テレビ番組制作会社でインターン体験。面接時には、行動力と英語力をほめられました。
日本語授業のボランティアも体験
「introduction to business」のFiona先生の家にお招きいただきました
IBP同期の友人とコスプレして、アニメの祭典であるSakura conventionに参加。
インターン先で発行している情報誌「ソイソース」には、企画記事を大きく載せていただくことができました。右は、冬休み中に訪れたカリフォルニアの旅行記。成果を形にして残せたのはいい思い出です
大学を休学して、プログラムに参加しようと思った理由を教えて下さい。
これまで英語ばかり勉強してきたので、何か他のことを勉強したいと思ったのがきっかけです。幼い頃から英語を習い始め、大学も文学部英米文学科で日英通訳・翻訳と英語教育の勉強をしていますが、大学に入ってから、英語を語学として極めていくのではなく、英語で世界の政治や経済について勉強したかったのだと気がつきました。転部や他大学の再受験を考えていたところ、IBPスカラシップ留学生募集のポスターを見つけました。このプログラムなら、英語をツールにしてさまざまな勉強ができると思い、参加を決めました。
BCコースを選択した理由は?
好きな学部授業を受講できるということと、ビジネスを基礎から勉強できると考えたためです。また、昔からアメリカ英語を習っていたので、留学するならアメリカに行こうとは思っていました。
1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
「TOEIC900点以上取得」「IBPのカリキュラム以外にも何かに打ち込む」「今後の進路を確定させる(転部・再受験・アメリカに残るなどの大学の進路と、将来の就職を含めた進路)」、これら3つを達成することを目標にしていました。
語学力アップのために、工夫したことは?
バスの中でも、スーパーでも銀行でもインターン先でも、周りの人の会話をずっと聞き取るようにしていました。たとえばスーパーでは店員さんがお客さんにどのような言葉を使って接客しているのかを聞きました。インターン先では、アメリカ人ボスが私の隣でよく電話をしていたので、何か気になる単語や言いまわしを聞くと「今の会話の意味は何?もう一回言って!」と教えてもらいました。途中からはボスの方からアメリカ人特有の会話表現を教えてくれるようになりました。 他には、あらすじを知っている小説を英語版で読む、映画やテレビをみる、ボランティアやダンススタジオに通って人と話すなど、とにかく自分が楽しいと思うところで語学力をアップさせようと思っていました。新しく知った単語や表現は、英英辞典で意味を調べて、手帳にメモしておくようにしました。留学前のTOEICは860点でしたが、留学して9ヶ月目に受験したTOEICでは915点でした。伸び幅は大きくないですが、リスニングで満点を取ることができ、達成感を感じました。
留学先で特に印象に残っている授業はどんな内容でしたか?
「Introduction to mass media」と「Ballet」の授業です。「Introduction to mass media」は、テレビ・ラジオ・音楽・映画などのさまざまなメディアの普及を学んでいく授業で、メディアに興味があり、音楽や映画が大好きな私にはとても興味深い内容でした。一方で宿題がとても多くて大変でした。授業内の小テストに加え、映画レポート、番組企画書(出演者や内容まで細かく決める)などクリエイティブな課題が多かったです。当初は先生が何を言っているか全くわかりませんでしたが、「なんでもいいから1日1回発言する」をモットーに、なんとか食らいついていきました。 「Ballet」は、他の授業の良い息抜きになりました。この授業でバレエの面白さに目覚め、アメリカではくるみ割り人形とドンキホーテの舞台を観に行きました。
何かボランティアはしましたか?
2件目に住んだ家のオーナーが、ベルビューカレッジの夜間クラスで日本語教師をしていた縁で、彼女のクラスで週2回ほど日本語ボランティアとしてお手伝いしました。プリントのコピーなど事前準備をしたり、授業中はきちんと文字が書けているかをチェックしていました。上級のクラスでは会話の練習相手になりました。日本で流行っていることを話す機会もあり、言語だけでなく文化も教えてあげられる貴重な機会でした。 このボランティアを通して、アメリカでは社会人への教育が整っており、働きながら学び続けることが求められていると知りました。授業にはマイクロソフトやGoogleに務める方が、仕事の後に一生懸命勉強しているのを見て、励まされました。
インターン体験(具体的な仕事内容)について教えてください。
放送業界に関連する仕事を経験してみたいと思い、私が興味を持っていたドキュメンタリー番組を中心に制作しているテレビ制作会社のScreaming Fleaでインターンを始めました。Screaming Flea Productionsでは、番組制作にあたってのリサーチと、書類やDVDのコピー、ビデオの文字起こしが主な仕事。上司が探している画像や情報をひたすらネットで探し、リサーチしました。番組出演者を決めるための企画会議を見学させていただいたり、映像の編集作業の様子も見せてもらいました。
インターン中にどんな壁にぶつかりましたか?
Screaming Fleaでインターンするにあたり、テレビ制作の現場の一線を見せてもらえるものかと思っていたのですが、意外とデスクワークが多く、制作の現場に深く関わることができませんでした。ひとつでも多くを学んで帰りたいという気持ちが大きかったため、とにかく自分の存在をアピールすることに徹しました。社内メールを回して勤務時間を社員に教え、仲よくなった社員には「会議を見たい」「編集作業の現場を見たい」とお願いして見せてもらっていました。おかげで貴重な制作現場を見せてもらえる機会が増え、受け身では何も始まらないことを改めて実感しました。
インターン体験によって得たものはどんなことですか?
セルフスターターになることです。自分から積極的に声をかけ、企画をしていくことで任せてもらえたことが多かったです。現状の自分にできることにプラスして、「ちょっと頑張ったらできそうなこと」を発信していくことが大切だとわかりました。
IBPの体験によって、自分自身が変わったと思うところは?
現状に甘んじないで、一生学び続ける努力をしようと思いました。各国からの留学生や、IBP参加者、働きながらキャリアアップのために勉強を続ける人たちに出会い、英語力や日本の大学の学歴だけでは世界に通用しないと強く感じました。 日本の大学での勉強だけでは物足りずに留学を決めましたが、日本で人脈を広げて新しい学びを得る努力をせずに、不満を言っていた自分が恥ずかしくなりました。留学したことでこのような気づきがあったので、帰国後はもとの文学部に復学しました。同じ場所で、自分がどこまで新しい学びを得られるのかチャレンジしてみようと思ったからです。 帰国後もボランティアなどに参加し、人との出会いの場を作る努力を続けています。教育業界への就職が決まったので、教育に関しては世界のどこでも専門家でいられるくらいの知識を付けて頑張りたいと思っています。
ホームステイとシェアハウスを体験されたそうですが、それぞれのメリット、デメリットを教えてください。
ホストマザーはポーランド人で、韓国人男性との間に生まれた子供(女の子、男の子1人ずつ)と3人で暮らしていました。ポーランド、韓国、アメリカ3つの国の料理や文化に触れることが出来たのはいい思い出です。ホストマザーの友達も、アメリカではマイノリティと言われる人たちが多く(ポーランド人、アラブ系など)、彼女たちやその子供たちがよく家に遊びに来ていて、アメリカのダイバーシティを生で感じました。 ホームステイのデメリットとしては、子供が小さかったので、生活時間帯がなかなか合わず、家族の行事にあまり参加できませんでした。あとは、ちょっと言いにくいのですが食事です。自分の好きな時間に好きな物を食べるのはまず難しいです。 その点、シェアハウスでは、日本食材を買って料理をすることができたのがよかったです。
大学に復学後、いつ頃から就職活動を始めましたか?
3月に帰国し、4月から3年生として復学。3年の夏に就職活動をスタートし、外資系企業の面接を受けました。留学時に就職活動をしている友人を身近に見ていたため、帰国直後から自己分析をしたり、サマーインターンの説明会に足を運んで、業界を幅広く見てイメージをつかむようにしました。同年の夏には新聞社での1週間のインターンにも参加しました。秋以降はOB訪問を始めて、エントリー予定の具体的な企業をリストアップ。12月から本格的にエントリーシートの提出や選考が始まり、説明会への参加とOBOG訪問をしました。翌年の3月には現在の内定先のインターンに参加し、4月に教育関連の出版社から内定をいただきました。
ICCのサポートについて感想をお聞かせください。
シアトルにいるときはホームステイ中のトラブルや学校でのことなど、なんでも聞いていただき、大変お世話になりました。日本でも、留学前のオリエンテーションから、帰国後の就活セミナーまで、いつまでも気にかけていただいたことに感謝しています。
IBP同期とラスベガス・グランドキャニオンに行きました。私たちの期は本当に皆仲が良く、アメリカ滞在中は毎月誰かのバースデーパーティーを開催していました。日本に帰った今でもよく会っています
今後の展望や将来の夢を教えてください。
世界のどこでも生きていけるようなビジネスパーソンになりたいです。IBP留学中は、たくさんの人に会いました。高校の先輩である国連職員、大学で日本語を教えている人、日系商社の駐在員など…。彼らは日本人でありながら、自分の仕事に情熱をかけて、アメリカでの生活を楽しんでいました。私も彼らのようになりたいと強く感じました。そのためには、IBPで培った行動力やバイタリティ、度胸、謙虚であることを忘れずに、来年春から社会人として頑張っていきたいです。
IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
IBPに参加して、自分の至らない部分に気づきました。あの1年ほど、自分について考え抜いた日々はありません。今の学校、職場での生活がこのままでいいのかな、と思われている方、ちょっと立ち止まって自分について考えてみたい方は、プログラムに参加すれば道が開けることもあると思います。そしてIBPの何よりの価値は、用意されたカリキュラムではなく、そこで出会う人でした。IBP同期、他国からの留学生など、留学中はひとつひとつの出会いを大切にして、楽しんでほしいと思います。
*体験談の内容は寄稿時の情報です。