロフィール
トヤカン
大学病院の正看護師を経験後、フリーライターの道へ。 看護・医療系のメディア以外にもリクルートや地域応援メディアの記事執筆も得意。