クリエイティブに“自分の働き方”を設計する重要性を学んだ
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
海外で働くという経験をしてみたかったので、大学で授業も受けられ、かつインターンができるIBPプログラムに興味を持ちました。長年続いているプログラムで信頼感があったのは何よりの理由だと思います。
留学先を選択した理由を教えてください。
大きく3つ理由があります。
1つ目は値段。マレーシアの物価はだんだんと上がってきてはいるものの、やはりイギリスやアメリカなどと比べれば断然安い値段で留学できるからです。
2つ目は英語が第一言語ではなく、マレーシア人は多言語を扱える人たちだからです。自分の専門は第二言語習得研究(SLA研究)と呼ばれる分野で、簡単にいうと、“どうやって英語を習得するのか”という学問を研究しています。マレー系マレーシア人の多くはマレー語と英語を流暢に使い、中華系マレーシア人は中国語、マレー語、英語を使い分けているという話を聞き、どのような教育が施されているのか気になったからです。
3つ目は多民族国家の人たちはどのように他の人との違いを受容しているのか知りたかったからです。日頃ちょっとしたことで日本人は受容力がない人が多いなと感じることが多かったので、実際多民族国家の人たちはどのように生活しているのか、どうお互いのことを考えているのか知りたいと思ったからです。
留学前はどんな準備をしましたか?
挨拶程度は言えたほうがいいかなぁと思い、マレー語を少し勉強しました。あとはひたすらに英語の勉強をしていました。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
思ったよりも綺麗、設備が整っていると感じました。サンウェイは財閥の名前なのですが、大学の周りに病院や遊園地のようなものがあり、財閥の力のすごさ実感しました。
キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?
教室数が多く、全体的に大きいと感じました。食堂が2ヵ所あったり、スタバがキャンパス内にあったりしたのは驚きました。また、図書館内にミーティングができるような自習室が多かったのが印象的でした。授業で出される課題がグループで行うプレゼンなどが多いからだと思いました。平日は深夜の2時ぐらいまで自習室が空いているので、勉強に集中しやすいと思いました。
学部授業ではどんな科目を選択しましたか?
Fundamentals of College Writing、Malay Language for Communication 2、University Life、Introduction to Business、Introduction to Computer Applications、U.S. History to 1877、Malaysian Studies 3です。
特に興味を持って取り組んだ授業を教えてください。
Malaysian Studies 3というマレーシアについて学ぶクラスです。このクラスはインターナショナル生のみ受講できるクラスとなっていました。その授業の中で歴史について学ぶ回があり、マレーシアは第二次世界大戦時、日本に占領されていたこと学びました。もちろん、今までの歴史の授業で第二次世界大戦時、日本が各国にどのような攻撃をしたかある程度理解しているつもりでしたが、実際に占領された側の国の人が語る言葉は重いなと思いましたし、改めて深く戦争について考える機会を与えてもらいました。そして私は日本人として、これからどう他の国の人と関係を築いていきたいのか考えることができました。
IBPビジネストレーニングはいかがでしたか?印象に残っている内容と感想を教えてください。
海外のビジネスマナーを学ぶ機会は大変貴重でいい経験になりました。レジュメの書き方を学ぶ回は特に勉強になりました。日本の履歴書は淡々と経歴や職歴を書きますが、外国のレジュメは詳しく自分はどんな人間か説明しないといけないと学びました。一つのプレゼン資料みたいだと感じました。私のレジュメを添削してくれた先生は「これでは情報が少ない」とアドバイスしてくれました。自分ではかなり情報を組み込んだつもりだったので、もっと自分をアピールしていいのだと気付きました。
留学中に参加した課外活動(サークルやアクティビティ)はありますか?
ありません。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
人と話したり、距離を詰めたりするのが元々得意ではないので、大変苦労しました。普段はほとんど見ていないインスタのストーリーなど見て、友達の好きなものなどを覚え、次の日の話のネタにしたり、なるべく会話の輪に入るように心がけたりしました。もちろん、英語の勉強もしました。チャット特有のスラングや訳し方が最初全く分からず、逐一ネットで調べて解読していました。
インターンシップ先について教えてください。
マレーシアに住む邦人向けのフリーペーパーを出版する会社でインターンを行いました。
そこではどんな仕事を担当しましたか。
主に編集・校正業務を行いました。広告を翻訳したり、キャチコピーを考えたりもしました。インスタグラム、フェイスブックを更新して、少しでも多くの方に自分たちのフリーペーパーを知ってもらうようにと取り組みました。また、取材に行き、記事を書きました。英語で取材を行うときもありました。 さらに、教育ガイドブックという年間本を今年初めて作るということだったので、その構想を練りました。自分のやりたいようにゼロからコンテンツなどを考えさせてもらったので、どのような流れで本ができるのか学ぶことができましたし、非常にやりがいを感じました。 加えて、生活ガイドブックという年間本の内容を大型改変する年だったので、新しいコンテンツの記事を何本も書きました。
インターンで苦労したこと、そこから学べたことを教えてください。
フリーペーパーなので、読み手だけでなく、広告を出してくれているクライアントに反響が出るように意識しなければならなかったのは、大変でした。記事を書くにしても、対象層を考え、その方々がそのサービスを使いたいと思えるような情報をクライアントから引き出して文章化するということが最初はなかなか徹底できませんでした。ですが、教育ガイドブックで構想を練り、上司の方にどのようにしたいかを話し合っているうちに、ここにこういう広告があってもいいなとか、このクライアントとこのコンテンツ組み合わせられるなとか考えられるようになりました。自分が記事を書くときや広告を翻訳するときもそのようなことを意識し、少しずつ文章の中に組み込めるようになったと思います。
日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。
現地のICCのオフィスの方には特にお世話になりました。インターンのために引っ越しをしたのですが、どうやら大学の職員同士で引き継ぎがうまくいっておらず、寮のデポジットがなかなか返金されませんでした。そこでオフィスの方に相談したところ、大学の方と何度も連絡を取っていただき、無事に返金を受け取ることができました。トラブルが起きたときに対応していただけたのは大変助かりました。
これからのキャリアにIBPの経験がどうプラスになりましたか?
これから就活をするにあたって、自分がどんな人間か、何を成し得たいのか少しでも見えたのは良かったと思います。特にビジネスセミナーで、海外で働くいろいろな考え方をもった方のお話を聞けて、自分はこんな会社がいい、こんな働き方理想だなぁとぼんやりとでも就活の軸を決められたのは良かったです。
留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?
自分のことを認められるようになりました。私自身、自分のことが好きではなく、欠点ばかりが目につきました。人と比べて劣等感を感じることが多かったですし、人に流されることも多かったです。しかし留学を通して、いろいろな人と関わっていくうちに、自分は自分でいいのだと感じられるようになりました。人に流されすぎず、自分のペースで物事を進めていくことが怖くなくなりました。 また、新たな目標ができました。インターン先で影響を受けた上司の方がいて、基本的にフリーライターをされている方なのですが、まさに世界をまたにかけて仕事をなさっていて、大変刺激になりました。自分で技術を極めて行動することができれば、もっとクリエイティブな働き方ができるのだと思いました。今後の人生設計が大きく書き変わり、やりたいこと、高めなければいけないことなどがはっきりとしました。
IBP留学を希望している人に向けて、アドバイスをお願いします。
必ず、心に残る留学生活になると思います。できるだけ多くの人とコミュニケーションを取った方が様々なことを学べるはずです。あっという間に時が過ぎるので、達成したいことをリスト化しておくことをおすすめします。ですが、何よりも大事なことは楽しむことです。限られた期間しか居られないのでとにかく楽しんでください。