加藤光軌
就活中の面接で、IBPプログラムが話題になったことも
中国語の授業で講師とクラスメートと
大聴衆の前でのプレゼン
友人といったイエローストーン国立公園
インターンの上司と同僚
大学を休学してプログラムに参加しようと思った理由を教えてください。
高校時代から英語の教師になることが夢で、大学入学前から最低1年間の英語圏留学をしたいと考えていました。大学の友人からIBPプログラムのスカラシップを紹介されたのですが、ビジネスを基礎から学べるだけでなく、現地学生と一緒に大学の授業を受講できるうえにインターンシップに挑戦できるこのプログラムは大変魅力的で、その日のうちに応募書類を書きました。
ベルビューカレッジコースを選択したのは?
現地学生とともに、さまざまな分野の学部授業を受講できる点と、ベルビューカレッジ特有の少人数制授業が決め手でした。大学では国際関係学を専門にしていたのですが、大講義室で教授のレクチャーを受けるだけの留学より、各国から集まったクラスメートとのディスカッションが頻繁に行われるような授業体制に身を置いた方が、専門分野への理解を深めるだけでなく、コミュニケーションスキルが磨かれると考えました。
1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
将来の進路決定が留学の最大の目的であり目標でした。海外にも活躍の場を広げていきたいという思いがあったので、現地で暮らす邦人の方々や留学で出会った仲間たちと交流を深め、多様な考え方に積極的に触れていこうというモットーを掲げていました。
語学力アップのために、心がけていたことはありますか?
授業への参加や課題に対して妥協を許さない、このひと言に尽きると思います。英語が母国語でない分、何をするにも何倍もの負荷がかかるので、「面倒くさい」とか「楽しよう」と思いがちです。最初は、授業中に挙手をして発言するのさえ億劫でしたが、それでは何のために休学までして留学したのか分からない。そう自分を奮い立たせました。そうするとだんだんと膨大な課題にも慣れてきました。
印象に残っている授業はどんな内容でしたか?
一番印象に残っているのは中国語の授業です。英語で中国語を学ぶ、外国語で外国語を学ぶので、慣れるまでは「英語」「日本語」「中国語」の3つの言語が頭の中で渦巻いて、思っていた以上にパニックに陥りました。教授法は英語母語話者用に作られているので、日本人の私にとっては、何を言っているのかさっぱりだったり、たまに簡単すぎたりしました。しかし、言語の規則性を見出したり、ネイティブならではの質問を聞いたり、外国語を外国語で学んでいるからこそのおもしろい発見もたくさんありました。こういった多様な授業を履修できるのもベルビューカレッジコースの強みではないかなと感じます。
インターンシップ体験について教えてください。
インターン先は、Foundation for International Understanding Through Students (FIUTS)というワシントン大学の学生をターゲットに活動している教育系NPOです。ワシントン大学と繋がりが深く、アメリカで最も歴史のあるNPO法人のひとつでした。アメリカの新卒の学生の人気就職先ランキングには、多くのNPO法人が入っているそうなのですが、日本ではNPO法人でのインターン体験はなかなか経験できないなと思い、インターン先に決めました。さらに、フィールドワークやイベント企画・運営などの業務が経験できることや、同世代の学生たちとの出会いが溢れていることも魅力でした。
インターン先での加藤さんの具体的な仕事内容は?
オフィスワーク(SNS管理、メール処理、電話対応、フロントデスク対応、データ管理、オフィスサプライなど)のほか、週3日あるイベント&スタディグループの企画・運営や、サマー・イングリッシュ・プログラムの企画・運営に携わったり、ワシントン大学で学生生活をスタートさせる留学生、研究生、教授などのためのオリエンテーションの準備・運営業務などを行いました。サマー・イングリッシュ・プログラムでは、中国広州・アゼルバイジャン・ボスニアからの短期留学生を対象に、ティーチングアシスタントとしてワシントン大学キャンパス内での英語の授業を担当したり、シアトルでの文化体験活動を運営したりしました。
インターン中に大変だったことは?
ほかにも各国からのインターン生がいましたが、彼らは自分より英語も流暢で、プレゼンテーターやイベントコーディネーターなどの派手な仕事をしていました。そんな彼らを横目に、私は日々、郵便物の仕分けやメール・電話対応など、一見地味な仕事を続けていました。内心、とても悔しかったですが、どんな小さな仕事でも真摯に引き受ける姿勢を続けていました。インターンも終盤に差し掛かった頃、500人の聴衆の前でプレゼンを行うプロジェクトの話が持ち上がり、上司が指名したのは私でした。「コウキはどんな仕事でも逃げない、ちゃんとやってくれる」と言う上司の言葉に、感動のあまり身震いしたのを今でも覚えています。このプロジェクトを成功させ、上司から推薦状を頂くこともできました。信頼を勝ち得るためには地道にやっていくしかないと学んだ経験です。
インターン体験によって得たものはどんなことですか?
デスクワークの基本はもちろん、リーダーシップやイベントマネジメントのスキルが身に付いたと思います。また、中国から来た中高生の英語の授業を担当した体験からティーチングスキルも学びました。何より、大きかったのは国際交流の大切さを知ったことです。毎日、さまざまな考えや思想を持った人と出会い、親睦を深め、時には意見を闘わせることで、異文化コミュニケーション能力を養い、自らの価値観、世界観を広げることができたと感じています。
IBPでの体験によって、価値観の変化などはありましたか?
IBP留学をしていなかったら、大学を卒業して教師になっていたと思います。しかし、来春からは総合商社という業界で働くことになりました。日本各地から集まってきたIBP生と交流して、彼らの考え方に刺激を受け、将来をひとつに絞るのはもったいないと考えるようになったのです。今振り返ってみれば、留学前はまだまだ視野が狭かったなあと思うことがあり、交流を深めた同期には感謝しています。IBPプログラムにはOBOG会もあるので、こういったつながりはこれからも大切にいていきたいと思います。
大手商社からの内定を獲得されたそうですが、就職活動を振り返ってみていかがですか?
大学に復学して2ヵ月後の12月から就職活動を始めました。学内で行われた合同企業説明会で就職活動デビューした後は、特別なことはしていませんでした。OB訪問もしなかったですね。志望業界は商社中心で、他には金融、メーカー、独立行政法人も見ていました。地方在住なので、企業の説明会やセミナーに行くのも大変でしたが、将来への投資と捉えて自分の足で動き、見聞きし、感じることを大切に、自分がどのような人間になりたいのかを常に考えながらの就職活動でした。
就職活動を通して、IBP留学が有利に働いたと感じたことはありますか?
ある総合商社の面接選考で、面接官の方が「IBPプログラムかー、よく聞くなあ」とおっしゃり、IBPプログラムでの経験が主たる話題となりました。他の面接でも似たようなことがありました。海外インターンを経験できるという点で他の留学プログラムと比べて特異な性質を持っているこのIBPプログラムは、企業側の興味も大きいのでないかと感じました。
今後のキャリア形成に留学経験をどういかしていこうとお考えですか?
1年間の留学で築いた人間関係は、きっと自分にとって永遠に財産となり得るかけがえのないものだと思っています。IBP留学は、世界を舞台に働くきっかけをくれました。これからどんな壁にぶつかっても、留学時代を振り返り、初心を忘れることなく、胸を張って社会人としての第一歩を踏み出したいと思います。
ICCのサポートについて感想をお聞かせください。
1年間、本当にお世話になりました。留学中は、大学生活や私生活のトラブルや相談ごとに親身に対応していただきました。帰国後、内定の知らせを誰かから聞いたらしく、現地のカウンセラーの方から「おめでとう」というメールを頂き、とても嬉しかったです。
他のインターン生と
今後の展望や将来の夢を教えてください。
来春からは、周りの先輩方に教わりながら、焦らずしっかりと一人前の商社マンになれるよう精進したいと思います。将来は、経営にも挑戦したいと考えています。もう一つ、どんな形でもいいので、大好きな地元・石川県の発展に貢献できないかなと模索しているところです。
参加希望者へのメッセージをお願いします。
迷ったらGOです。IBPプログラムには目標を達成するための環境が整っています。そこで得る経験や出会う人々は、一生の宝物になると思います。これは私が保証します。この一歩が皆さんのもっと大きな夢の第一歩になるよう祈っています。OBOG会でお会いできることを楽しみにしています。もう一度言います。迷ったらGOです!
*体験談の内容は寄稿時の情報です。