アジア圏出身の学生が集まる APISA とは?
留学でいろいろな国の人と知り合うためには、どんな方法があるでしょうか?
私が2016年春から留学しているシアトルのベルビューカレッジには『Asian Pacific Islander Student Association(APISA)』というクラブがあり、私はオーガナイザーの一人として毎週のミーティングの内容を考えたり、より多くの人にミーティングに来てもらおうと PR をしたりしています。
この活動を通して、いろいろな国の人と知り合うことができたのはもちろん、全国会議に参加したり、自分のアイデンティティと向き合ったりする機会も得られました。
APSA に入ったきっかけ
私が APISA に入ったきっかけは、友達に「いろんな人と知り合えて楽しいよ」と誘われたからという単純な理由です。
何回かミーティングに参加したあたりで、APISA のリーダーから急に「APISAのオフィサーにならないか」と声をかけられ、まだまだだった英語力を気にしながらも日本の国旗の入ったTシャツをもらい、オフィサーになりました。
APISA の活動について
APISA には世界各国からの学生がいますが、その名の通りアジア圏出身の学生が特に多く、ミーティングではそれぞれの国の文化、食べ物、地理歴史などを楽しく学んでいます。
具体的にはインドネシアの文化、伝統品についてインドネシア出身の学生がプレゼンしたり、ある時は日本の珍味を買って来てみんなで試食をしたり、またある時は世界各国の首都や地理問題をグループ戦で学んだりと、毎週違ったことを楽しめます。
ミーティングを通じて多くのインターナショナルな友達を作ることができるのが APISA の大きな魅力だと思います。
APISA の縁で全国会議に学校代表の一人として参加
私は APISA のおかげもあり、『Asian Pacific American in Higher Education (APAHE)』という、アメリカで年に一度開かれる会議に学校代表の一人として選ばれ、今年の4月6、7日に参加してきました。会議にはアメリカ西海岸地域から多くの学生と教育関係者たちが参加しており、中には大学の学長を務めている方もいらっしゃいました。
二日間教育関係のいくつかのワークショップに参加した中で一番興味深かったのは、”A Work In Our Shoes: An Exploration of API Young Professionals in Higher Education” というワークショップです。API とは “Asian Pacific Islander” の略で、”Asian” と同じ意味で使われます。簡単に言うと、アジア圏(中国、韓国、日本、インド、フィリピンなど)出身の人のことを指す言葉です。
そのワークショップでは、アメリカで最も有名な公立大学の一つであるカリフォルニア大学バークレー校の講師4名が、自分の API としてのアイデンティティをどのように見出したかという経験を語られ、その後参加者でグループディスカッションをしました。
その中で一人の男性が投げかけた質問が、まさに私がアメリカに来て感じた疑問でした。それは、「韓国出身の自分は地理的に API の一人として分類されるのは分かっているが、自分のアイデンティティは韓国人であり自身を API と認識したことはない」というものでした。
私自身も地理的また人種的にアジア人、API に分類されますが、日本人としてのアイデンティティはあっても、アジア人としてのアイデンティティはアメリカに来るまで考えたことがありませんでした。自分と同じような意見を持つ人がいたことは嬉しく、また改めてここアメリカにおいての自分自身について考える機会となりました。
会議に参加して、本当に多くのアジア出身の人たちがアメリカの教育機関に尽力している状況を知り、自分も勇気を貰うとともに、あと少しの留学生活で自分のできることをより一層頑張っていこうと決意できました。
APISA の活動を通して得たこと
私がこのようなアメリカ全土の規模の会議に出席することができたことも、ベルビューカレッジで多くの友達を作ることができたことも、APISA のおかげだと思っています。
留学に来る前から「アメリカでは多くの外国人の友達を作って、彼らから授業外の生きた英語を学びたい」と強く思っていた私にとって、今の留学生活は本当に楽しく充実したものとなっています。外国人の友達を作りたい人にとって、APISAは一つの素晴らしい選択肢だと思うので、ぜひ興味があれば参加してみてください!