日本酒・日本食の素晴らしさを伝えられた留学の日々
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
私がIBPプログラムを選んだ理由は、他の語学留学とは違い、各国の信頼できる提携大学との充実した語学授業や学部授業を受講することが出来るからです。そしてIBPの最大の魅力は海外での現地企業や日系企業でのインターンシップを経験できる点です。この経験は帰国して就職活動を行う際に、自分の経歴を確実にアピールする武器になると思いました。
留学前はどんな準備をしましたか?
専攻である醸造学を生かして異文化交流したいと考えていたので、英文で日本酒や日本食の雑誌や新聞の記事を読んで、自分の好きな分野から英語の勉強をするように努めていました。また、普段からリスニングの勉強も兼ねてBBC Radio1の番組を聞き、ロンドンでよく使われている言い回しや流行語、またリアルタイムの情報にアンテナを張っていました。
留学先を選択した理由を教えてください。
英国・ロンドンは欧州の中で文化や経済の発信基地であり、多様な国籍の人々や民族、文化の混交した国際都市だからです。また、世界最大級のワイン品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のなかにSAKE部門が設立され、イギリスはアメリカ以上に日本酒の市場が盛り上がり始めたところであったことも、私には魅力的でした。自分の専門知識を生かして異文化交流する事が出来る機会がきっとあるだろうと信じ、迷いなくイギリス、ロンドンを選びました。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
到着した時、ダブルデッカーやブラックキャブ、イギリス積みで建てられたレンガの建物、木々の緑と花々に囲まれた美しいパークなど、古き良きイギリスを象徴する風物に感動しました。同時にセントラルにそびえる欧州一の高さを誇る「The Shard」や、再開発により活気を取り戻したバンクサイドに点在するロンドン市庁舎や観覧車などを見た時には、ロンドンという地が改めて欧州の文化や経済の発信基地であることを再認識しました。
キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?
私が通っていたのは、Regent Campusというウエストミンスター大学のメインキャンパスでした。このキャンパスの特徴としては、設立当時の趣きがあり、モダンなデザインのカフェテリアや学生が談話できるスペースやジム設備があることが挙げられます。勉強の空き時間にもしっかり自分のために時間を費やすことができる印象を受けました。
学部授業ではどんな科目を選択しましたか?
フランス語やロンドンの文化に触れることが出来る留学生向けの体験型の科目を受講しました。
特に興味を持って取り組んだ授業を教えてください。
「Art & Society」という授業です。これは、留学生のクラスメイトとグループに分かれて毎回ロンドン市内の美術館や有名な建築物を訪れてディスカッションをするという授業でした。特に、私のグループは熱心な講師がついてくれ、時には私の気になった作品が持つ背景や、アーティストの意図についてとことん掘り下げ、一対一でディスカッションをしてくれました。日本ではあまり馴染みのない、「芸術を教養の一つとして考える」ヨーロッパだからこその授業でした。ウエストミンスター大学に行かれる方には是非、受講してほしいおすすめの授業です。
留学中に参加したサークルやアクティビティはありますか?
日本酒の試飲会やロンドンでの見本市でのお手伝いをしました。現地の日本酒市場の第一線で活躍している方々にコンタクトをとり、これまで学んだ知識やスキルをアピールしたことで、積極的にロンドンでの日本食や酒イベントの啓蒙活動に参加する機会を得ることが出来ました。普段ならかかわる機会がない日本大使館やMansion Houseという英国市長の公邸にまで足を運ぶ事ができました。
課外活動から得たものは何ですか?
現地の日本食・日本酒市場で活躍する方々とのネットワークを構築することができました。たくさんの人との出会いが、お手伝いを通して酒づくりの現場を学ぶ機会やJETROでのインターンシップにも繋がったと感じています。憧れの業界で働いていらっしゃる先輩方との交流において、日本の報道では得られない現地の日本食・酒市場の現状や問題点を垣間みることができました。また、グローバル人材として世界で戦うためには何が必要とされているのか、真のビジネスパーソンとしての振る舞いとは、といったことを知る機会にもなりました。現地のお客様とのコミュニケーションや信頼の築き方を学ぶことが出来たことも掛け替えのない経験でした。特に、ロンドンで起業家として活躍されている方々とのネットワーキングにおいて、事業実績を上げるため矢継ぎ早に生み出される創造的なアイデアや、市場のニーズや流行をキャッチしてカタチにするまでの早さを見た時には驚きが隠せませんでした。社会人としての舞台に上がる前に、こんなに尊敬できる方々と出会えたことは、私にとって大切な財産となりました。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
異なる文化を持っている人とでも、関心を共有したり、共感し合えたりするよう努力しました。私の場合、アートや美味しい食べ物が好きだったので、Victoria and Albert Museumのメンバーに送られてくる雑誌や、ロンドンのベストレストランが特集されている雑誌をよく読んで、それに関しての語彙や言葉の言い回しなどを勉強して、「Art & Society」の授業などで使っていました。
インターンシップ先について教えてください。
JETRO(日本貿易振興機構)農林水産部門でインターンシップをしました。
そこではどんな仕事を担当しましたか?
基本的に、毎朝届けられるイギリスの新聞三紙から食に関するニュースや日本に関するニュースをピックアップし、上司に要点をまとめ報告するというものでした。その他に、JETROが発信している雑誌の記事を書いたり、ブリーフィングやセミナーのための資料作りを行ったりもしていました。また、上司の方がとても理解のある方で、欧州進出を狙っている企業や、現地での物産展を考えている地方自治体とのブリーフィングには、常に同席させてもらうことが出来ました。
インターン中、苦労したことは?
セミナーやブリーフィングのための資料作りです。インターンをする前は、JETROは展示会の日本ブースの用意や、政府絡みの仕事で華やかな印象があったのですが、実際インターンを始めると、日系企業を現地とコネクトさせるための縁の下の力持ち的な仕事が多いことに気づきました。その一つとして挙げられるのが、EUの新食品表示制度に関する資料作成に関わった時です。体系的にまとめ上げ、分かりやすく見栄えが良い資料を作り上げるためには、英文で書かれた法律書のような原文を誰よりも理解する必要がありました。EU食品ラベル規制の原本や関連書類などに目を通し、さらに上司との綿密な話し合いを通して全体の流れを掴み、少しでも疑問に感じた点があれば質問するように心がけた結果、上司との二人三脚で満足のいく資料を作ることができました。社会人になってからは、質の良い資料を作るノウハウは必ず必要だと考えます。私はこのノウハウを、JETROをインターンシップ先に選んだからこそ得ることが出来ました。インターンシップで、実践的な能力をつけられる魅力もあります。
日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。
日本オフィスでは、留学コンサルタントの方に大変お世話になりました。丁寧なカウンセリングがあったからこそ、数多くある留学プログラムの中でIBPを選び、留学したいという気持ち以外にも、「志」を持って海外に学びに行くという姿勢が大切であることを気づきました。また、スタッフの方には、小論文添削や出発前の応援のお電話までいただきとても勇気付けられたのを覚えています。現地でも丁寧なサポートがあり、100%集中して留学生活に望むことが出来ました。
キャリアサポートについての感想を教えてください。
夏にキャリアサポート担当の方が渡英されていらっしゃり、ICC生対象の個別面談をして頂き、自分が持っていたキャリアビジョンをさらに明確にしていくことができました。その後の留学生活をどう就職活動に生かすかなどアドバイスをもらったことを覚えています。
*体験談の内容は寄稿時の情報です。