IBPで実践的なビジネスを学び、アメリカで起業しました!
授業で学んだWEB制作を、インターン先の会社で実践
大学を卒業してすぐに留学したのですか?
日本の大学を卒業後、すぐに留学することを決めました。大学卒業後すぐに日本で働いている自分がイメージできなかったことと、ずっと憧れていた留学をしないで後悔するよりも、留学をしてみて、考え方がグローバルになれた時点でどういう道に進むかを改めて考えたいという思いがありました。
お気に入りのレストラン「Red Robin」
スカラシップに応募した理由は?
経済的な理由が一番大きいです。国際的なビジネスパーソンになりたいと以前から漠然とした思いはあったのですが、国際的に活躍するためには、日本以外の土地で実際に生活をして、その国の慣習を人・文化レベルで理解してみることが必要と考えたのが、留学の動機です。
英語に自信はありましたか?
大学時代、アイセックという国際インターンシップ斡旋の学生サークルで活動を行っていまして、海外のアイセックのメンバーと交流する機会がありましたが、ネイティブの人と対等に渡り合えるほど、英語に自信はありませんでした。そういう意味でも、アメリカで英語をもっと上達させたいという思いが強く、アメリカへの留学を決めました。留学前には半年ほど集中的に英会話スクールに通ったりして、少しずつネイティブな英語に慣れ親しむように自ら進んで機会を作ってきました。
Safeco Fieldにイチローを見に行きました!
BCCを選んだのは?
日本の大学での専攻であった経営学を、英語でもう一度勉強できることと、最後のクオーターにビジネスインターンシップのコースがあったので、BCCを選びました。また、日本で行っていた大学が、生徒100人くらいのマス講義の授業が多かったので、なるべく小さい規模のクラスで先生と生徒がコミュニケーションがよく取れるようなコミュニティーカレッジを希望しました。
卒業式の写真です
BCCでの履修科目を教えてください。
最初の2クォーターはIBPコースが全員一緒の日本人のみのクラスだったのですが、中でも面白くてユニークと感じたのは「Internship Preparation」と「Structure Writing」でした。「Structure Writing」は、英語でのライティングの構成をいくつかのパターンに分類し、そのパターンにそぐうようにひたすら英文を制作するというクラス。具体的には「結論を冒頭にまず持ってきて、理由1、理由2、以上の理由からもう一度結論を強調」というパターンとか、時系列で文章を書いていくパターン、物事を比較するパターンなどがありました。今まで英作文には苦手意識があったのですが、全体を鳥瞰図的に論理的に見渡して、その構成要素を埋めていく、という非常にロジカルな文章の構成技術を知ったことは、日本語の文章制作にも役立っていますし、今使っているビジネスE-mailなどにも役に立っています。
マリーン都市「シアトル」らしいヨットハウス
インターンシップの準備も授業で行われるんですよね?
はい。「Internship Preparation」のクラスはとてもユニークで「アメリカならでは?」と思った授業でした。実際にクラスで自分の履歴書をひたすら作ります。内容だけでなく、レイアウトの美しさやフォントの大きさなどの見栄えの部分まで、先生にチェックされるんです。やり直すのが何回めんどくさくなったことか…(笑)。後半の授業では、インターン先をゲットする実用的なテクニックを教えてもらいました。図書館に行って、Company Directoryを見つけて気になる企業をピックアップし、ひたすら履歴書をFAXする。FAXをした数日後にフォローアップの電話を入れて、面接の段取りを取る。こういう実務的な作業を教えてもらいました。これはその後の就職活動や営業スキルにも役に立っていると思っています。
Native Americanの島「Tillicum Village」
学部授業で選択したのは?
3クォーター目はアメリカ人を含む他のBCCに通っている一般生徒と一緒のクラスを取ることになっていたのですが、私は今までチャレンジしたことのない「心理学」と「WEB制作」と「ミュージカル」と「パブリックスピーキング」のクラスを取りました。経済や経営の授業ばかり取ってきた私にとって、人文系のクラスを取ることは憧れだったので、このクォーターは本当に楽しくて仕方なかったです。「WEB制作」はマイクロソフトのお膝元だけあって、充実した施設でHTMLの手打ちとCSSの知識、フォトショップまで使えることができるようになりました。授業のわかりやすさとクラスの質に関しては本当にお勧めです! WEBの知識ゼロだった私が、3ヶ月でWEB制作ができるようになるなんて、本当に感動しました。「ミュージカル」では、Jesus Christ Superstarを演じました。シアトルではミュージカルがとても充実していて、ダウンタウンに頻繁に見に行っていましたが、それが高じて、演じるのもやってしまいました。今でもたまにJesus Christ Superstarを口ずさんでしまいます。
HalloweenにBloody Doctorというテーマで。ホストファミリーが本物の医者の服を貸してくれて、血のりをべったりとつけてくれました
インターン先は?
Online Video Serviceという会社で働かせていただきました。実は、私がIBPメンバーの中で一番最後までインターン先が見つからなくて、先生にはかなり心配をかけました。私も「もうだめか!」と思って一瞬くじけそうになりましたが、最後の最後にとっても素敵なインターン先を見つけることができました。この会社は立ち上げたばかりのベンチャー企業で、履歴書を送った後、社長さん自らがコンタクトをしてきてくれました。しかも「ちょうどBCCの卒業式の様子をWEB Castingしたばかりなんだよ」という偶然も重なって、BCCの生徒であった私を快く受け入れてくださいました。WEBデザイナーとして入り、サイトの改良やメンテナンスを担当。ベンチャー企業なので、必要とあれば一緒に撮影現場に同行したり、クライアントに納品物をお届けに行ったりと、アシスタント的な仕事もしました。一度、ヒラリー・クリントンの演説を放送したことがあって、ヒラリーを目の当たりにしたことは感動しました。
スターバックス1号店
現在はロサンゼルス在住ですね。
IBP修了後は日本に戻り、ある商社でWEBデザイナーとして働きました。その会社の社長さんの応援を得て、2005年にロサンゼルスで起業しまして、現在は女性向けのハイヒール類やクラブ・ダンスウェアなどの輸出卸業をしています。チャレンジングなアメリカのビジネス環境で自分の力を試してみたかったのと、以前に滞在したロサンゼルスの開放的な気候にひきつけられて、また戻ってきてしまいました。
IBPでの体験が大きなチャレンジに結びついたようですが、ご自身ではどうお考えですか?
IBPで得たことは、キャリア以外にも生き方や人生観にいたるまで、本当にたくさんあります。キャリアの点でいえば、実践ですぐ使えるビジネス上の実務的なスキルを学べたことが、アメリカで仕事をしていく上で非常に大きな自信となりました。電話のかけ方からビジネスレター書き方、アメリカのビジネス慣習など、体系的に身につけることができました。また、WEBデザインを学んだことで、ビジネスの表現の幅が増えたと思います。
今後の仕事の展望や夢を教えてください。
好きなアパレルブランドをどんどん開拓して「これだ!」と思う商材を扱い、楽しく仕事をしていきたいと思っています。まだまだ立ち上げたばかりですが、自分が好きなことをやって楽しく仕事をしていけば、同じ興味に共感してくれる仲間が自然発生的に現れて、楽しく仕事をしていけると考えています。将来はアパレルブランドに限らず「これはよい!」と思った商材を世界中で探して、日本に紹介していけるような仕事をしていきたいです。
IBP参加希望者に向けて、アドバイスをお願いします。
1年間はあっという間です。ちょっと迷っていたり、ためらっていることがあっても思い切って参加されてみることをお勧めします! 初めて海外生活をする方にはカルチャーショックによるストレスなどもあるかもしれませんが、多様性を受け入れられる柔軟な価値観を持って留学に臨めば、きっと楽しい留学生活を送ることができると思います。経験は何事にも代えがたい貴重な財産。特に国際ビジネス分野で活躍したい方にとっては、IBPコースは質実ともにとても中身の詰まった経験を与えてくれるものだと、私自身、体験して強く感じました。
*体験談の内容は寄稿時の情報です。