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キャリア、ビジネス、IBPがよくわかる「GLOBAL INSIGHT」
ビジネス留学情報ブログ「GLOBAL VISION」
2005年
早川 恵子
KEIKO HAYAKAWA
コース:ベルビューカレッジ
キャリア:大学生
留学期間:2004年9月〜2005年8月
インターン先:The world Cargo International(貿易会社)
1981年生まれ、石川県出身。大学(法学部)卒業後、IBPベルビューカレッジへ留学。プログラム終了後はJ1ビザを取得し、インターン先のThe world Cargo International に継続して勤務。近々、青年海外協力隊としてケニアに2年間派遣される予定。

インターン先で、積極的に働く姿勢を学び、プログラム修了後もJ1ビザを取得して仕事を継続

アキレス腱を切る大ケガによって、大切なことに気づきました

友達に連れて行ってもらったGREENLAKEにて。ケガ以降、友達に外へ連れ出してもらえることがなによりも幸せでした

ハロウィンの時に会社で。仮装で出社OKでした。寛大すぎです。一番右がジブンです

ベルビュー図書館横でのサッカー。エンジン組んで気合入れてます

同期と作ったショートムービーのひとコマ

留学のきっかけについて教えて下さい。

小さいころから映画が好きで、アメリカの大学へ留学したい思いはもともとありました。大学3年の終わり、周りの就職活動にただなんとなく流されて就職活動を始めましたが、全くしっくりこなかった。「これでいいのか?」と思いながら先のことが見えなくなっていた時期に、大学構内でIBPの奨学金を告知するポスターを見つけ、試験を受けて少し奨学金が得られたことからIBPに参加することになりました。

渡米前に考えていた留学の目的は?

心の中では二度と日本には帰ってこないと誓って、アメリカに残るために英語のスキルをとにかくあげようと思っていました。当時は「日本にいるなんていやだ」と、日本に対して否定的な感情しかもっていませんでしたから(笑)。IBPに参加する数ヶ月前に内閣府主催の世界青年の船に参加し、貧困とかエイズとか国際問題について勉強する機会を得ることができました。その体験で人生観が変わり「IBP参加を辞め、大学に正規留学して国際関係を学びたい」と当時悩んでいたことを覚えています。でも結局は、1年という期間の中にインターンもあるIBPなら、自分次第でプログラム終了後に国際協力方面で働けるかもしれないと考えなおし、シアトルでボランティアをして、その道の人とつながりを作ろうと思っていました。

IBPの授業で、印象に残っている授業は何でしたか?

Ms.ゲイツ先生のInternational Businessの授業です。アメリカのビジネス風土や仕組み、経済や国際関係などを学ぶことができました。グループに分かれて、ファシリテーターを中心にみんなが発言していく機会があり、自分の意見を言葉にして伝えることの重要さを学びました。クラスを盛り上げるのがうまい先生で、授業は本当に大好きでした。3学期に映画のクラスを受講し、ジブンたちで企画・撮影・編集・発表をしたことも印象深い思い出です。当時はアキレス腱を切っていた時でしたが、松葉杖をつきながらカメラで撮影したり、グループの仲間に助けてもらいながらちょい役を演じてみたりして、ジャッキーチェン主演の「酔拳」もどきの「ドランクンモンキー」という題名の短編映画を作りました。

留学中、勉強以外に熱中していたことはありますか?

運動することです(アキレス腱断裂する前まで)。スポーツは言葉の壁を越えるこということは世界青年の船で身をもって体験していたこともあり、まずは軟弱インドア派のホストキッズと仲良くなるために、サッカーボールを買ってきて「一緒にサッカーやろう」と誘い、毎晩彼らの宿題後に暗くて見えなくなるまでボールを蹴っていました。一緒に運動してキッズとの距離はすごく近くなりました。ジブンのことも慕ってくれるようになり、すごく可愛い妹と弟たちでした。2年後の帰国前にホストの家に行った時には、バスケットゴールも備えてあり、ホストキッズたちもバスケ部やバレー部に所属し、元気な体育会系に変身していて本当に驚きました。キッズたちとのサッカーだけではもの足りず、IBP同期も巻き込み、週末にベルビュー図書館横のグランドでサッカーをやりはじめました。これがきっかけでIBP同期とも一層仲良くなれたと思います。地元の男女混合の11人サッカーチームに参加させてもらうこともできました。J1ビザを取得した2年目には、足のリハビリも兼ねて大学のジムに通ったり、ボクシングジムでボクシングやったり、ケガのために約1年ほどなまってた体を動かすことに熱中してました。

インターン先について教えて下さい。

学校でビジネスについて学ぶうちに、国際協力の分野と平行して国際貿易関連の仕事にも興味を持ち始め、World Cargo International Alaska Air ForwardingというForwarder/NVOCC(Non vessel operating common carrier)の会社でインターンをしました。インターン探しの時期は松葉杖生活真っ最中。IBP同期は次々とインターン先を決めていくなかで、焦って先生に相談に行ったら、過去にIBP生がWORLD CARGOで働いていたことがわかり、面接に行ったところ、即受け入れOKの返事をいただきました。World CargoはInternational Forwarder(国際複合一貫輸送)、簡単にいうと、海上貨物や航空貨物を世界中に輸出したり輸入したりする会社です。インターンとしての仕事は主にAir rateの計算、オフィスの書類整理・雑用、倉庫で貨物の在庫確認、船積み用の書類(airwaybill bill of lading等)を作成していました。貿易知識は、日本から送ってもらった貿易実務検定の本を読んで、ジブンがやっていることと照らし合わせながら少しずつ覚えていきました。

インターン体験で得たものはどんなことでしたか?

受身では仕事はできないということです。インターン当初は、ジブンは全てのことに受身だったと思います。仕事をもらうのを待っていて、それをこなしていただけ。ジブンから聞かなければ、仕事はもらえなかったのですが、それが言えずに、ただ椅子に座って1日が終わった時もありました。こういう日々が続き、本気でインターン先を変えようと、真剣に悩みました。相当へこんでICCシアトルの当時の担当者みきこさんに相談し、みきこさんからのアドバイスで「とにかくジブンが変わらなきゃいけない」と意識しました。それから仕事に対する姿勢を積極的にすることで、疎遠だった同僚とも会話をし始め、ジブンから仕事を見つけるようにすると、そこにはたくさんの小さな仕事がありました。それをコツコツやって少しずつ仕事を覚えていったおかげで、インターン延長後から大事なお客さんの船積み貨物の案件も手伝わせてもらえるようになりました。同僚からの信頼が得られ、自分でも責任と自信を感じられるようになりました。自分で動いて見つけて仕事をする、そういう仕事に対する姿勢というものを学んだと思います。

プログラム修了後も、継続して働いていたそうですね。

インターン半ばから留学の目的を見失い、全てのことに投げやりでいい加減になっていたことがあって、IBP修了が近づくにつれ、この状態のままだと日本に帰っても何もジブンを売る要素が無いし、帰ったところでジブンはIBPに参加したこと自体を後悔するだろうと強く思い始めていました。そんな時に同期からの渇で目が覚め、まずは会社に頼んでインターン期間を延長してもらいました。プログラム終了後もインターンを続け、仕事をすればするほどどんどん貪欲になり、もっとたくさん学びたいという気持ちが強くなりました。それでインターン先の上司に相談したところ、J1ビザのトレイニー(有給)として会社に戻って働くことを了承してもらい、1年3ヶ月の間、トレイニーとして働きました。トレイニーの時は、インターンの時に少しだけ関わっていた大口アカウント客のプラント輸出の仕事が全てジブンに託されることとなりました。先輩同僚やボスに聞きながら、在庫管理、船積みスケジュール作成、船社ブッキング、コンテナ買い付け、バンニング(コンテナへの詰め込み作業)スケジュール調整、トラック業者への連絡、船積み書類作成、Profit&loss作成等、初めて一貫した輸出を担当しました。輸出業務に慣れるまでは、気持ちに余裕がなく、焦って心配ばかりしていつも冷や汗かいてました。でも輸出回数を重ねると、頭の中で段取りが組めるようになり、要領よく輸出作業を進めることができるようになりました。

IBP修了後、就職活動はいつ頃から始めましたか?

社長からH1ビザの打診も頂きましたが、日本社会でジブンを試したいと感じるようになり、予定通りJ1トレーニング終了後、日本に帰国。就職活動は帰国する2ヶ月前ぐらいから始めました。日本にもどってからも同じForwarderで働こうと思っていたので、シアトルにいる間、ずっとネットで会社検索をしていて、興味をもった会社には履歴書を送っていました。その一方で自己の見直しをしていました。何が自分の強みか、どういう風に履歴書に書こうかということを考えていました。日本に戻ってからはシアトルでお付き合いのあった会社の中途採用面接を受けたり、シアトルが本社の同業界の会社の日本支社に履歴書を送ったりしました。業界専門のWEBを偶然発見してからは、日本の倉庫会社から外資系のForwarderまで幅広く探し、自分が興味を持った会社に履歴書を送ることから始めました。

就職活動では、IBPでの経験をどのようにアピールしましたか?

ジブンがいる業界は「英語ができて当然」という風潮があります。中途採用となるとなおさら英語+αの経験が問われ、同じ業界でインターンもやっていたというのは強みになりました。受身の姿勢から積極的に仕事をする姿勢をインターンで学んだこと、J1ビザトレイニーとしてやっていた職務内容をアピールしたら、試験官は興味ありそうに質問してきました。「シアトルでフォークリフトを運転して倉庫作業をしていた」とアピールするとたいていの面接官は驚いていましたね。日本だと免許必須で、フォークリフトを運転するのは現場のおじさんたちが多いですから。面接官には印象は少なからず残っていたと思います。変わっている人だな~みたいな。

日本で就職したのはどんな会社ですか?

New Yorkに本店がある外資系の海上貨物輸送会社です。NVOCC複合一貫輸送会社とも言います。ここでの仕事は輸出コーディネーターでした。お客さんとの交渉、倉庫との交渉、船会社との交渉、海外オフィス・代理店への連絡及び交渉、香港ITオフィスの同僚の助手となって、会社のサーバーが壊れた時に、香港に電話をして指示をもらいながらPC周辺機器及びサーバーを修復したりしました。

仕事で、留学やインターン体験が活きていると感じるのはどんな時ですか?

トラブルが発生しても、頭の中で対処プロセスを考えて冷静に柔軟に対処できる。粘り強く、しり込みせず、外国人と交渉する。仕事に余裕がある時は力仕事も含めて同僚を助ける。仕事の業務を真剣に前向きに考えて上司に意見を伝えるなどのほか、自分の意見を言葉に出して伝えることができるようになりました。

IBPの経験は、早川さんの価値観やキャリア形成にどのように影響したと思われますか?

同期やホスト、学校の友達、インターン先の会社、足のケガを通して、留学前は気づかなかった自分の弱さや、当時の自分には足りないものを気づかせてくれた1年間だったと思います。英語のスキル向上やインターンの経験以上に、人との関わり合いにおいて大事なこと、自分の人格形成において大事なことをたくさん学んだと思います。

留学中に経験した印象深いエピソードがあれば、教えて下さい。

アキレス腱断裂によってアメリカで生涯初の全身麻酔の手術をしたことです。朝のジムで、準備運動せずにバトミントンをしていて、調子にのっていたらアキレス腱をブチっと切りました。それ以来、当時のICCシアトルオフィスのみきこさんをはじめ、ホスト家族、同期にいつも助けてもらいながら生活していました。松葉杖生活2ヶ月半、リハビリ3ヶ月、1人じゃ学校にも行けない、家にも帰れない中で、周りの友達やホストが送り迎えをしてくれました。人間は1人じゃ生きられない、助けを求めるために自分が素直になることが必要だということも学びました。あとは、BCC図書館横でサッカーをした時、ジブンが持ってきたビデオカメラで青春ショートムービーをつくりました。だいたいのストーリーの流れを決めてから、演技と台詞は各自が好きなようにやりました。この映画はこれまた意外におもしろい、というか、参加IBP同期連中の演技が真剣でおもしろい。一生の思い出映画をつくることができて幸せでした。

今後の展望や将来の夢を教えてください。

先日会社を退職し、青年海外協力隊としてケニアに2年間派遣される予定です。初めて日本で働いた会社では伸び伸びと仕事をさせてもらっていましたし、一番の若造ということもあり上司や同僚には可愛がってもらいました。自分がいた業界は特殊で、まだまだジブンの知識や経験は発展途上でした。仕事には多少の不満はあったけど、総じて言えば楽しかった。一方で、ジブンの原点に戻ったとき、常に国際協力ということがひっかかっていました。発展途上国の現場にいって自分の目で実際に見てきて、自分のできること、専門性を見つけたいとずっと思っていました。とりあえず今の会社には3年はいようと思っていましたが、ジブンの気持ちに正直になった時、今が動く時だと思い、昨年の秋に協力隊に応募しました。現地の人と共に働き学ぶなかで、2年後、ジブンの専門性+方向性をみつけだせたらと思います。明確なVISIONはケニアにいる間に作っていきたいと思います。また、現地で身につけた知恵とか日本にはない現地のよいところを日本に還元できたらと思います。

ジブンの机。汚いでしょ

ICCへの感想やサポートなどで印象に残っていることは?

シアトルICCオフィスの中でも、個人的にお世話になっていたのはみきこさんでした。アキレス腱を断裂した時、緊急病院に連れていってくださったり、早朝の手術にも立ち会ってくださったり、ギブスをはずす時、リハビリの時も立ち会ってくださった。ケガをして不安だったジブンを安心させてくれて、現地の親みたいな存在でした。また、みきこさんは真剣に自分と向き合ってくれるから、インターンで悩んだとき、人間関係で悩んだとき、素直に自分の気持ち、ジブンの弱さをみきこさんにはさらけ出すことができました。彼女の懐の大きさにはジブンだけはなくIBP31期全員あたまがあがらないと思います。みきこさんの存在があり、アドバイスがあったからこそ、インターンを乗り越えられたし、変化のきっかけもつかめて今の自分があると本当に思います。IBPが修了し、J1トレイニーでシアトルに戻ってからも面倒を見ていただいて、みきこさんには大変感謝をしています。

IBP参加を希望している方々に向けて、アドバイスをお願いします。

日常生活や学校生活、そしてインターンでは楽しいこともあれば辛いこともあると思います。もし何か問題に直面したら、悲観的にとらえたり、否定的にとらえず、ちょっとひと呼吸おいて、それはいいチャンスだと思ってください。自分が一歩成長できるチャンスだと思ったら、目の前の問題なんてたいしたことじゃなくなりますから。心配することないと思います。ジブンは散々壁にブチ当たってきましたけど、今思えばそれはジブンにとって変われるいいチャンスだったし、今は巡りめぐって自分が望む道を進んでいると実感しています。あとは、楽しいことを見つけられたなら、それを心底一生懸命楽しんでください。楽しいことを見つける楽しみも味わってきてください。留学生活ではやっぱりジブンが楽しめることが一番大切だと思います。

*体験談の内容は寄稿時の情報です。

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