留学での経験をもとに海外での進学を決意
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
英語とビシネスを、大学・インターンという二つの舞台で体系的に学ぶ事ができるからです。当時、インドネシアでのボランティアを契機に、海外を舞台にソーシャルビジネスを展開する事を将来の目標として掲げており、それには国際舞台で通用する国際コミュニケーション力とビジネスの基礎知識・実践経験が必須だと考えておりました。この二つのニーズ双方を満たすプログラムはIBPの他ありませんでした。
留学先を選択した理由を教えてください。
ワシントン大学は、当然ながら米国に位置しており、参加基準が厳しく、ビジネス・アウトプット特化のプログラムがあったためです。米国は、世界の時価総額トップ企業のリストを見れば分かるように、自分が勉学したいビジネスにおいて、ダントツの強みを持っており、学びの場所としての魅力がありました。また、参加基準が厳しいものであれば、その基準を満たすための過程で成長できると考えました。上記2点において、ビジネスの実践的な力を身につけたい自分にとっては、強い魅力でした。
留学前はどんな準備をしましたか?
留学先シアトルの調査と英語力の強化です。IBP応募時点では、シアトルに関する基礎知識というのは、Ashoka Foundationが本拠地を置くことを筆頭にソーシャルビジネスが比較的盛んであること、Microsoft Amazon Starbucksといった有名企業の本社があることを知っている程度でした。この知識量だけでは現地での動き出しに遅れが出ると思ったので、参加可能な組織・イベント等の具体的な機会をリサーチしました。 英語力の強化に関しては、できるだけ多くの英語を読み・聞くことを重視して準備を進めました。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
街としてコンパクトで整っている印象を受けました。「アメリカは広大で、なにもかもがデカい!シアトルも、きっとそう!」というイメージだったのですが、実際、そんなこともなかったです。ダウンタウンには各種お店がバランスよく配置され利便性が高く、ダウンタウンから少し離れてみれば自然と調和した街並みを楽しむことができます。初日からアメリカの中でもシアトルは日本人が溶け込みやすい環境だと感じましたし、実際にそうでした。家族や友人を連れ、度々訪れたくなるような場所です。
授業で特に印象に残っているトピックはありますか?
多国籍事業のシミュレーションがもっとも印象に残っています。クラスをいくつかのチームに分け、競合し合う多国籍企業と、各国で事業を展開するローカル企業のロールを各チームに当て、それぞれ自社利益を最大にするための投資・提携戦略を計画し、実際に交渉まで行うというものでした。原材料・ロジスティクス・知財権利・市場規模に定量的なパラメータが振られ、コスト・利益計算をそれらに基づいて行い、常時変化する環境において他社と交渉・説得するという過程もあり、非常に面白かったです。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
努力というより姿勢になるのですが、自分の語学力にとらわれず自身の興味・関心ある機会があればとりあえず飛び込んでみるようにしていました。到着約3週間後、正直英語の聞き取りもままならない状態でしたが、勇気を出してStartup Weekendというチーム制ビジネスコンペに参加しました。おそらく英語力を懸念していたら参加自体を躊躇っていたと思います。このイベントで、英語が未熟でも自分が興味・関心ある分野であれば、飛び込んでも案外何とかなるし、何より体験そのものがとても楽しいということに気づきました。これをきっかけに、後々、ワシントン大学主催のビジネスコンペ・ Founder Institute(起業志望者への学習プログラム)への参加・empower.me(ベンチャー企業)でのインターン等..といった機会にも臆せず飛び込むことができました。経験に伴い、副次的にコミュニケーション力は向上していたように思えます。
インターンシップ先について教えてください。
empower.meというオンライン学習サービスを開発するベンチャー企業でインターンを行いました。そこでは、マーケティング調査、サイトページ構成、データベース構築サポートを担当しました。K-12(幼稚園から高校卒業までの13年間の教育期間)を対象とする、オンライン学習サービスでしたので、K-12に該当するユーザーがどのようなコンテンツに興味・関心があるかどうかを複数の文献・インタビューを通じて調査しました。学習に効果的なページの構成を提案し、この構成を適切にサイト上にアウトプットするためのデータベースの雛形を実際のコンテンツ例とともにエンジニアに提供しました。
インターン中、苦労したことは?
海外企業かつベンチャーという環境なので、スピードが求められ、仕事の裁量が大きかったです。達成項目とタイムラインは提示されますが、具体的に「何を・いつまでに・どのように」やれば良いのかは、それぞれのタスクに関わる分野の同僚から適切なニーズの汲み取りを随時行い、最終的には自分の判断で決定する必要がありました。時には、同僚の意見が自身の考えと合わない場合もあり、その際は、自身の意見を相手にぶつけるということも求められました。それまでは自分の意見をはっきりと相手に伝えるトレーニングを受けていなかったので、インターン初期はこの点に、特に苦労したように思えます。必要性を痛感してからは、まずは意見を伝えることから始め、率直な意見を出し合う中で、より良い改善策をつくり・実行することが徐々にできるようになったと思います。創業者とは今でも連絡を取り、キャリアへの助言を頂いています。
IBP留学後の現地進学のステップについて。
BP留学後、すぐにカリフォルニア州のクパチーノにある De Anza Community CollegeでComputer Scienceの4年生大学に編入するための授業を取り、2015年の春にUC Irvineへの3年次編入に合格しました。
就職活動の代わりに、どんな想いがあって現地での進学を希望したのですか。
留学中の冬休みの3週間ほどを使って、シリコンバレーを訪れる機会がありました。そこで、投資家や起業家、現地の学生の方とお会いしてお話しさせていただく機会があり、その中でシリコンバレーのテクノロジとビジネスの可能性に強い感銘を受け、ここがそれらを学ぶのにベストな場所だと直感しました。Founder InstituteのメンターやEmpower.meの創業者にもカリフォルニアの大学でComputer Scienceを修了することは、自分が目指す方向にプラスに働くはずだというアドバイスを受け、現地での進学に舵を切りました。
留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?
できないと思っても、やりたいことなら、まず試してみることができるようになりました。留学中は、やりたいけれどできないと思うことの連続でした。仲間と一緒に何か新しいアイデアを形にしたいと思うけれど、それを英語のみで行うなんてことは渡米直後には到底できなることではなさそうでした。しかし、勇気を出して踏み出すと、案外なんとかなる部分もあり、したいことですから純粋に楽しく行うことができました。こうした経験から、難しそうなことでもどんどんやっていこうと足が勝手に動くようになりました。