憧れの企業の社長とも対面!?留学生がネットワーキングから得られること

留学の醍醐味の一つは、英語力の向上だけではありません。現地でさまざまな人とつながり、将来に役立つ人脈を開拓するのも、留学でできることの一つ。でも、留学生という立場でネットワーキングをするのは難しい、と感じている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、留学中に自ら積極的な行動で人脈を広げ、ついには憧れの企業の社長と対面することに成功した井野 綾乃さんに話を伺いました!

■プロフィール
井野綾乃
2015年9月から2016年9月の1年間、IBPビジネス留学プログラムを通してシアトルにあるベルビューカレッジに留学。大学生に向けたキャリア教育のイベントやワークショップを運営した経験から「自分の人生を生きること」の重要性を学ぶ。自らの可能性を広げるために、知人に勧められたIBPプログラムを選んだ。留学中はホームレスの生活補助、LGBTイベントのボランティアの他、広告代理店やWebメディアにも携わり、教育会社でインターンを経験。留学を通じ、「誰だってなんでもできる」ということに気づく。将来の夢は、意思を持って生きる人を増やすこと。

 

ネットワーキングに目覚めたきっかけ

井野さんの留学の目的は当初、「自分の常識を超えた世界を知り、自身の可能性を広げること」、そして「様々な人と出会うこと」でした。最初はパーティーに参加したりもしていましたが、ふと遊びに行きたいと思った時に誘う友達がいないことに気づき、「いや、人間なんてどこにでもいる」と開き直ったことが、行動を起こすきっかけになったそうです。

それからは道に迷うフリをして人に話しかけ、意気投合すると一緒に遊びに行くように。ライドシェアリングサービスの UBER を利用した時も、毎回運転手に自分から積極的に話しかけ、とにかくさまざまな人とコミュニケーションを重ねました。

 

インターンシップ探しにも、ネットワーキングスキルを活用

こうしてネットワーキングスキルを磨いていった井野さんは、インターンシップを探す時にもその能力を発揮します。

「広告業界に興味があったのですが、メールを送った企業からは一通も返信が来ませんでした。そこで、20社ほど突然訪問したところ、7割の企業が私のことを面白がってくれました。」

企業側も、たとえ忙しくてメールに返信する余裕がなくても、人が実際に会いに来ると話を聞いてくれるケースが多いようです。

「シアトルの人たちはみんな優しくて、うまく行かなくても恥ずかしい思いをしなかったので、思い切って行動しない理由はありませんでした。」

 

憧れの企業の社長と対面

自信を持った井野さんは、最も興味のあった会社へ。しかし、ウェブサイトに住所が載っていたものの、建物の場所のみでオフィスのある階数は示されていなかったため、井野さんは入口で躊躇してしまいました。

「本命の会社だったこともあり、緊張していました。今までと違って堅い雰囲気のビルで、びしっとスーツを着こなした人たちが往来していたので、一時間くらい右往左往してしまいました。しかし、『失うものは何もない』と思い直し、たまたま通ったカジュアルな雰囲気の男性に思い切って声をかけてみたんです。」

男性は階数を教えてくれた後、一緒に乗り込んだエレベーターの中で「どうしてその会社に行きたいの?」と聞いてきました。井野さんはエレベーターが到着するまで、自分がその会社に興味がある理由を熱くアピール。まさに、エレベーターピッチです。

すると、エレベーターが到着した瞬間、その男性が “Welcome to my company!” と言いました。なんと、その男性は井野さんが行きたかった会社の社長だったのです!

ちょうど会社では社員の送別パーティーが開かれていたところで、井野さんも「面白い子が来たから」と紹介してもらい、一緒に交じることに。そしてそのまま、「良かったら仕事の手伝いをする?」とオファーをもらえたそうです。

「私は日々内省していて、考えを整理したり、自分自身に問いを投げかけたりしていました。その積み重ねで、突然チャンスが来ても、言いたいことが言えたんだと思います。」

 

チャンスをつかむために、できること

留学中、いつも一日のハイライトをホストファミリーと一緒に振り返っていたという井野さん。ホストファミリーは小学校の教師で、毎日夕食を食べる時に「今日の良かったことと悪かったことは?」と井野さんに聞き、さらに「どうしてそう思ったのか」を深掘りしてくれたそうです。おかげで井野さんは「何が自分にとって大切なんだろう」と自問し、本質的に考える習慣を身につけることができました。

「でも、内省するだけでは、自分の考えは発展しません。アウトプットする場もとても大切です。日本にいた時は自分の気持ちを主張する場があまりありませんでしたが、アメリカではいつも『他の人ではなくて、あなたはどう思うの?』と聞かれます。人とのコミュニケーションを通して自分のことが見えてきたので、わたしにとって留学は、英語力をつけることはもちろん、自分を見つめ直す良い期間になりました。」

「留学生」という立場だからこそ、「失うものは何もない」と、思い切ってチャレンジすることが可能です。日々チャレンジすれば、英語力も自然に伸び、いつ訪れるかわからないチャンスをつかむ準備も整えられます。

井野さんが留学を通して得た貴重な出会いは、決して偶然とは言えないでしょう。行動する人だけが、成長するチャンスを得られるのです。