ワシントン大学コース IBP生の1日(既卒生)Vol.2
ワシントン大学コース 50期生 慶應義塾大学商学部商学科既卒(プログラム参加時)。小学3~6年の3年間を香港で過ごした経験を持つ。留学中はスタートアップでのボランティアを通して起業家と密接に関わり、デジタル・マーケティング分野のインターンシップでも存在感を発揮した。
1学期の平均的な一日
- 07:00
- 起床
- 08:00 ー 08:30
- バスで通学
- 09:30 ー 12:00
- ビジネス英語(マーケティング)
- 13:00 ー 15:30
- ビジネス英語(手紙、メール、交渉など)
- 16:30 ー 17:30
- 図書館で自習
- 17:30 ー 19:30
- UW やダウンタウンでのイベントに参加
- 20:30 ー 22:30
- 図書館で自習
- 00:00
- 就寝
マーケティングの授業はグループワークが多く、英語を話す機会が豊富でした。特に印象に残っているのは、テレビCMを持ち寄って各自プレゼンテーションを行った時です。日本人と他国の学生で感じ方が異なるなど、海外マーケティングの難しさを実感しました。宿題は量が多く、1学期目は週末も含め、寮と学校と図書館をひたすら往復していました。ただし、休日には先生の家でパーティがあることもあり、クラスは家族のように仲が良かったです。帰国後も来日したクラスメートと食事に行ったりして、交流が続いています。
2・3学期の平均的な一日
- 05:00
- 起床
- 05:30 ー 07:30
- スタートアップでボランティア、就活準備
- 08:30 ー 09:30
- 学校で自習
- 09:30 ー 12:00
- 授業(プロジェクト・マネジメント)
- 13:00 ー 15:30
- ビジネス英語
- 15:45 ー 17:00
- インターンシップ準備クラス
- 18:30 ー 22:00
- スタートアップでボランティア
- 23:00
- 就寝
2学期目から、オンライン英文添削サービスを提供するスタートアップでボランティアを始めました。将来教育関係で起業することを考えており、起業家と共に働きながら、夢と現在の自分の距離を測ることが目的でした。仕事を通して自分が学ぶべき分野を発見したことは、留学中の最大の成果で、まさに夢が計画に変わる瞬間でした。
インターン中の平均的な一日
- 05:00
- 起床
- 05:30 ー 07:30
- 英語の勉強
- 08:30 ー 09:00
- バスで通勤
- 09:00 ー 13:00
- インターンシップ
- 15:00 ー 19:00
- スタートアップでボランティア
- 01:00
- 就寝
デジタルマーケティングのコンサルティング会社でインターンをしました。最初の1ヶ月は膨大な量の資料を読み込み、その後学んだ知識を元に分析ソフトを駆使して仕事をしました。自分で学ぶ道筋を構築し、成果を常に改善していく姿勢を求められる点が、日本の環境と異なるところでした。最初は職場に溶け込むのに苦労しましたが、週の定例ミーティングに日本のお菓子を持っていって紹介するなど、自分から仕掛けて行くことで望む環境を作り出せたと思います。
バスの中
英会話の予習・復習に時間を充てていました。学校やインターン先の職場で想定される会話を頭の中で練習したり、バス内の広告を題材に学んだ単語や例文を使用して、物事を分かりやすく説明する練習をしていました。バスの車内で会話する人も多いので、空き時間に新しい英語表現を学ぶには絶好の場所でした。
多様な文化との出会い
大学の寮では、寝る前にインド人のルームメイトと学校での勉強や就職活動、お互いの母国や家族について談笑することが多く、アメリカの大学生の生活や価値観を間近で感じることができました。サンクスギビング・デー(感謝祭)には、IBP生の同期のホストファミリーの家に招待してもらい、ターキーやパンプキンパイといった伝統的な食事を頂きました。食事の前に感謝のお祈りをした時の空気感は、今でも忘れることができません。アメリカの文化を深く理解するには、現地の人が最も大切にする「家族の時間」を共有することが不可欠だと肌で感じました。最後の3ヶ月はシアトルへの旅行者が滞在するユースホステルに住み、各国の旅行者と話す機会を通して、アメリカ以外の国への好奇心も抱きました。
自己管理と成長
9ヶ月の留学生活では、何もしない日が1日もなかったと思えるほど忙しい毎日を送っていました。その中で最も身についたのは、「自分自身に責任を持つ」という姿勢です。留学先では自由に行動できる分、自分を管理することが必要です。「体調」「寮やプログラムに関する事務手続き」「勉強」の3つの軸で常に問題が起きてないか確認し、支障が出ないように気を張っていました。留学中は未知の挑戦を通して、自信をなくしたり不安になったりすることもありましたが、自分を理解するプロセスの中で「人生をどう生きたいか」という大きな視点で考えられたことは、思いもよらぬ収穫でした。ボストンキャリアフォーラムでも等身大の自分を表現でき、面接を突破できました。
ビジネス英語力の向上
難しい単語を濫用するよりも、やさしい単語で物事を簡潔に説明する『英語の運用力』の方がビジネスでは重要だと考え、そこに焦点を当てて英語を習得していました。実際ワシントン大学の先生は、簡単な単語で世の中の事象をほとんど説明します。授業や職場の会話では、ネイティブが持つ単語のイメージを理解するよう心がけ、自分でも応用できるように、ノートに絵付きで例文を集めていました。当初は授業での質問にも苦労するレベルでしたが、最後はスタートアップでの仕事で韓国チームとの交渉を任せられ、相手の意見を踏まえたうえでこちらの主張を臨機応変に説明するというレベルにまで達しました。
Comments from IBP
9ヶ月プログラムを充実させるためには、スタートダッシュがより肝要です。到着直後から積極的に行動範囲を広げれば、9ヶ月間でもかなり濃密な時間が過ごせます。それだけ体力も精神力も求められるのが9ヶ月プログラムですが、うまく自己管理すれば、多くの経験や能力をより効率よく得ることができるでしょう。