受講した会計の授業がきっかけで金融機関でインターン。帰国後は大手外資系証券会社に就職
ホストファミリーとの会話を心がけ、TOEICのスコアが200以上アップ
帰国直前にホストファミリーとシアトル近郊のBainbridge islandという島でキャンプしました。信じられないほど星がキレイだったのが忘れられません
UBSのマネージャーと、インターン最終日にオフィスにて。就職の報告をメールすると、とても喜んでくれました
NY Times Squareの大晦日カウントダウン
IBPプログラムに参加しようと思った理由は?
英文学専攻だったため、1年間で短期集中的にビジネスを学べるIBPはとても魅力的でした。加えて自然が美しく、スポーツの盛んなシアトルでの生活にあこがれを感じたのも一つの理由です。ベルビューコースを選択したのは、学部授業を選択し、現地の学生とともに受講できることと、全ての授業が少人数制で、学生や先生とコミュニケーションをとりやすいと思ったからです。
1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
TOEICで950点取ること、成績優秀者となること、ホストファミリーと本当の家族のように仲良くなること、を大きく目標に掲げていました。その他にも、「留学でやりたいことリスト」を作ったりして、小さな目標をたくさん掲げていました。
特に印象に残っている授業は?
留学前のTOEICのスコアは735点で、帰国後960点を取ることができました。 現地に到着して少し経った頃「自分から英語を聞く•話す機会を積極的に作らないことには、英語力は伸びない」と感じました。そこで、授業が終わって家に帰った後、どんなに宿題があったとしても、夜9時まではリビングでホストファミリーと過ごすなど、コミュニケーションの機会を多く持つことを意識していました。
留学先で特に印象に残っている授業はどんな内容でしたか?
「会計」の授業と「Investment」というクラスです。会計の授業は、会計の基本的な概念から、貸借対照表と損益計算書の読み方を学んだり、実際に帳簿を付けてみたりと実践的に学べる授業で、とても有益だったと思います。 Investmentのクラスでは、様々な金融商品やそれに関連した用語に関する理解を深める一方で、バーチャルで株や投資信託の売買をして、収益をクラスメイトと競い合いながら、どのような要素が株価や指数に影響するのかを学びました。
勉強以外に熱中していたことはありますか?
留学前まで野球をしていたので、シアトル•マリナーズの試合を20試合ほど観戦しました。アメリカのスタジアムは、日本のものとは違った雰囲気があり、週末の楽しみにしていました。また、ホストファザーにアメリカンフットボールのルールを一から教えてもらい、試合を毎週見ていたところ熱中してしまい、帰国する頃にはシアトルのプロチームである、シーホークスの大ファンになっていました(笑)。
インターン先の名称と業態を教えて下さい。
スイスの金融機関UBSのウェルスマネジメント部門(個人向け資産運用サービス)である、UBS Financial Services Inc. ベルビューブランチで2ヶ月間働きました。Investmentの授業を通して金融に興味を持ち、グローバルにプレゼンスの高い金融機関で働いてみたいと思うようになったため、この会社をインターン先に選びました。そのほか、Lumanaというマイクロファイナンス(貧困層への低額融資)を行っているNPOでも2ヶ月間のボランティアを体験しました。
インターン先での具体的な仕事内容は?
実際にお客さんに資産運用のアドバイザリーを行うアドバイザーのアシスタントをしていました。具体的には、書類作成やデータ入力などです。
インターン体験で大変だったことは?
非常に地味な仕事しか任されなかったのが大きな壁でした。そのような小さな仕事が、非常に大事であることは理解していましたが、何か一つやり遂げたいと思い、マネージャーに何度もアタックしました。その結果、今後成長が予想される日本企業に関するプレゼンテーションを任せてもらえることになり、実際にインターン最終日に20人ほどの社員の方々の前でプレゼンをすることができました。準備の過程で勉強したことや、社員の方々に頂いたフィードバックから、多くの知識やスキルが身に付いたと思っています。
働き方や仕事の進め方などで、印象に残っていることは?
金融機関をはじめ、欧米の企業の特徴の一つである、成果主義のカルチャーが印象的でした。年功序列という慣習は存在せず、若くても成果を残した人はどんどん昇進していくため、ある社員の上司が年下ということもありました。また、バランスボールに座りながら仕事をしている人がいるなど、「どのようにやったか」よりも「どれほどの成果をのこしたか」により焦点が当てられる企業ならではの光景も目にしました。
杉山さんが、そのインターン体験によって得たものはどんなことですか?
自分を差別化することの重要性に気づけたことが大きな収穫でした。英語が母国語ではない自分が、コミュニケーションなどで他の社員と比較して著しいパフォーマンスを発揮するのは難しかったため、自分がどんな価値を会社に提供できるのかを常に考えざるを得ませんでした。現在の会社でも、バイリンガルな人がほとんどですし、非常に能力の高い人たちが集まっていると感じます。そのなかで、インターンで得た経験を生かし、「チームや会社にどうやって価値を提供していくのか」「自分がここにいる価値は何なのか」と常に自分に問いかけ、働いています。
IBPの体験によって、自分自身が変わったと思うところは?
行動力とコミュニケーション力が身に付いたと思います。一年間という長いようで限られた時間の中でより成長するためには、たくさんの人に会って様々な価値観に触れることが大切だと考え、常にアクティブでいることを心がけていました。最初は、見知らぬ場所やコミュニティへ飛び込んでいくのは少し勇気がいりましたが、次第にそれが楽しくなっていきました。結果として留学前よりも積極的になりましたし、そのおかげでコミュニケーション力もついたと感じています。
いつ頃から就活を行いましたか?
2011年の9月下旬に帰国し、そこから外資系企業の選考を受けながらエントリーシートをブラッシュアップし、翌年4月からの面接に向けて企業研究などに取り組みました。4月に1社内定を頂きましたが、その後、現在務める会社より内定を頂き、現在に至ります。
IBP経験は、就職活動にどのように役立ったのでしょうか?
一年間という限られた期間であったことで、常にアクティブに行動し続けるように意識した結果、面接などにおいて自分の向上心や挑戦心を証明できる経験を多く積むことができました。 またインターン経験を通して、グローバルな環境で働くことの辛さを同時に体感したことも自身の進路選択の上で大きな経験でした。安易にグローバル企業や大企業を目指すのではなく、その企業が自分にとって最適な場所なのかを真剣に考え、辛いことにも正面から挑戦していく覚悟をした上で、就職先を選択できたと思っています。
今ふりかえって、IBP留学は杉山さんのキャリアにとって、どんな意味があったと思いますか?
グローバルに活躍するための基盤を作ることができた1年だったと思います。英語でのコミュニケーションはもちろん、人種や価値観の大きく異なる人たちと触れ合うことで、多様性を受け入れられるようになったと思います。だからこそ、社員の国籍や背景が非常に多様な外資系企業で働くことができていると思っています。
カナディアンロッキーまで、IBPの同期と車で旅をしました。キレイな湖と壮大な山々に、思わず息を飲みました
今後の展望や将来の夢を教えてください。
現在の会社でチームをマネージする立場になることが当面の目標です。また、海外のオフィスで勤務して、視野を広げたいと思っています。学生時代から、貧困や環境問題など世界規模での問題解決に携わりたいとの夢があるので、いずれそのようなフィールドに立てればと思っています。
IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
IBPはキャリアを築く上で、素晴らしいプログラムだと思います。しかし、留学を就活や良い企業に入るためのステップと考えるのではなく、自分の人生をより豊かにするためのものと捉えて、一年間を過ごしてほしいと思います。キャリアアップだけを目的に留学してしまうと、どうしても近視眼的になったり、変に合理的になったりして、自分の成長を促したり、人脈を築く貴重な機会を逃してしまうと思います。多くの人に会って、様々な経験をして、悔いのない留学生活を送ってください!
*体験談の内容は寄稿時の情報です。