大学院での修士論文執筆のため、休学してイギリスに1年間留学
業務外の時間にも学び続ける姿勢を大切にして、スタッフとの信頼関係を構築
スカラシップに応募した動機を教えて下さい。
大学院(総合文化政策学研究科)での修士論文執筆にあたり、英語力と留学経験が生きてくると感じて留学を模索していた中で、アルバイト先の書店に貼られていたスカラシップのポスターを見て応募しました。プログラムの中でウエストミンスター大学を選択したのは、イギリス文化に魅力を感じていたからです。
1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
以下の3つです。・TOEIC、IELTSのスコアアップ・帰国後にも交流を続けていけるような友人を作ること・英語の小説を読み切れる読解力をつけること
特に印象に残っている授業はどんな内容でしたか?
「Documentary Photography」という授業です。テーマに応じて制作した写真作品を授業に持ち寄り、受講生同士で講評し合いました。一連の写真から、キャプションを用いずにメッセージを伝えること、また読み取ることは、私の大学院でのテーマともつながる学びとなりました。また、シェークスピアをはじめとするイギリス・ルネッサンスの戯曲を読み、講義を受ける「Shakespeare and Renaissance drama」の授業では、原文は非常に難解でしたが、邦訳と照らし合わせながらその時代の空気をつかむよう心がけました。「Writing London」では、ロンドンという都市を元にした短編作品の講読を通じ、ショートストーリーを制作。英語で物語を紡ぎ出すのに苦労しましたが、ロンドンという土地の歴史や文化を調べながら、想像力を働かすことを楽しみました。「Communication Between Cultures」は、多文化社会におけるコミュニケーションを多角的に捉えるという授業です。国際都市ロンドンで生活する上で、実際に直面するコミュニケーションの問題を冷静に見直すきっかけとなりました。
勉強以外に熱中していたことはありますか?
ロンドンの弓道クラブに所属し、毎週日曜日にActonの方の体育館を借りて稽古を行っていました。ヨーロッパやアジア各国からのメンバーとの日本文化を通じた交流は、非常に学びのある経験であったと思います。ドイツで開催された昇段試験にメンバーと共に臨んだことも思い出となっています。
現地での滞在方法は?
ウエストミンスター大学の院生専用の寮、ウィグラムハウス(ビクトリア駅から徒歩5分)に滞在しました。キッチンを共有していた留学生同士で非常に仲が良く、一緒に1週間のスコットランド旅行をしたり、世界最大の野外音楽イベント「グラストンベリーフェスティバル」に参加しました。
インターン先はどちらでしたか?
ブルームズベリー・オークションズというオークション会社で、カタログ制作のためのマーケット調査や作品撮影、ショールームのレイアウト、カスタマーサービスのアシスタントをやらせていただきました。はじめは言葉の壁や新しい世界に戸惑いましたが、本棚の整理など身の回りの業務を見直すなど、主体的に動くよう心がけました。上司に本やギャラリーを推薦してもらって業界について調べることや、パブでスタッフと交流するなど、業務外の時間にも学び続ける姿勢を大切にしたことが信頼関係の構築に繋がったと感じています。コミュニケーションにおいて英語力はもちろんですが、自分の考えを有していることがより大切であることを実感しました。
インターン先に貢献できたと思うことはありますか?
社内で唯一の日本人であることを活かし、日本語委託品の鑑定を引き受け、業務の効率化に貢献できたのではないかと思います。英国にいる中国人の友人を職場に紹介するなど、帰国後も交流を続けています。
IBP留学によって、自分自身が変わったと思うところは?
多様性のある環境の中で、自分が自分であることに自信を持てるようになったと思います。
現在は就職活動中ですか?
帰国後は大学院に復学し、修士論文の準備及び就職活動を行っています。今振り返ると、IBP留学は自分にとって、日本で育てた苗を強くする場であったと思います。これまでの経験をつなげられるような仕事を見つけたいです。
IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
大学での勉強やインターンシップを軸に、興味に応じて存分に環境を楽しむことのできるプログラムであると思います。
*体験談の内容は寄稿時の情報です。