”NPOを設立し、社会を変えていく活動を起こしたい” IBPを通して価値観がさらに深まりました!
IBP参加を決めた理由はなんですか?
留学を決めたのは、幼少期から海外で勉強することが夢だったからです。その上でIBPを選んだ理由は、コロナで留学に行く機会を失い、留学を諦めかけていたところ、instagramの広告でIBPの奨学金の案内を見て、今しかないと挑戦したことがきっかけでした。実際の修了生の方のお話を聞き、授業を受けるだけでなく現地でインターンシップができること、現地でのサポートが充実していることなどに魅力を感じ参加を決定しました。
留学の目標は何でしたか?
異文化を知り、視野を広げることと、自己理解を深めること。
生まれた時から約20年間ずっと大阪から出たことがなかった私は、大学に入り、福祉を学ぶ上で自分の視野の狭さに気がつきました。そのため、異文化の場所に身を置き、新たな視点を得るとともに、異文化の中で自己を相対化することで今自分が持っているものを見つめ直そうと思いました。
学部授業は何を履修しましたか?
Introduction to Business, Introduction to Global Business, Principles of Sociology, Intro to Communication Theory, Introduction to Philosophy, Pacific Asia Today, Community service, Public speaking and presentation
印象に残った授業やその内容やグループワークの様子など、分かる範囲で教えてください。
Philosophyは先生が厳しく、内容も難解だったのでかなり苦戦しました。課題も重いものが多かったですが、そのおかげでエッセイを書く技術がかなり身につきました。2セメスター目では同じ先生のPacific Asia Todayという授業をとりましたが、この授業は日本を含めた東アジア・東南アジアの歴史を扱う授業で、海外の視点で日本の歴史を学ぶ、という新鮮な体験ができるのでとても面白かったです。
また、Community Service は授業外でボランティアを30時間以上するというもので、私はホームレス支援のNGOでボランティアをしました。一つの団体で継続してボランティア活動ができる貴重な機会で、大変学びになりました。結果的にインターン先を見つけるきっかけにもなり、本当に取って良かったと思っています。
インターンシップはどのように見つけましたか?また、どのような業務を行いましたか?
Community ServiceでボランティアをしていたNGOのFounderの方にインターンを募集していないか聞いたところ、その方が新しくdirectorを勤めているカトリック系の慈善団体でインターンを申込させてもらえることになりました。レジュメを提出し、直属の上司になる方と一度面接をしたうえで決定しました。
インターンではホームレスやUrban Poorの方々に対する就労支援プログラムの企画を1から考えプレゼンしたり、Street Feeding(クアラルンプールの路上でホームレスの方々にご飯を配る)を行ったりしました。また、カトリック系の団体だったため、生活が困窮状態にある方が、教会に直接助けを求めに来ることもあり、そういった方々の面談の席に同席し、お話を伺う機会もありました。また、ペナンに3回出張に行き、炊き出しをしたり、現地の団体とのMTGに出席したりしました。カトリック系の団体だったので、カトリック教会のミサにでたり、カトリック系の施設や教会を訪問したりもしました。
インターンシップで得たもの、学んだことはなんですか?
一番の学びは福祉に携わる仕事のリアルを知ったことと、マレーシアの貧困事情を知ることができたことです。特に、教会に助けを求めにきた方々のお話を聞けたことは本当に貴重な経験でした。カトリックは特に慈善の精神を大切にする宗教で、そういった宗教的な“施し”の精神は政府による社会保障が十分でない場合は政府に代わって福祉のセーフティネットを担っている面があります。(施しを大切にするのはイスラム教も同じで、特にラマダンの月は一般の人々もクアラルンプールの路上などでホームレスにご飯を配っています。)そのため、困窮した人々の中には、教会に助けを求めに来る人もいます。私はそういった方々の対応に同席をしましたが、およそ1週間に1回以上のペースで助けを求める方が来られていました。
しかし、私の団体はホームレスのシェルターを持っているわけではなく、援助できるお金も限られています。私たちにできることは何も無い、と身寄りの無い人を帰すしかない時もありました。その度に自分の無力さを痛感しました。今、目の前にいる方と自分との違いは何なのだろうか、私はたまたま日本に生まれ、いろいろなことに恵まれて好きなことができているけれども、その方は何かに恵まれず路上で生活することとなる。そういう世界の不公平と理不尽さを感じ、胸が痛みました。しかし、福祉に関わる仕事をするとき、そこには常に出来ることと出来ないことがあり、葛藤がつきまとうものなので、それを経験することができたのはとても意味のあることでした。お話した方々の顔はずっと忘れないだろうと思います。マレーシアは暮らしやすい国で、何不自由なく生活ができますが、負の側面も当然あり、クアラルンプールの路上に行けばたくさんのホームレスがおり、中には子どもがいても路上で生活している家族がいることが分かります。難民も多く、人種間の経済格差、それを是正するためのブミプトラ政策により苦しむ人々も多いです。そういう現実を知るためにも、NGOでボランティアやインターンをすることはおすすめです。
大学の授業、インターンシップ以外ではどのような活動をしましたか?
大学のファッション学科のファッションショーに出ました。来てすぐくらいの時に、食堂などにモデル募集の掲示があったので、まさか選ばれるとは思わず軽い気持ちで参加したところ選んでいただきました。初めてヘアメイクをされ、サンウェイリゾートホテルの豪華な会場を歩くことができ、とても貴重な経験でした。
留学中、苦労したことはなんですか?
自分は人見知りで周囲を気にしすぎる性格だったので、人間関係には苦労しました。最初の方はあまり自分から声をかけられず、すぐに友達ができている周りと比べて焦ったりもしました。しかし、街中だけでなくクラス内にもとても優しい人たちが多く、フレンドリーに声をかけてくれる人も多かったので最終的に仲の良い友人を作ることもできました。特にCommunity Service で同じ班だった友人はほぼ毎日一緒にボランティアを頑張ったこともあり、本当に大切な存在になりました。留学中は孤独を感じたり、周りと比べて落ち込んだりすることが多くなるのかなと思います。私は良くないことが重なり体調を崩した時もあったのですが、たくさん悩んだことも含めて貴重な経験だったと思っています。
留学中、一番の出会いはなんですか?
素晴らしい出会いばかりの留学でした。大学の先生や、GBPで関わった方、大学の友人など出会えてよかったと思える方々はたくさんいますが、1番の出会いはやはりインターン先の直属のボスの方です。
私が配属されたMinistry of the Poorは、メンバーがその人と私のみだったのですが、初めから対等な立場で接してくれ、いろいろな仕事を任せてくれました。Urban poor やホームレスに向けた就労支援の計画を考える時は、企画書の作成から、最終的にはコラボレーションする他のNGOや、directorとのMTGでプレゼンするところまでを一任してもらいました。授業で学んでいたことや新たに調べたことを駆使してボスに自分の考えを提案すると、いつも真剣に耳を傾けてくれました。そのおかげでインターンを通して自分に自信をつけることができました。また業務が終わった後には美味しいご飯やスイーツの店へ一緒に行ったり、お酒を飲みに連れて行ってくれるなど、本当に良くしていただきました。インターンシップ先にいらっしゃったオフィスの他の方々もとても優しく、気さくな方ばかりで、本当に人に恵まれていました。
一番成長したと思うことはなんですか?またその理由も教えてください。
自分自身では成長したかどうかは正直わかりません(笑)が、自分を見つめ直した留学だったので、自分の本質は全く変わっていないなとも思います。ただ、以前よりは自分のことを認められるようになったと思います。私はこれまで自分が良くできたと思ったことがあまりなく、どちらかというといつも自分なんてダメだと思いながら生きてきたのですが、留学生活を終えた今は、少しは物事をポジティブに考えられるようになりました。以前は自分が出来たことよりも出来なかったことを数えていたのですが、今は出来たことは出来たと素直に認められるようになりました。そこはひとつ成長できたところだと思います。
今後の目標、ビジョンなどを教えてください。
まずは社会福祉士の資格を取得し、ソーシャルワーカーとして働きながら大学院に通おうと思っています。そして、青年海外協力隊などの国際協力活動に参加して、世界で困りごとを抱える人のサポートをできるようになりたいです。国際機関で働くということがひとつの夢でもあるので、そのために世界で経験を積みたいです。ゆくゆくは自分でNPOを設立し、困っている人の手助けをするだけでなく、そういう人たちのために社会を変えていく活動ができたらいいなと考えています。
これからIBP留学を検討している方にメッセージをお願いします!
海外に行きたい、留学に挑戦したいという気持ちが強いならば、臆せずチャレンジするといいと思います。特に大学生の人は、モラトリアムを海外で過ごし、日本ではできない経験をする、ということが今後のキャリアに大きな意味をもたらすのではないかと思います。海外で生活すれば、日本の良いところ、悪いところ、また自分の良いところ、悪いところを再認識することができます。異文化に身を置いて揉まれていく中でひとつ、自分にとって譲れない価値観を見つけることができれば、今後のキャリアも自ずと決まってくるように思います。
IBPは出発前からサポートが充実しているので現地での生活の不安は最小限に抑えられるため、不安を抱える方にもお勧めできる留学です。