修了生の声

留学で得た人脈と経験を活かし、帰国後に英会話術の書籍を出版
留学で得た人脈と経験を活かし、帰国後に英会話術の書籍を出版
沼越 康則
出身校:出身校:慶應義塾大学 法学部政治学科
コース:ワシントン大学
キャリア:社会人
留学期間:2007年3月〜2008年10月 インターン先:Pure Image(プロモーション会社) 1980年生まれ、千葉県出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。インターン先は、Pure Image(プロモーション会社)。プログラム修了後、ビデオ制作会社でカメラマンの仕事をしながら執筆活動を行い、帰国後に「ネイティブ500人に聞いた!日本人が知らない、はずむ英会話術」(アスキーメディアワークス刊)を出版。英会話&アメリカの情報ウェブサイトを運営。

IBPに参加すれば、何かを見つけられる予感がした

授業中のプレゼンテーション。最初は全く英語が話せませんでした。数をこなすうちに上達していったと思います。やっぱり積み重ねが大事ですね

同じ学校に通っていたドイツ人の仲間とパーティーをした時の写真。アメリカにいながら、いろんな国の人たちと友達になれたのが一生の財産です。日本だけの価値観に縛られていた自分が小さく感じ、世界には素晴らしい文化がたくさんあるのだと学びました

偶然知り合いになったフランス人の知り合いと一緒に、サッカーの試合をした時の写真。この頃は全く英語が話せず、でもサッカーボール1つで仲良くなれるのがスポーツのいいところだと改めて実感しました。スポーツは凄い!

アメリカのプロウェイクボード世界チャンピオン・アンドリュー選手を取材した時の写真です。本当に楽しんで仕事をしているんだなという印象を受けました。自分中心に考えず、常にファンを優先するサービス精神に感動しました

英会話本の制作に協力してくれているIvarユsのクリスさんとの写真。アメリカのレストランでは実際にどんな会話をしているかを原稿に書いて紹介してくれました。「いろんな人の協力があって、素晴らしい作品が完成するんだ。」という事を教わりました。いくら実力があっても協力してくれる人がいないと何もできないですね

IBP修了後に、ご自身の体験と人脈を活かして英会話の本を書いたそうですね。

プログラム修了後に7ヶ月ほど現地に残っていたんですが、インターン先の社長から紹介してもらって、飛行機の中で放送する番組を制作する会社でカメラマンの仕事をしていました。その仕事と並行して、いろいろな会社や店を取材し、英会話本の執筆、 英会話&アメリカの情報ウェブサイトの制作準備をしました。

英会話の本を出そうという構想はいつ頃考えたんですか?

留学して3ヶ月くらいした頃です。本を出そうと考えたきっかけは、自分がまったく英語を話せなかったからなんです。自分は英語ができると思って渡米したんですが、考えていることが伝えられず、ぜんぜん会話ができなかった。いろいろな日常英会話本を探したんですが、どの日常英会話本もアメリカ人が実際に使うフレーズや会話が紹介されていなかったんですね。英会話学校も同じで、プレゼン能力などは磨けても、知らないアメリカ人に話しかけて仲良くなれるようなフレーズを教えてくれるところってないんですよ。それで困っている人もまわりに多くて、それなら自分で書こうと思ったんです。それから友人、お店のスタッフ、街を歩いている人たち等、いろんなアメリカ人たちに「こういう時はどう言うのか」と聞いてまわって、それを書き留めていました。

自分が言葉で苦労したことが、原動力になったんですね。

最初の1ヶ月は自分の思うようにいかなくて、本当に落ち込みました。現地の人たちとコミュニケーションを取りたいのに、自分の思いが伝えられずに自己主張できないし、相手の言っていることもよくわからない。外に出ても目的地にも行けなかったり…。「何のためにここにいるんだろう?」とへこんでしまい、それを何とか現地の友人に伝えると「それもおもしろいんじゃない?」という言葉が返ってきたんです。日本人って、すぐに意義とかを考えてしまうけど、アメリカ人は「なるようにしかならない。思うようにいかなくてもそれも人生」っていう考え方をする。おもしろいなと思いましたね。

沼越さんは、社会人経験を経て留学されたんですね。

大学時代にケーブルテレビ会社でADをしていて、卒業後は3年くらい広告代理店で働きましたが、どこか、自分の意に反したことをやっているという気持ちがありました。「何か自分のスタイルでできることがあるはずだ」と模索していた時に、本屋でICCの留学雑誌を見たんです。その中で、シアトルのサッカーチームでインターンをして、帰国後はサッカー日本代表と一緒に働いている人の記事を読んで、「これだ!」と思ったんです。IBPに参加すれば、自分も何かを見つけられる気がして、留学を決めました。

プログラムの中で特に印象的だった授業は?

マーケティングの授業の中で、アメリカの会社の成功事例を学んだのですが、アメリカ人のアイデアと行動力はすごいと思いましたね。特にインパクトの強かった事例は、シアトルの清涼飲料水を作っている会社。この会社で作っているジュースはおいしくなくて、罰ゲームで飲むようなジュースを作っています。宣伝車でいろんなところに行ってプロモーション活動をし、成功した会社なんですが、やっていることはすごくシンプルです。でも、極めて行動力が高く、あきらめずにプロモーションを継続した結果、成功に至ったケースでした。

その授業から得たことは?

マーケティングの授業でいろいろな事例を学んだことによって「思ったことは、行動するべき」という意識が強くなりました。留学前の自分は、言葉では言っていても行動力が伴っていなかった。アイデアを思いついても、まわりの人たちから「うまく行かないよ」と反対されると、その先の一歩を踏み出せずにいました。でも、今は「とりあえず行動すればいいんだ」という意識が身に付きました。

沼越さんは、早い段階からボランティアをしたそうですね。

ボランティアは、渡米して2ヶ月くらい経ってから始めました。ゴルフが好きなので、ウェブでゴルフのボランティアを検索し、チャリティゴルフのイベント手伝いをしました。あとは、現地の小・中学校で日本語を教えるボランティアもしました。これは、現地の日米協会にボランティア登録をしたのですが、同じように登録しているアメリカ人とペアを組み、学校に出向いてひらがなを教えたり、おじぎの仕方や箸の持ち方を紹介したりしました。

インターン先はどうやって見つけたのですか?

学校の先生の紹介です。大企業で働くことには興味がなくて、仕事の全体像が見られるようなところを希望しました。インターンをしたPure Imageは、基本的に社長がひとりでやっている小規模な会社。主要な取引先はシアトルマリナーズで、選手のフィギュアなどのプロモーショングッズを作って、球団に納めていました。あとは、いろいろな少年野球チームのユニフォームや、大学のフットボールチームのカレンダーを作ったりしていましたが、社長はデザインから何から全部自分でやってました。

その会社で沼越さんが担当した仕事は?

何もしてませんでした(笑)。社長から「自分がやっている仕事を全部見ておきなさい」と言われ、マネージャーのように社長に付いて、売り込み交渉から何から全部見させてもらいました。社長も包み隠さず仕事のことを話してくれて、ここでは学校で学べないことを学べました。社長の家に泊まりに行って子どもの送り迎えをする姿も見たし、仕事だけではなく、アメリカのカルチャーも知ることができ、このインターンで得たものは大きかったですね。

特に印象的だったエピソードは?

社長に「どうやってビジネスを売り込んだんですか?」と質問した時に、「サンプルを作って持って行き、こういうのを作ったらおもしろいんじゃないかと交渉するだけ。難しく考えずに、やってみればいいんだ」と言われたことが印象的でした。僕は行動する前に難しく考えてしまうところがあって、社長から「考えすぎるから、今まで何もできなかったんじゃない?」と痛いところをつかれてしまいました(笑)。社長のビジネススタイルを見て、行動力の必要性を教えてもらいました。

IBP修了後、現地にしばらく残っていたそうですね。

はい。インターン先の社長から紹介してもらい、アラスカ航空の機内で放送する番組などを制作する会社で、カメラマンの仕事をさせてもらいました。映像の取り方なんてわからなかったのですが、メインのカメラマンから教えてもらって、セカンドカメラマンとして仕事をしました。この仕事でもいろいろな人脈ができて、英会話本の制作、ウェブサイトの制作に協力してもらいました。

本のタイトル通り、実際に沼越さんが現地の500人に聞いて作った本なんですね。

会話例だけでなく、アメリカの文化も伝わる内容にしたいと思い、現地のいろいろな人たちの証言をリアルに紹介しています。会話集としてだけでなく、カルチャーを知るためにも一読してほしいと思います。ウェブサイトもやっているんですが、ウェブサイトでは、いろいろなシチュエーションの英会話例を動画で見られるようになっています。

留学したことで、探していた「何か」は見つかりましたか?

やっぱり行動することの大切さが身に付いたことが大きいですね。新しいことを始める時、日本では保守的で否定的な意見が圧倒的に多くて、だから個人で新しいことを始める人が少ない。でもアメリカでは、そういう時にまわりは「おもしろそうだ。とりあえずやってみろよ」って心から応援するんです。ネガティブな意見に負けるのではなく、とりあえず行動する。そして結果を出す。そういう人が増えれば、日本の社会も変わっていくんじゃないかなと思います。大きなことを言いましたけど(笑)。

沼越さんが書いた「ネイティブ500人に聞いた! 日本人が知らない、はずむ英会話術」。実際に使われている会話例ばかりなので、留学前に読んでおけば、すぐに現地のコミュニティに溶け込めると思います

今後の展望や将来の夢を教えてください。

海外情報や英会話をできるだけ多くの日本人に伝えていきたいです。また将来的には日本語と日本の文化を海外に紹介して行きたいです。海外にいて感じた事は、海外には日本より優れたところが沢山ありますし、日本には海外よりも優れたところが沢山あります。お互いいところが吸収できれば最高だと思いました。直接海外に行く機会がある人には、直接現地の人と会話をして、そうした事を感じて欲しいです。今述べたような事のきかけづくりをして行くのが僕の一生の課題です。問題はいろいろあると思いますが、いろいろな人たちと協力をしてチャレンジしていきたいです。今回出版されている英会話本は、そうした自分の目標達成の一つです。

IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。

プログラムはすごくいい機会を与えてくれる内容だと思うので、最大限に活用してほしいです。あと、アメリカ文化を表面的に見るだけでなく、どんどん現地のコミュニティに入って行くと、自分が変わると思うし、その経験が就活にも活きてくると思います。

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