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キャリア、ビジネス、IBPがよくわかる「GLOBAL INSIGHT」
ビジネス留学情報ブログ「GLOBAL VISION」
2020年
加藤 史也
FUMIYA KATOH
出身校:広島市立大学 国際学部
コース:ワシントン大学
キャリア:大学生
留学期間:2019年3月~2020年3月
インターン先:Digital Garage US, Inc
入社先:株式会社オープンロジ

日本では味わえない困難が、新たな人生の可能性を示してくれた

IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。

このプログラムを選んだ理由は2つあります。
①自身の市場価値の底上げ
留学前の自分にはビジネスパーソンとして生きていくためのスキルが不足しており、1年間の自己研鑽を通じて英語発信力やプレゼンスキル及び実践的なマーケティング思考力などを培いたいと思い、参加しました。
②将来やりたいことの発見
学生生活を通じて農作業ボランティアやベンチャー企業での長期インターンに取り組んでいましたが、結局自分は将来何をしたいのか不透明なままでした。ICC主催のキャリアイベントや現地で活躍されている方々との交流を通じて、自己と世界を客観視でき、将来社会にコミットするための道筋がより鮮明になると考えました。

留学先を選択した理由を教えてください。

IBP留学の中でも、ワシントン大学はアウトプット重視のビジネスカリキュラムに特化していたため、市場価値の底上げには最適な環境だと思い選択しました。授業開始日からチームでのディスカッションやプレゼンを実施する機会に恵まれ、社会人スキルを磨きたかった自分にとっては良い環境だったと素直に思います。

留学前はどんな準備をしましたか?

主にシャドーイングを駆使して、ネイティブスピーカーが使用する英語表現をひたすらインプットしていました。ただ、実際に英語話者と会話してアウトプットする機会は多く設けておらず、留学1・2ヵ月目は会話に慣れずに苦労しました。結局、話せる人が現地でもフットワーク軽く様々な環境に飛び込めるので、留学前からMeetupやFacebookなどで英語好きな方々が集まるコミュニティを探し、自分の考えを英語で発信する時間を増やしていくと、留学先での活動の幅を広げられると思います。

研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?

高層ビルが立ち並びIT産業が発達している都市である印象を受ける一方で、山海に囲まれておりアウトドアも楽しめそうだと感じました。

キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?

とにかく敷地が広大でした。文・理系のほぼ全ての学部が1つのキャンパスに集中しており、構内の移動に自転車が欲しいレベルでした笑 図書館では夜遅くまで勉強している学生が多く、課題に取り組む上で良い刺激をもらうことができました。

ワシントン大学の授業の中で特に印象に残っているトピックを教えてください。

2期目のグローバルマーケティングです。講義ではマーケティングのフレームワークから実際の企業のベストプラクティスまで幅広く学び、グローバルマーケティングに関する知見を深めていく一方で、講義で学んだ知識を転用して米国企業の国外市場への新規参入戦略を多国籍なグループで共同作成するなど、密度の濃い時間を過ごしました。

上記の理由を教えてください。

私たちのグループは、林業や木材の加工・販売を手掛ける企業のインドネシア市場への参入戦略の立案に奔走していましたが、BtoBかつ業界がマイナーであるため欲しいデータが簡単に見つからず、チームメンバー全体で議論が停滞する場面が多々ありました。ですが、9週間かけてマーケティング戦略をゼロから構築した経験の中で思考力を鍛えることができましたし、実務経験が豊富な社会人とのディスカッションを経てより高度な視座を養うことができたのも大きな収穫です。

IBPビジネストレーニングはいかがでしたか?印象に残っている内容と感想を教えてください。

レジュメ・カバーレターの書き方やモックインタビューを実践的に指導頂き、非常に有意義な時間でした。また授業の中で現地企業に訪問する機会があり、「株式会社ポケモン」のアメリカ法人で勤務する方へのインタビューを行いました。現地法人と日本本社の働き方の違いや、クロスボーダーなコンテンツビジネスの面白さを教えていただき、海外で勤務することの解像度を高めることができたと思います。

留学中に参加した課外活動(サークルやアクティビティ)はありますか?

ワシントン大学のサークルや現地のNPOなどが主催するハイキングイベントに参加し、ワシントン州の自然を満喫していました。心身をリフレッシュさせる良い時間になりました。また、現地のフェスティバルなどで日本の伝統工芸品である漆や盆栽アートの作品を紹介するボランティアをしました。

課外活動から得たものは何ですか?

もっと日本のことを知ろうという想いが芽生えました。
現地で日本に興味を持つ人たちと数多く交流することで、自分が日本に対して思っていた以上に無知であることに気づかされました。世間では「グローバル人材」という単語が至る所でささやかされていますが、自国を知らずに世界ばっかり見ていても、核となるアイデンティティが欠如した人間になってしまう恐れがあります。日本を飛び出して初めて、自国特有の文化や価値観といった「自分を日本人たらしめるもの」に目を向けることができるようになりました。


コミュニケーション力向上のために努力したことは?

私は友人の数を増やすよりも一人の友人と関わる時間を増やすことを心掛けました。その方がディープな会話を楽しめますし、英語であっても本音で話せる仲を醸成できると考えていました。ある時仲の良い現地の友人から『ほとんどのIBP生はイベントに来ても日本人同士で話している。もっと現地の人と英語でコミュニケーションをとるべき。』とハッキリ言われました。耳が痛くなる発言でしたが、関係性を深めていたからこそ、バシッといってくれたのだと思います。

インターンシップ先について教えてください。

日系ベンチャーキャピタルのサンフランシスコ法人にて、リサーチのインターンをしていました。ワシントン大学コースは全米で1年間インターンシップに挑戦できる権利があったため、サンフランシスコに拠点を移しました。大抵のコミュニティには『賞味期限』が存在するため、己の思考や価値観の限界を超えるには、新鮮な環境に身を投じ、自分の内側と外側を見つめ直す必要があると考えます。

そこではどんな仕事を担当しましたか?

インターン先がコワーキングスペースを運営しており、そこの運営補助業務(来客対応・イベントセッティング・利用者へのユーザーヒアリングなど)をしていました。リサーチ業務では、世界のワークスペースに関するトレンドリサーチや日本市場への参入可能性が見込める現地のスタートアップの調査に従事していました。

インターンで苦労したこと、そこから学べたことを教えてください。

リスニングはかなり苦労しました。シアトルで仲良くさせていただいた方々の多くは留学生との会話に慣れており、多少ゆっくり・はっきり話してくれていました。しかしコワーキングスペースの利用者及び来客の方々は、話し相手が私だろうと日常のスピード・アクセントで話しかけてきたので、彼らからのリクエストを正確に処理できない時は自身の聴解力の乏しさを感じました。手加減なしの英語を毎日浴びていたので、リスニング力及びスピーキング力は確実に伸ばすことができました。

日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。

留学前の手続きから丁寧に対応してくださり、大変助かりました。またICCシアトルオフィスがワシントン大学と同じビルに入っていたため、生活の不安やトラブルを抱えた際はすぐに相談することができました。特に私は、海外初挑戦だった上にホームステイ先との相性が良くなかったため、精神的に落ち込んでいた時期がありましたが、現地のスタッフに色々相談してメンタルケアをしていただきました。初期の生活では慣れない部分も多々あると思うので、現地オフィスに積極的に相談して良いと思います。

留学前、留学中そして帰国後にIBPキャリアサポートをご利用された場合は、その感想を聞かせてください。

ボストンキャリアフォーラムに向けて履歴書添削・模擬面接といったキャリアサポートをして頂きました。留学前は就活にあまり注力していなかったので、自己分析のやり方や過去の経験のアピール手法などを丁寧にレクチャーしてくださいました。

これからのキャリアにIBPの経験がどうプラスになりましたか?

この留学を経て培った自信は絶対にプラスになります。
海外経験が皆無だった私は、シアトル行きの飛行機で不安とストレスですすり泣き、現地でも自身の能力不足に落ち込む日々を経験しました。それでも、370日間現地で行動と内省の両輪を回し続けた結果、帰国時は充実の気持ちでいっぱいになり、精神的に一皮むけた自分に出会うことができました。今の自分を形成するのは過去の努力であり、経験を通じて芽生えた自信は将来の自分を必ず後押ししてくれるでしょう。

就職活動ではIBPの経験(インターンシップや課外活動など)をどのようにアピールしましたか?

留学中に経験したことよりも挑戦した動機を面接官は知りたいので、そこに論理的な理由づけがあれば評価は得やすかったです。また、留学先での困難やそれを乗り越えた経験などを話し、実行力・胆力などを高く評価していただきました。ただ、多少ロジカルに説明しても、私はカジュアルな雰囲気を出しすぎて、「アメリカかぶれがする」・「少々鼻持ちならない」というフィードバックを企業の面接官からは頂いているので、丁寧な伝え方を意識するに越したことはないと思います。実際そのような人間性の部分で細かい失点が重なり、帰国後の就活も中々最終面接まで進めなかったので、ここは本当に気を付けたほうが良いです。


留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?

沢山ありますが、「内省することの大切さ」を強く認識しました。
異国でしか味わえない経験や価値観を求め行動し続けるのは重要ですが、時には休みながら、自分自身を省みる時間も大切です。内省は自己をより深く理解し、今後の行動指針を再考する上で有効です。私は留学して僅か10日目にメンタルブレイクしましたが、日向ぼっこをしながらその原因を考えていたら、いかに自分が生き急いでいたか気づかされました。

『一刻も早く英語を喋れるようになろう。』
『もっとビジネスの知識を身につけよう。』
『現地のビジネスパーソンと繋がろう。』
『高い学費払っているのだから、課題に全力で取り組もう。』
『将来どう生きるか、答えを見つけよう。』

多くの成果を求め、焦りに押しつぶされていた自分を見つめ直すことができ、それ以降は休む時間を適宜取り入れることでオーバーヒートしないよう調整するよう心掛けました。
また、経験が点であれば、内省は点と点をつなぐ行為であり、自身の経験に意味づけを行う時間です。深遠な内省を習慣化すれば、留学中及び人生の如何なる経験も自分の糧であることに気づけます。内向性と外向性、内なる世界と外の世界を越境することで、留学生活及び人生全体がより豊かなものに昇華していくと思います。

IBP留学を希望している人に向けて、アドバイスをお願いします。

前進している人の前にしか、壁は現れません。道に立ちはだかる障壁が、新たな道を教えてくれるものです。1年間アウェーな環境に身を投じる中で、自分の実力や価値観の天井に幾度か直面すると思います。落ち込む時もあるでしょうが、それは前進している証拠であり、内在する既存の世界観を再構築するチャンスでもあります。日本では味わえない困難が、私達に新たな人生の可能性を示してくれるのです。この体験談が、皆さんが一歩踏み出すきっかけとなれば嬉しい限りです。「挑戦・挫折・再起」のサイクルを回しながら、留学を、人生を最大限楽しみましょう。

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