ロンドンの中心で学びボスキャリで見事内定を獲得
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
語学研修・学部授業・インターンシップという三部プログラム構成が、大学で学んできたことと職業選択の架け橋になると考えたからです。また4年生の5月出発というオプションを選ぶことで、日本の大学生活において重要なイベントの多い3年次を全うしたかったこともIBPプログラムを選んだ理由です。
留学前はどんな準備をしましたか?
IELTS・TOEIC・TOEFLの取得、またIBP修了生の方に会ってお話を聞いたり、企業説明会に参加したりしました。
留学先を選択した理由を教えてください。
日本の大学で近代の戦争史を勉強していました。そこで、第一次世界大戦100年を迎えるヨーロッパで、さまざまな国から集まった学生たちと歴史や国際関係について議論したり、実際に史跡を訪れたりしたいと感じていました。特にロンドンは国際色豊かで、さまざまな知見に触れられると思っていました。さらにウエストミンスター大学であれば、歴史をはじめとする国際的な教養と、ビジネスに役立つ実学の両方についてハイレベルな教育が受けられると考えました。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
古い石造りの街並みと、近代的なビジネス街がうまく共存していると感じました。治安も比較的よく、初夏は特に22時まで明るく気候に恵まれていたため、街を歩くだけで楽しかったです。
キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?
ウエストミンスター大学は(アート系のハローキャンパスを除いて)ロンドンの中心地にキャンパスがあります。そのため、建物や施設は東京と似ていて、実用的でコンパクトなものでした。いわゆるオンキャンパスの、敷地内で学生生活が完結するタイプの大学ではありません。しかし、どのキャンパスも地下鉄の駅に近く、図書館は24時間オープンなど、利便性は日本の大学以上に感じられました。
英語研修はどのような内容でしたか?
オリジナルテキストをベースに、午前中にリーディングとライティング、午後にリスニングとスピーキングをそれぞれ別の先生から学びます。教授法は対話重視・構造的で、文法やパラグラフの作り方などについて緻密な説明がわかりやすかったです。2回のプレゼンの機会や、グループディスカッションなどクラスメートとのコミュニケーションの機会も豊富でした。 英語はアカデミックイングリッシュで、大学の学部授業にスムーズに移行することを目的としています。クラスはレベル別にはなっていないため、クラス内でレベルにややばらつきがあるように感じました。
学部授業ではどんな科目を選択しましたか?
「多様な歴史・文化的背景を持った人々の相互理解と協力」のあり方を体得すべく、以下の3つの授業を受講しました。 ①世界大戦史とその後の和解のあり方、②シェイクスピア劇を通した英国文化分析、③国際的プロジェクトの動かし方です。 どれも個人での予習・復習とエッセイの提出が中心でした。
特に興味を持って取り組んだ授業を教えてください。
①世界大戦史とその後の和解のあり方です。毎回の授業で、第一次世界大戦やその前後で起きた歴史的出来事を異なる国の視点からとらえたレクチャー&セミナーがありました。セミナーでは小グループになって、その日のトピックについて討論を行っていました。エッセイではアルメニアとトルコの間で起きた第一次世界大戦時の衝突について取り上げました。授業で得た友人たちとは、毎度授業後にカフェに行き、授業の内容や日常のことについて話したりしました。
IBPビジネストレーニングはいかがでしたか?印象に残っている内容と感想を教えてください。
ロンドンの各業界で活躍されている日本人の方による、ビジネスセミナーはとても勉強になりました。私がコンサルタントという仕事に志望業界をしぼったのも、セミナーでコンサルタントの方からキャリアや仕事内容についてお話を聞いたのが決め手でした。それ以外にも、ブレクジットのビジネスへの影響など、ここでしか聞けない話をお聞きすることができました。
留学中に参加したサークルやアクティビティはありますか?
日本人と現地のイギリス人の方々で構成される、日英合唱団のメンバーとして活動しました。年3回のコンサートに向けて、月4回程度の練習に参加しました。イギリスならではの音楽や教会の文化に触れられたこと、日本語と英語の発音のちがいを歌を通して知れたこと、社会人の方々との交流ができたこと等から、とても実りの多い時間になりました。その他にもウエストミンスター大学のドラマ・テニス・ヨガのソサエティ、LSEやUCLといった他大学で開催される講演会などへ足を運びました。
課外活動から得たものは何ですか?。
音楽やスポーツを通した人々のつながりです。言語の壁を超えて、同じときに、共通の感動や喜びの瞬間を共有できることの大切さを知りました。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
初対面の方々にもオープンマインドをもって接するよう心がけました。新しいコミュニティに足を踏み入れることはただでさえ緊張し、そこに英語が加わることで、課外活動に行くのが恐くなってしまうこともありました。しかし、こちらからオープンに挨拶や自己紹介を行うことで、ほとんどの方が温かく迎えてくれました。どう見られるかを気にし過ぎず、リラックスした状態で、自分から「私はこういう人です」と発信していくことで、ようやくコミュニティになじみ始めることができました。
インターンシップ先ではどんな仕事を担当しましたか。
大手日系コンサルティングファームのヨーロッパ社にて、コンサルタントの方のもとで、実際の案件の補佐をおこないました。具体的な内容としてはリサーチやプレゼンの資料作り、有識者への電話インタビューなどです。
インターン中、苦労したことはありますか?
時間を守りながら、依頼者の期待以上のアウトプットを出すことに苦労しました。同じ作業でも効率よくおこない、到達点から逆算して今やるべきことに取り組むなどの、タイムマネジメントにも苦労しました。また、リサーチ内容からアウトプットを出す過程で、事象と主観を分ける、という基本的な部分でつまずきました。上司の方とのコミュニケーションを密におこない、一日のなかでも緩急をつけてタスクに臨むことで、次第にリズムとコツがつかめました。
日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。
事務的な対応ではなく、一人ひとりの実情に合わせて親身に対応していただきました。最初の半年は特に、現地のICCオフィスに集まり、スタッフの方やIBP生同士での情報交換を行うことが安心材料になりました。
IBPキャリアサポートはいかがでしたか?
ボストンキャリアフォーラムに参加するにあたり、業界選び、ES作成、面接対策など一連の準備をサポートしていただきました。特に留学中で就活に関する情報が限られるなか、キャリアサポートがあったことで、留学と就活をうまく両立させることができたと思います。
就職活動で留学での体験はプラスになりましたか?
プラスになりました。留学で培った英語力を直接生かしたというより、留学を選んだこと自体が自分の関心や行動力を示すひとつの証左になりました。留学により、初対面の人とのコミュニケーションに慣れたことは、就活の面接に役立ったと思います。
留学、インターンシップをどのようにアピールしましたか?
私が内定をいただいたボストンキャリアフォーラムは、語学研修を終えた学部授業期間中に開催されました。そのため、英語を磨いた上で、授業で対話力を培い、インターンで実践したい、という留学における一連の狙いがクリアに伝わるようにしました。志望業界と近い、国際的プロジェクトの動かし方の授業中のエピソードなどをESに盛り込みました。
留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?
正直にいうと、22年間で培われた価値観や性格などががらりと変わることはなかったです。その一方で、まったく環境を変えることで、感情やしがらみにとらわれず、今の自分を客観視できたと思います。またインターンシップでレベルの高いタスクに取り組むチャンスをいただき、今の自分ができるベスト(限界)はここかな、という地点を知ることができました。こうした気づきが、将来の選択をする上での自信につながったと思います。人間性としては、一期一会やコミュニケーションを重んじるイギリス人の価値観に学び、どんな人にも礼儀を持ち、自己開示を心掛けながら接することの大切さが再確認できました。その一方で、関心や人間関係に対して八方美人にならず、きちんと自分のなかの優先順位や意思を振り替えることも心掛けるようになりました。
IBP留学を希望している人に向けて、アドバイスをお願いします。
もし1%でも留学に行きたいという気持ちがあれば、思い切って参加してほしいなと思います。私も一度は大学在学中の留学を諦めていました。しかし、たまたま開いた新聞でIBPプログラムと出会い、何かの「縁」だと思った直感が今に至っています。留学に来たからといって全てはうまくいきません。一人暮らしの大変さや孤独感をはじめ、思い通りの経験やコミュニケーションができない等、むしろ壁のほうを強く意識することになるかもしれません。しかし、日本にいてはぶつかることのなかった「壁」に直面することで、転んでも起き上がる力(resilience)がつくことだけは自信をもっていえます。この力こそ、国際社会での活躍を目指す上で不可欠なのではないかと思っています。またウエストミンスター大学はロンドンの中心にあり、知的な刺激にあふれています。キャンパスをベースにした生活よりも、どんどん色々な人に会って視野を広げたい人に是非おすすめしたいです。