長期的な目線を持って努力することの大切さを学んだマレーシア留学
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
私が留学をしたいと考えた時、語学留学・大学留学・海外インターンの三つが候補に上がりました。このプログラムに参加する前に、セブ島に1ヶ月語学留学をしました。そこで、語学留学の雰囲気が掴めた為、候補から語学留学を外しその他の二つで検討していました。
期間として、海外に長期で滞在し、海外での暮らしや文化を肌で感じたいと思っていたので、1年間のプログラムを探していました。
IBPは大学留学と現地インターン両方1年のプログラム内で行える点が、私の希望とマッチしたため、参加を決めました。
留学先を選択した理由を教えてください。
金銭面を考慮し、マレーシアかオーストラリアの二択で考えており、最初はオーストラリアに行こうと考えていました。理由として、自然豊かな環境に惹かれ留学中で勉強に専念することができると思ったからです。そして、先進国であるため、治安の面でも安全と考えました。
しかし、急成長中のアジアに身を置いて日本では味わえない雰囲気を体感したいと思いマレーシアに決定しました。セブ島に1ヶ月留学した際に、日本では感じることができない国全体のパワーに圧倒されそのような環境にもう一度飛び込んでいきたいという思いがありました。
留学前はどんな準備をしましたか?
英語力の強化として、リスニングに力を入れました。座学での勉強があまり得意ではないため、毎日海外ドラマやTED Talkを見て耳を慣れさせました。
そして、休学をせずに三年の夏からの留学だったため、就職活動に向けて自己分析を行いました。
留学に関する目標作りも行い、モチベーションを高めるよう努力しました。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
想像以上に便利で驚きました。特に大学に隣接するSunway Pyramidはマレーシア内でも二番目に大きなショッピングモールで、買い物はここにいけば完結するのがとても楽でした。
ダイソーやユニクロ、無印良品などの馴染みのあるブランドがたくさん入っていたため、生活を新しく始めるのにも役立ちました。すき家や銀だこ・吉野家などの日系飲食店もあるため、食事の面でも安心することができました。
そして、寮であるSunway Monash Residenceと大学が遊歩道(キャノピーウォーク)で繋がっている点が夜間でも安心でした。夜遅くまで学校で勉強していても不安が少なく寮に帰ることができました。
寮には、サンウェイ大学の学生だけでなく、寮に隣接するモナッシュ大学の学生も住んでいて、大学を超えた交流の場でした。
サンウェイ大学はクアラルンプール市内からだと車で20-30分ほどかかるのですが、ほとんど市内に出る必要がないくらい便利で快適に生活できました。
キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?
私の在学している大学と比べると、学生が勉強しやすい空間に設計されていると感じました。勉強するためのスペースが多く、深夜までたくさんの学生が自習しているのを見て、私も負けてられないなと感じていました。図書館も深夜2時まで開いているので夜遅くまで利用することができました。校内にスターバックスがあり、空いた時間や一息つきたい時に利用できます。
クラスも少人数の授業が多く、教授がきめ細かい指導をしてくれました。私が履修したクラスでは、10名ほどのクラスから、多くても30名だったので質問や相談がしやすかったです。日本の大学だと、少人数の授業が稀だったのでとても新鮮でした。
そして様々なテクノロジーが導入されていました。図書館に入る際の顔認証や出欠確認をオンラインで行うといった点が日本の大学よりも進んでいると感じました。新型コロナウイルスで行動制限が必要になった際も、以前から授業で使用されていた授業支援システムを利用してオンライン授業に円滑に移行しており、実際に日本の大学よりもIT化が進んでいました。
環境に配慮され、校内ではペットボトルが販売されていなかったのが驚きでした。しかし、各階に浄水器が設置されていたので、各学生それぞれ水筒を持ち歩いて利用していました。
キャンパスも比較的新しく綺麗でした。しかしWi-Fiの弱さやエレベーターの少なさはもっと改善の余地があるのではないかと思いました。
学部授業ではどんな科目を選択しましたか?
前期・後期合わせて8つの授業を履修しました。
日本の大学での専攻でもある、経営学を中心に興味のある授業を履修しました。
1学期:エッセイライティングの基礎 (Fundamental of college writing)・アメリカの歴史( U.S. History since 1879)・経営学の基礎 (Introduction to Business)・留学生必須の授業でマレーシアのことについて学ぶ(Malaysian Studies)
2学期:グローバルな視点での経営学(Introduction to Global Business)・マクロ経済学(Macroeconomics)・アメリカの歴史(U.S. History to 1877)・中国語(Mandarin 1)
特に興味を持って取り組んだ授業とその感想を教えてください。
上記であげた授業の中で、一番興味を持ったのはU.S. History です。私は、歴史を学ぶ事が好きで、特にアメリカ史に興味を持っていました。日本の世界史では、ヨーロッパを中心にまとめられている事が多かったため、アメリカを軸に世界との関わり方・栄枯盛衰を深く学ぶことができとても興味深かったです。特に、第二次世界大戦を授業で学んだ際、アメリカ側から見た日本を知る事ができたのは良い勉強でした。
そして、この授業ではクラスメートに向けてのプレゼンが2回ありました。英語を使う人にプレゼンするという経験は、私にとって留学中の挑戦の一つでした。何時間もかけて文章を考え、何度も練習したのは大変でした。しかし、時間をかけたおかげでプレゼンスコアは満点をもらう事ができ、とても嬉しかったです。
IBPビジネストレーニングはいかがでしたか?印象に残っている内容と感想を教えてください。
ICCが主催するビジネスセミナーのなかで一番印象に残っている内容は、Wi-fi事業をマレーシアで起業した方のお話です。異国で事業を始めるのは難しいと考えていたのですが、自分の持っているwi-fi端末をレンタルしたのが始めとのお話を聞いてとても強い衝撃がありました。自分も大きなものを描いてから行動するのではなく、とりあえずやってみるというマインドを持とう!と決心しました。ビジネスセミナーの開催時期がかなりの偏りがあるのが少し残念でした。
留学中に参加した課外活動(サークルやアクティビティ)はありますか?
現地の中国語スクールに入学し、2ヶ月中国語を学びました。
課外活動から得たものは何ですか?
大学生以外の人たちと授業を受け、勉強に対するモチベーションが上がりました。毎週土曜日の午前中にクラスがあったのですが、休日にスクールに通う社会人の方々を見て新しい事を始めるのに忙しさや年齢は関係ないと感じました。そして、その姿を見てやりたい事は行動第一だと気付きました。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
私がコミュニケーションを取る際に意識した事は二つあります、相手に対して興味をもち質問する事と、共通の話題を勉強する事です。留学を始めた当初はバックグラウンドが異なる人と会話をするための話題が見当たらず、会話を続ける事が難しかったです。そのため、相手が興味を持っている事を聞きそれについて質問したり、教えてもらう事で相手との距離を縮めるよう意識しました。
そして、以前観賞した映画や海外ドラマなどの話題は、とても盛り上がりました。その経験から、マーベルシリーズやNetflix等の世界的に有名になっているコンテンツは積極的にチェックするようになりました。
インターンシップ先について教えてください。
インターン先を選ぶ際に、英語を積極的に使いたいけれど、社員全員が現地の方だと不安だと考えていました。業種は元々興味を持っていたIT系の営業で考えていました。この条件をオフィスに相談し、インターン先の会社を紹介してもらいました。
面接は日本語でしたが、仕事では英語を主に使用していました。社員数は7名(日本人2名・現地の方5名)でした。私がインターンを行ったAsia Quest Malaysiaは、日本に本社があり、マレーシア支店として2019年に設立されました。主に、Kintone(サイボウズ社とライセンス提携)の販売・Webサイトの構築を行っていました。
新型コロナウイルスによる行動制限が発令された後のインターンだったため、オフィスに出勤するのが週3・リモートが週2というスケジュールでした。出勤した時のお昼は毎回社員の方達に誘ってもらったのがとても嬉しかったです。積極的にコミュニケーションをとっていたので、英語の会話力が飛躍的に向上しました。
オフィスがクアラルンプール市内のWeWork(シェアオフィス)内にあったので、他社で働いている様々な人と関わる事ができました。日本での就職活動を並行しながらのインターンだったため、様々なバックグラウンドの人たちと関わり、思考の幅だけでなく将来の選択の幅が広がったと感じています。
そこではどんな仕事を担当しましたか?
主にプロジェクトマネジメントを担当しました。
JNTO主催のウェブサイト構築に関する競合コンペ案件を託され、獲得するために尽力しました。具体的に、デザインを担当するクライアントとインターン先の開発担当者を繋ぐ橋渡しのような役割を担いました。期間は約1ヶ月でした。クライアントは日系だったので、日本語でミーティングを行い、その内容を英語に直して開発担当者に伝えていました。
ウェブサイトデザインやクライアントの希望を言葉で表現することが難しい場合も多く、似たようなデザインや機能をインターネット上で探していました。それに加え、私はウェブサイト構築の知識が皆無だったため、開発担当者にひとつひとつ確認しながら作業を進めました。
最終的にコンペに通り、9月から2月までJNTOのホームページで採用されることになりました。
プロジェクトマネジメントの他に、Kintoneの営業を1社経験しました。担当は日系クライアントだったのですが、現地の方もいたので英語でプレゼンを行いました。大学授業で行ったプレゼン経験が役に立ったと感じました。
空いた時間には、資料作成を行っていました。
インターンで苦労したこと、そこから学べたことを教えてください。
正しい英単語を使う事に苦労しました。クライアントからの要望を英語で伝える際に、細かな表現の仕方が重要になる場面が何度かありました。その際、ニュアンスをより正確に伝えるための言葉選びが難しく、自分の英語力がまだまだだと再認識しました。これを機に、英語の細かい表現を気にするようになりました。
日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。
ビザの取得から現地のサポートを最後まで手厚くサポートいただいたことに感謝しています。
特に、現地のICCオフィスのスタッフには、とても親切に1年間きめ細やかなサポートをしていただきました。おかげで安心して現地の生活を送る事ができました。
留学前、留学中そして帰国後にIBPキャリアサポートをご利用された場合は、その感想を聞かせてください。
一度Skype面談とレジュメの添削をお願いしました。ただ、自分が思い描いていた情報が得られなかったのが少し残念でした。もし可能であれば、レジュメの書き方や適した言葉遣い・文構成等の就活に直結するセミナーを開いて頂きたかったです。
これからのキャリアにIBPの経験がどうプラスになりましたか?
私は海外で働くというのが将来の夢のひとつです。今回IBPプログラムに参加して、多くの海外で働いている日本人に出会いました。その方々を見て、海外で生活するというロールモデルを間近で知る事ができたのは自分にとって大きな収穫でした。そして、現地インターンを通して自分でも海外で働く事ができるという自信がつきました。それに加え、私の振る舞いひとつで日本人というイメージが決まってしまう場面が何度かあり、海外にでたら日本人として生活しなくてはいけない一種の責任感を覚えました。
留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?
一番変わったのは、時間の使い方です。留学に行く前は、アルバイトや学校で人と関わる時間が大半で、自分を高める時間を疎かにしていました。しかし、留学先で知り合いも少なく自分自身で時間を埋めることに直面しました。その時に初めて「自分が今何したいか」「どのような人になりたいか」を考えて、時間を使いました。
大多数の時間を自分と向き合って1年間過ごしたのが、とても貴重な経験になったと同時にマインドが変わりました。
その他に、長期を見据えて努力する事です。留学前は、短期的に結果が出るものが好きでした。例えば、一夜漬けで勉強して高得点を獲得する事やアルバイトで一ヶ月後にお金として報酬をもらうなどです。しかし、現地の大学で始めはついていくのが必死だった授業でも毎日復習をしていると、最後の頃にはある程度の知識が付き授業が楽になったことを実感しました。この経験から、小さな事でもやり続けていれば必ず力になって自分を助けてくれることを学びました。
IBP留学を希望している人に向けて、アドバイスをお願いします。
1年の留学でも大学とインターン両方ができ、他にはない経験ができるプログラムです。
実施国は4カ国と多くはないですが、留学に行きたいが国のこだわりはない人・ただの留学では嫌な人にとてもおすすめです。
もし、マレーシアが発展していない国だと思う人はぜひ参加してください。世界・アジアから見た今の日本の立ち位置がリアルに感じられます。イスラム教だから心配という方、ぜひ参加してください。多民族国家で過ごす一年は、宗教とは何か・他者、他文化を受け入れるとは何かが見えてくると思います。
少しでも将来につながる経験がIBPプログラムで培う事ができますように。