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キャリア、ビジネス、IBPがよくわかる「GLOBAL INSIGHT」
ビジネス留学情報ブログ「GLOBAL VISION」
2014年
川端 秀典
HIDENORI KAWABATA
コース:ベルビューカレッジ
キャリア:大学院生
留学期間:2013年3月〜2014年3月
インターン先:Helix Bio Medix
帰国後:化学系企業に内定(ボストンキャリアフォーラムに参加)

語学力だけでなく異文化の中で協働できる力をアピールできた

既卒からの留学。自分の決断を大切に授業やインターンシップで学び抜いた

IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。

IBPプログラムでマーケティングを学びながら、実際に企業でインターンシップが行えるプログラム内容に非常に興味を持ち参加しました。 大学、大学院で化学を専攻しており、以前からモノづくりに関わる仕事をしたいと思っていました。研究で毎日のように技術の視点からモノ作りを見ていた私は、高度な技術だけではなく、人々がどんな技術を欲しているかを適切に察し、商品化していくマーケティング力もモノ作りには必要な視点ではないかと考え、徐々にマーケティングに興味を持つようになりました。また、これからの日本のモノづくりは、もはや海外との連携無くしては成り立ちません。そのような国際社会でモノ作りに携われる人材になるには、自分の考えを母国語以外でもはっきりと伝えられる高度なコミュニケーション能力が必要だと感じていました。そこで私はIBPプログラムで大学院の専攻とは全く異なるマーケティングを海外で学び、化学とマーケティングの両方の視点からモノづくりを見つめることのできるグローバルな視点を持った人になることを目指しました。

留学前はどんな準備をしましたか?

留学前から簡単な英会話程度はできましたが、英語で授業を受けた経験はほとんど無かったためICCで英語の教科書を使った事前準備の授業を受講していました。リスニング力に不安があったので、英語の音声を聞く機会を意識的に増やしました。留学直前は大学院の修士論文作成に追われていたので一日中英語に注力することはできませんでしたが、短い時間でも毎日必ず一定時間は英語に触れるように意識をしていました。

ホストファミリーと

ハロウィンの時に自分でサーモンの着ぐるみを作りました、大人気でした

留学先を選択した理由を教えてください。

大学3年時に大学のプログラムで3週間ほどシアトルに滞在していたことがあり、その際にシアトルがすごく良い街だと感じ、いつかまた戻ってきたいと思っていました。シアトルはアジア人も多く治安も比較的良いこともあって、長期の留学も安心して行えると思ったのです。さらに、ベルビューカレッジはIBPプログラムの中でも最も歴史のあるコースでOBやOGの方も多く、ベルビューシアトル近郊はITや観光、貿易などインターンシップの選択肢も豊富だと聞いていた点も決定のポイントとなりました。

研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?

内陸のベルビューやステイ先のイサクアなどは今まで訪れた事がなかったので実に新鮮でした。以前来たときはあまり意識しませんでしたが、シアトル近郊は名だたるグローバル企業の本社が集中したビジネス都市でもあり、ベルビューは特に綺麗で過ごしやすい街だと感じました。ステイ先付近はウサギやシカなども多く出るくらい自然の多い場所だったので都会の喧噪を離れて生活できることに少しわくわくしていました。またスターバックスが街中にあふれており、どこでも気軽にコーヒーが飲めてスターバックス好きの私にはたまらない街でした。日本食レストランや韓国料理屋など見慣れた食事や文字も街で見かけることができ、安心できる街という印象もありました。 交通に関しては車社会で、車を持っている方が圧倒的に多かったです。バスは本数が少ないですし、地域によっては治安の心配もあるため公共交通機関を利用しての移動は結構大変でした。私は留学開始後約2週間で車を購入したために毎日の通学や週末の遊び、長期休み中の旅行など年間を通して色々な場所に足を運ぶことができました。インターンシップ先も自宅からかなり離れた場所にありましたが、車があったおかげで通うことができました。

英語研修はどのような内容でしたか?

1クォーター目は主にビジネスで用いる会話やビジネスレターの書き方など、ビジネス英語に主眼を置いた授業内容になっていました。英語での交渉のロールプレイングや商談前の雑談の練習を行う時もありました。また、英語でプレゼンテーションやディベートをしたりする授業もあり、日本人同士ではありましたが英語で意見を述べ、伝える力を養う授業も1クォーター目にありました。   2クォーター目は秋学期に始まるインターンシップの面接に向けた準備を行っていました。履歴書を書いたり質問対策をしたり、インターンシップ先のリサーチといった次学期に向けた準備が中心の授業でした。   3クォーター目はインターンシップ先決定に向けての最終の準備や進捗状況の報告が中心、4クォーター目はインターンシップ先で行っている仕事内容の共有や、よりインターンシップを充実したものにするためにどうすれば良いかを話し合う授業がありました。

学部授業はどんな科目を選択しましたか?

渡航前にTOEFLのスコアをクリアしていたので1学期目から学部授業を受ける事ができました。受けられる授業には様々な選択肢がありましたが、結局1クォーター目は他のIBP生がIBPの必修授業として受けるIntroduction to Businessという授業を、IBPのクラスではなく他のネイティブの学生たちに混じって受けることにしました。この授業はビジネスやマーケティング、経済学の基本を広く浅く学ぶ授業で、初めてビジネス系の授業をとる私にとっても入りやすい授業だと感じたため受講を決めました。2クォーター目はエクセルをビジネスに応用する際の有効な使い方をするのかを学ぶ授業と、チームを組んでグループで課題に取り組むコミュニケーション中心の授業を取りました。エクセルの授業では今まで大学院で研究に使ってきたエクセルのビジネス用途としての新たな側面を知る事ができ、非常に興味深かったです。秋学期にはボストンキャリアフォーラムの準備との兼ね合いもあり、国際ビジネスの授業1個と音楽、体育を取ってリラックスする時間をつくり、日々の課題ばかりに追われないよう授業の調整をしました。 国際ビジネスの授業は主に国の文化的違いがビジネススタイルに及ぼす影響などをディスカッションすることが多く、時には自分の国の面白いマーケティング事例などを紹介する事もありました。マーケティングやビジネス系の授業は若い学生よりも30~50代の人が働きながら受けに来ていることも多く、そのような人々と話すことも刺激になっていました。

所属していたソフトボールチームの皆で写真を撮りました

トライアスロン完走後に、当日仲良くなった人と

留学中に参加したサークルやアクティビティはありますか?

夏頃にベルビューのソフトボールチームに所属して毎週日曜日に試合をしていました。所属している人は30〜50代の様々な年齢の人で、色々な職種の人がいたので話をするのも楽しかったです。また秋口から冬にかけてToastmastersというスピーチクラブのようなものに毎週通いました。数分間のスピーチを自由なテーマで行うことがToastmastersの主な活動内容でした。自分のスピーチの順番は2~3週間おきで回ってきて、そのスピーチを他のメンバーにフィードバックしてもらったり、他の人のスピーチを自分がフィードバックしたりすることでスピーチ力を磨く事ができました。またあるテーマに沿った質問をされて、それに即興で20秒くらいの返答をする練習などもしていました。スピーチ力を磨く貴重な機会でした。  あとはアクティビティというか、夏に初のトライアスロンに挑戦しました。日本にいた頃からマラソンやロードバイクが趣味だったのですが、アメリカはスポーツイベントも盛んで、日本で参加するより遥かに安い金額で気軽にトライアスロンに参加できるので、思い切って挑戦してみました。

コミュニケーション力向上のために努力したことはなんですか?

語学力的な意味でのコミュニケーション力ということであれば、言いたいことを日本語で考えないようにする意識を常にしていました。日本語→英語の行程を踏んでいてはスムーズな会話はできないと感じましたためです。 留学生の中には日本人同士でも英語を使うよう努めている人もおり、その試みも非常に重要かなとは思っていましたが、僕はあえて日本人には日本語を使っていました。日本人と外国人とで一緒にいるときに日本人には日本語、外国人には英語でてきぱきと切り替えて話すと頭の回転も早くなって、英語で考えて発言する力が逆に養われると思ったためです。   また、学校主催のイベントや、パーティなど他者と話す機会には積極的に参加するようにしました。一緒に参加していたIBP生を見ていても、コミュニケーションの量とともに英語力も向上していると感じました。   また、現地の学生に化学や数学を教えた時、英語になるととたんに説明が難しく感じることに気付きました。こうした経験で、英語で人に説明するスキルを身につけることができたと感じています。

インターン先の人たちと

インターンシップ先について教えてください。

Helix BioMedixという自社化粧品の販売、研究を行っている会社にマーケティングアシスタント兼ビジネスデベロップメントとしてインターンシップをしました。私が大学院で専攻していた分野に関連した商品を研究、販売していたので商品の特性も理解しやすかったです。また、留学中に学びたいと考えていた、技術面からもマーケティング面からもモノづくりを捉えることができました。 インターンシップ後半には商品発送メールを顧客に送付したり、マーケティング担当のチームでミーティングを行ったりと徐々に責任のある仕事も任せてもらえました。   化粧品は自分の興味のある分野でもあったので、仕事の傍らで自社化粧品に入っている原料についての化学的論文を読んで知識を深めたり、化粧品のトレンドが載っているウェブサイトを閲覧して日本、アメリカ、ヨーロッパそれぞれの化粧品トレンドを探り、レポートとして上司に提出してディスカッションしたりしていました。

ICCの現地のサポートについて感じたことがあれば教えてください。

日本から就職担当の方が来て進路指導面談をしていただいたり、履歴書の添削をメールでしていただいたりと大変お世話になりました。 また、適宜面談をしてもらう事で自分のその時点での課題の明確化や、インターン先の紹介もしてもらえました。実際にインターンシップにいったあの素晴らしい会社と出会えたのもICCのオフィスサポートのおかげだと思っています。

就職活動で留学での体験はプラスになりましたか?

内定をもらった企業は現地の子会社の副社長との英語面接がありました。この英語面接をスムーズに行えたのは間違いなく留学で得た語学力のおかげです。2クォーター目のIBPの授業であるインターンシップの面接対策の授業と、先述のToastmastersでの即興スピーチ訓練がこの英語面接に一番役に立ったと思っています。   また大学院卒業後に留学を決意したチャレンジ精神を評価してくれる企業も意外とあり、そこは意外に感じた点でした。

真冬にアラスカに旅行に行った際の犬ぞり体験で

留学、インターンシップをどのようにアピールしましたか?

面接では、海外の異文化の中で住むことで意識がどう変化したか興味を持って頂けることが多かったです。留学前よりも海外での生活に適応できる自信がついたことをアピールできました。また大学院までは研究という個人でのプロジェクトが主だったのに対し、留学先では外国人一緒にグループでプロジェクトを進めていった話をし、チームワークへの意識やコミュニケーションへの考え方が変わったことをアピールしました。海外の拠点で外国人と協同できる人材、つまり海外の環境や人に慣れている人材を必要としている企業は多いです。そのため、留学中に培った語学力をアピールするよりも、海外に住んで周りの人と共に過ごすことができた能力をアピールする方が効果的だと感じました。

ボストンキャリアフォーラムへの準備、心構えはありましたか?

既卒だったのでなんとしてもこのボストンキャリアフォーラムで内定を獲得して帰国する覚悟で臨みました。ボストンキャリアフォーラムの準備で大切なのは、企業研究です。そこを綿密に行っている学生は他の学生より一歩踏み入った質問ができ、企業へ興味があることを強くアピールができると思います。私はインターネットでの情報収集だけでなく、大学院研究室のOBで志望業界の企業に努めている人に直接スカイプで話を聞いて企業や業界研究をかなり早い段階から行っていました。ボストンで内定を絶対にとって帰りたい人は、事前応募を要する企業を多めに受けるのが良いのではないかと思います。 もう一点重要なのは自分のこれまでの「人生のストーリー」を簡潔かつ明確に整理しておくことです。例えば、なぜ自分が留学に至ったか、その留学経験を将来どのように活かしたいかといった、自分のこれまでの決断や行動の動機を明確化することが重要です。 自分の価値観や芯を固め、将来の自分の姿をはっきりと描けていることを企業に感じてもらうことが非常に重要になると思います。私の場合は、なぜ既卒から留学を決意したのかなどの理由を真剣に整理しました。また、ボストンキャリアフォーラムまでに自分がどうやって異文化に適応していったのかを考えてみるのも重要ですね。

*体験談の内容は寄稿時の情報です。

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