「世界の医療に貢献したい」IBPに参加して、キャリアアップに成功
休職することに不安はあったが、留学して本当によかった
BUSIPの授業終了後、パーティで先生と一緒に
ハローウィン
シアトルから車で40分のところへハイキング。美しい自然に感動しました
IBP41期生とメキシコ、カンクンへ旅行。雲が日本の形をしていて、メキシコから皆で日本を見ているような気がして、とても気に入っている写真
仕事を休職して、プログラムに参加されたそうですね。
留学前は中外製薬株式会社にてMR(医薬情報担当者)をしていましたが、人・モノ・情報がこれだけ世界を飛び交う中で、確かな国際感覚と英語力を持つことは最低限必要なスキルであると考えていました。30歳を前にして、年齢的にもこの機会に留学しなければ将来必ず後悔すると考え、留学を決意しました。
なぜIBPプログラムを選ばれたのでしょうか?
インターンとして現地の企業で働く機会があることが何よりも魅力的でした。ビジネスに重点をおいた内容は、社会人である私にとって、仕事で活用できる英語力を短期間で修得するために最適なプログラムであると考え、IBPプログラムを選びました。
プログラムの中で、ワシントン大学コースを選択した理由は?
ワシントン大学のプログラムが一番ビジネスに焦点をあてた内容になっていたからです。医学・看護学の分野で全米トップクラスの大学であり、製薬会社で仕事をしていた私はワシントン大学の医学、看護、薬学部に所属する学生、卒業生と交流が持てる可能性があったことも魅力の一つでした。
1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
医薬関連の会社でのインターンを実現することです。将来は、当社の海外支社または海外提携会社で仕事をしたいと考えていましたが、海外で同業種のインターンをすることは、将来の夢を叶えるステップとして意義のあることだと考えました。また「英語力を客観的に証明するにはTOEIC900点は必要」と聞いていたので、そのスコアをクリアしたいと思い、最終的に940点を獲得することができました。
日本の大学と違いを感じた点はどんなところでしたか?
授業に参加しなければ、どれだけ授業の内容を理解していても意味がないということです。日本では、挙手をして先生に発言を求められて自分の意見を述べることが一般的だと思いますが、アメリカでは他の学生を差し置いてでも自分の意見を主張しなければ、先生に評価してもらえないというところが一番の違いだと感じました。
印象に残っている授業内容を教えて下さい。
3学期目のBUSIPの授業です。実際に企業で働いている方やMBAの教授が教壇に立ち、生のビジネスの話を伺う機会があったことはとても刺激的でした。特に興味のあったマーケティングの授業では、授業内容と私の仕事経験を照らし合わせながら、教授にしつこいくらい質問をしたことを覚えています。
インターン先はどちらでしたか?
Iverson Genetics という遺伝子テストを提供する医薬関連会社でインターンをしました。遺伝子テストをすることで、患者さん個々に合わせた薬物治療(Personalized Health Care)を提供することが可能になります。薬の有効性を最大化し、副作用の危険性を極力減らすことができる遺伝子テストは、今後ますます医療現場でニーズが高まると考え、以前から興味を持っていました。
そこでの具体的な仕事内容を教えて下さい。
業務内容は多岐に渡りました。インターン先の上司は私に会社全体を理解してほしいということで、午前中は研究開発、保険請求業務、午後はマーケティング、営業部門と、1日で4つの部署を転々しながら多種多様な経験させていただきました。研究のバックグランドが無い私ですが、研究室では3名のドクターが私に遺伝子テストに関連する文献を紹介してくれ、それについてディスカッションする機会をいただきました。営業、マーケティング部門では、会議に参加させていただき、日本での営業経験について聞かれるケースや、私ならどのような話法で遺伝子テストを顧客に紹介するかなどの意見を求められることもありました。留学当初の目的であった「海外と日本での仕事の進め方の違い」を体験することができ、非常に充実した時間を過ごすことができました。
インターン中に壁にぶつかったことは?
仕事で使用する専門用語が理解できず、誤解したまま仕事を進めたことがありました。この状況を解決するために、ひたすら専門用語を覚えることや、同僚との会話の中で理解できなかった専門用語を使った話題を出すことで身につけるように心がけました。インターンの終わり頃には、ほぼ問題なくコミュニケーションがとれていたと思います。
インターン体験によって得たものはどんなことですか?
インターン先に勤務するドクターから、毎週課題として製品に関連する文献を読んでくるように言われていました。文献を読んだ後、皆でその内容について議論したのですが、アメリカ人ドクターと専門的な話をしたり、日本の仕事経験をアメリカの職場で紹介できたことは非常に貴重な体験でした。また、職場の皆がとてもフレンドリーで、会社の一員として私を迎えてくれたことにとても感謝していますし、出会いにも恵まれました。今でも交流が続いています。
留学中の思い出深いエピソードを教えて下さい。
ワシントン大学で「ビジネスセールスクラブ」というサークルに所属していました。このクラブでは週に1度、企業から営業担当者をゲストスピーカーとして招き「セールスプロモーション」をテーマにした講演を聞いた後、学生同士で講義の内容についてディスカッションをしました。留学のテーマだった「日本とアメリカのビジネスの違いを比較する」という目的を叶えるためには、うってつけの場所でした。
IBP体験による、価値観の変化などはありましたか?
IBPプログラムを通して、さまざまなビジネスに携わる外国人と接する機会を得ることができました。海外を視野に入れないビジネスはあり得ない時代の中で、ビジネスのフィールドでも語学や異なる考え方にストレスを感じることなく外国人とコミュニケーションが取れるようになったことは非常に大きな変化だと思いますし、将来の私のキャリアに必ずいきる経験ができたと思います。
帰国後は前職に復職されたそうですね。
留学経験を活かすフィールドがあると感じ、復職しました。製薬会社の一員として、日本のみならず海外でも患者さんの治療に貢献できる仕事に携わることが入社以来の希望でしたが、近い将来、実現したいと思っています。
IBP留学はキャリアアップにつながったとお考えですか?
留学前は、営業の仕事にやりがいを感じていましたが、営業職のままでいると、なかなか海外で仕事をする機会がなく、入社以来希望していた「いつか海外で仕事をする」という夢は叶わないと思っていました。留学を経て復職し、海外勤務のチャンスがある本社に異動になりました。今は力を蓄えながら、来たるチャンスを掴むべく日々精進しています。
山瀬さんにとって、IBP留学はどんな意味があったと思いますか?
留学をしたことで、新しい部署に異動し、新しい仕事にチャレンジする機会を得ることができました。しかし、留学を通して出会った多くの友人と切磋琢磨し、勉強できたこと自体が大変貴重で有意義な経験でした。1年間の休職を認めていただいた会社の皆さまには、大変感謝しています。
ICCのサポートについて感想をお聞かせください。
社会人からの留学ということもあり、キャリアを中断することへの不安はありましたが、名古屋ICCの伊藤さんにとても親身に相談に乗っていただきながら、留学を決断することができました。また、現地で原因不明のアレルギー性皮膚炎になってしまったのですが、現地のICCの方にお勧めの病院を教えていただくなど、大変お世話になりました。
インターン先の従業員と一緒に
今後の展望や将来の夢を教えてください。
近い将来、必ず海外で医療に携わる仕事をしたいと思っています。どのような形でも構わないのですが、日本のみならず海外の医療に私自身が製薬会社の一員という立場から関わることができれば幸せです。その夢を叶えるために、まずは現在の仕事にきちんと取り組みたいと思います。
IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
IBPはキャリアアップやキャリアチェンジの1つのツールですが、結局は個々の意識次第でいかようにもなるものだと思います。大事なことは、限られた1年という期間でIBPを上手に活用し、皆さん個々の目標を達成することです。私自身、1年間休職して留学することには不安もありましたし、経済的負担もありました。しかし、希望していたことを達成して帰国した今、IBP留学をして良かったと思っています。どのような選択をとってもリスクはあると思いますが、もし迷われているならば是非チャンレンジされることをお勧めします。かけがえのない貴重な体験をご自身で創っていただければと思います。
*体験談の内容は寄稿時の情報です。