奨学金をもらって留学を果たした学生をインタビュー
留学はお金がかかるーー。
この事実は曲げられませんが、「奨学金」をもらって留学をするという選択肢があることをご存知でしょうか?
ICC国際交流委員会では毎年「IBPグローバル留学奨学金プロジェクト」を実施しており、多数の学生が費用を抑えた留学を実現させています。
今回、選考に合格し奨学生として選ばれた方々に、留学経験についてインタビューを実施しました。
インタビュアーは、同じくIBP留学を経験した山本悠佳さん。
全12回にわたり、【奨学金で留学しました】というタイトルでインタビューを連載していきます。
IBPの奨学金制度を知ってから、5秒くらいで応募ボタンを押しました
第一回目のインタビューは、アメリカシアトルのBellevue Collegeへ留学した野々山遥さんにお話をお伺いしました。
‐野々山さんはBellevue Collegeへ留学されましたが、そもそも奨学金に応募したきっかけはなんでしたか?
ゼミのメールマガジンの広告をクリックしたのがきっかけです。学校のゼミは英語系だったので、もともと留学関係の広告は多かったです。数ある広告の中でも「奨学金あります」という文言に惹かれてすぐに応募しました。
普通の留学だったら学校に行くだけ。でもIBP留学は現地で働けるというプログラム。これはプラスになると思いました。もともと留学にはずっと行きたかったので、迷いなくアプライしました。
‐ちなみに、奨学金制度を知ってから応募するまでの期間は?
広告をクリックしてからそのまま応募したので、5秒くらいだったかな(笑)応募ボタンを押してからそのままエッセイを書いたと思います。その後、筆記と面接試験がありました。大学の講義室のようなところで、広い空間が埋まるほどの人数がいました。
選考自体はスムーズに進んで、「こんなものかな?」という印象でした。とはいえ筆記試験はTOEICよりレベル高めだったような記憶があります。正直、あまりできた気はしなかったです。
‐合格後、ICC国際交流委員会とはどのようにやりとりしていましたか?
ほとんどはネットでできました。ICCのサポートは手厚くてよかったです。私の場合は学校の認定校留学として同時に申請をしていたので、その点で本当にお世話になりました。
‐留学することに対する不安はありませんでしたか?
留学に行きたい、という気持ちが強かったのであまりなかったです。もともと卒業が延びる伸ことに抵抗はなかったので、「せっかくならやりたいことを」という考えでした。
‐野々山さんは「Human library」という対話イベントを開催したそうですが、どういう内容ですか?
「人を本に見立てて、対話を通してマイノリティを知っていく」というイベントです。世界では70カ国以上で実践されていて、日本でも開催されています。大学で先輩たちが実施していて、私自身もやってみたいとずっと思っていました。
授業でこの運動を紹介したところ、賛同してくれる友人がいてチームを結成することができました。
‐実際に形にするまでどのくらいかかりましたか?
現地に到着して1ヶ月後には活動を始め、すぐにFacebook Pageを開設しました。その後リハーサルを経て、本番を迎えました。企画の期間は半年間ほど。
‐どんな苦労がありましたか?
先生に「クラブを作らないと学校のスペースは貸せない」と言われ、まずはクラブを作るところから始めました。何よりも説明するのが大変でした。留学して2ヶ月目だったのでまだ英語にも慣れていなくて。また、身内だけでリハーサルをしたのですが、思っていた以上に人が来てしまって(笑)本来は少人数で行うイベントなので、少し大変でした。ゲストスピーカーの依頼も、電話しても折り返しがなかったり、直前にキャンセルされてしまったり…ハプニングだらけでした。
‐大変だったんですね。結局イベントは成功しましたか?
チームメンバーとうまくタスクを割り振っていたので、なんとか開催することができました。よくカフェテリアで仲良くしていた友人たちも来てくれて、彼らに「すごくいいよ!この活動を続けるべき」と言ってもらえたのが嬉しかったです。イベント後に回収したアンケートでも9割以上が「継続的なイベントにするべき」と答えてくれて、感動しました。海外の人をどう呼び込むのかなど苦労は尽きませんでしたが、最終的には地元の広報誌(Jungle City)から取材依頼があり、多くの人に知ってもらえることになりました。
Excitingな学校生活、そこで得られるものとは
‐学校では「APISA(Asian Pacific Islander Student Association) 」という組織のイベントリーダーとして活動したそうですね。留学生では初のリーダーを任されたとのことで、苦労はありましたか?
様々なイベントを開催し、運営する組織だったのですが、私は「Project福島」という震災イベント等を行いました。もとから在籍していたサブリーダーの友人のおかげで続けられたな、と感じています。苦労はしましたが、色々な国籍の人と関われるのでとても楽しかったです。日本人だけど海外育ちなど、皆バックグラウンドが異なっていて、魅力的な人ばかりでした。
準備段階から多国籍な人と関わることができ、日本では絶対にできない体験でした。お互いを尊敬しあうことの大切さを学びましたし、話し合いは特に大事で、いつも活発に意見が交わされていました。多国籍の人たちのなかで仕事をする楽しさと、プロジェクトを進行させていく経験ができました。
‐学校の授業では「Sex and Sexualityの授業」が印象的だったそうですが、どんな授業でしたか?
もともと興味のあったsexualityに関する授業を受けたのですが、初めは「なんだこのクラスは……」という印象でした。というのも、先生も独特で、クラスの子も変わった子が多かったからです。
‐どうして受けようと思ったのですか?
日本ではあまりオープンに学べる内容ではないからです。私はLGBTQに焦点をあてていたのですが、実際の授業の幅はもっと広かったです。課題も、自分で実際に足を動かして当事者の話を聞きに行くなど。綺麗事だけではない授業で、生徒も真剣に意見交換をしていました。これはやはり日本では体験できない内容だと思います。大変でしたが、それだけの価値はありました。
日本人が一人だったので、授業についていくのが大変でした。課題は毎日20ページほど読み込んで来て、カードにまとめ、それを提出する。でも、先生が優しかったのでなんとかやっていけました。3期目の授業である程度英語力がついたので、それからは少し楽になりました。
悩むより、まずは行動を。
留学に行くことを迷っているなら、まずは行動するべきだと思います。先のことなんて誰もわからないから。私もよく悩みますが、結局悩んでても解決しないことに気がつきます。例えば、留学で何を得られるのかなんて、分からないのが当たり前。英語が全く出来なかったのに、帰ってくる頃にはTOEICで900点を取ってしまう、なんて子もいました。行ってみないと何が起こるのか分からないと思います。迷っているならば、とりあえず挑戦を。留学先には知らないものがたくさん待っているから、きっと楽しいと思います。何事も自分次第。
インタビューを終えて
野々山さんとお話をしていて、一貫性、軸のようなものを感じました。「やりたいことをやっているだけ」という野々山さんですが、ぶれない意志があるように感じます。留学では野々山さんのように行動力のある方がとても多く、刺激になることは間違いないです。彼女もまた、そのような仲間から影響を受けた、と話していました。
ぜひ、あなたの道をあなたの足で歩んでみてほしいな、と思います。