コース:ウエストミンスター大学
キャリア:大学生
留学期間:2022年9月〜 インターンシップ先:JETRO (独立行政法人日本貿易振興機構)ロンドン事務所
IBPプログラムを選んだ理由を教えてください。
「グローバルに働く」という将来像に近づくために英語でビジネススキルを身に着けなければならないと考えており、ビジネスセミナー・学部授業・インターンの機会があるIBP留学はその機会を広げるきっかけになると考えたからです。
留学先を選択した理由を教えてください。
刺激ある環境に留学したいと思っていたので、イギリス、ヨーロッパの文化、経済、中心的な役割を持っているロンドンはぴったりだと思いました。また、日本の大学でヨーロッパの言語を専攻している為、歴史のルーツを探ってみたい!という想いがありました。ファッションやアートのイメージがあるイギリスのおしゃれな街で生活すること、国内旅行と同じ感覚で他のヨーロッパの国にも足を延ばせることにも魅力を感じて、最終的には直感でロンドンを選びました。
留学前はどんな準備をしましたか?
IELTSの取得や英語でのコミュニケーション力強化です。渡航前に英語に慣れる為に、日本で修学旅行生と外国人の交流会を企画運営する旅行会社でバイトを行い、ネイティブと英語でコミュニケーションをとる環境に身を置きました。また、もともと好きな洋画を見て、聞き取りができるようにしていました。現地では、イギリスアクセントに苦戦することもあったので、イギリスの映画を見るのもオススメです。
研修地に到着した時の街の印象はどうでしたか?
写真やテレビで見ていたロンドンの街並みイメージそのままの、2階建ての赤いバス、レンガ作りの歴史的な建造物、教会を見ると感動が止まりませんでした。ここで生活できるんだと考えるとワクワクでしかなかったです!
歩いているだけでウォ―ルアートや素敵なカフェに巡り合え、毎日発見の連続でした。暖かくなってくると公園で昼寝や読書をする人、仕事終わりに屋外でお酒を飲む人で溢れています。素敵な街で生活でき、ロンドンを選んでよかったなと心から思っています。
キャンパス内の設備など、日本の大学と比べてどう違いましたか?
ロンドン中心部オックスフォード・サーカスにあるRegent キャンパスは歴史ある建物で、重厚感のある回転ドア、大理石でできたホテルのようなロビーにテンションが上がりました。驚きだったのは地下に体育館やバー、学生は無料で使用できるジムも併設されていたことです。ベイカー・ストリートにあるMarylebone キャンパスはロビーが勉強や食事ができるオープンスペースになっていて様々な国籍の留学生と交流できました。皆会話を楽しんでいて、賑やかでその場所にいるだけで多国籍の人々が集まるロンドンの良さを感じることができました。24時間使用が可能な図書館には集中スペースとコミュニケーションスペースがあって非常に役に立ちました。立地は抜群で周りにカフェなども沢山あり、帰りに寄って勉強していました。
英語研修はどのような内容でしたか?また、どのように役立ちましたか?
アカデミックな英語を身に着ける目的で、リーディング、ディスカッション、プレゼン、レポートなど4技能それぞれを伸ばすような授業でした。特に日本とイギリスの文化比較が面白かったのを覚えています。毎回授業で最近気になるニュースについて聞かれるので、自然とBBC newsを見るようになりました。世界情勢や日本の政治、経済の動向をチェックする習慣ができたので良かったです。
学部授業ではどんな科目を選択しましたか?
● <Creating New Business>
新規アプリの立案をテーマに最終的にビジネスピッチを行う授業です。起業やビジネスに関するスキルを学び、ディスカッションを行ってチームでアイディアをブラッシュアップさせていきました。招待された起業家の体験談を聞く機会もありました。
● <Planning for the Visitor Economy>
グループでロンドンの町の観光都市としての役割を学び、開発や計画について分析を行いました。実際に私たちが選んだ地区Chinatownに赴いて、ディスカッションを行いました。
● <Art and Society>
毎週美術館や博物館に行って、様々な絵画、彫刻などを鑑賞してその作品のバックグラウンドを議論する授業です。
特に興味を持って取り組んだ授業とその感想を教えてください。
どの授業も楽しかったのですが、特にArt and Societyの授業はとても興味深かったです。作品には国と国の関係性、政治、経済、歴史的バックグラウンド、作者が伝えたいメッセージ、当時の社会情勢の反映など深い意味があり、作品を前にグループで活発にディスカッションを行ったことが刺激的でした。1つの物事を多角的な視点で見ることの重要性を学ぶことができました。美術館・博物館が無料のロンドンならではの授業でした。知識豊富な先生のガイドはとても面白く、一般の方がそばで聞き耳を立てているときもありました。
全ての授業で毎回グループディスカッションがあり、英語でコミュニケーションをとる機会が増え、グループのメンバーとも仲が深まったので、グループ活動がある授業を取るのもオススメです。
IBPビジネスプラクティスはいかがでしたか?印象に残っている内容と感想を教えてください。
PBL(課題解決型プロジェクト)では、日本のインバウンド事業を復興させる為、現状やニーズを分析し、チームでクライアントにプレゼンを行うというものでした。そのPBLを元に食の多様性というテーマで、IBPメンバーでビジネスコンテストにチャレンジしました。皆で意見を出し合ったり、実際にその分野で活躍されている方にお話を伺ったりできた経験は貴重な挑戦の機会であり、自分のキャリアの軸を定めるきっかけにもなりました。
また、ビジネスセミナーでは現地の新聞社など様々な業界の方のお話を聞く機会がありました。海外で弁護士として活躍し、現在は在英日本国大使館で働かれている方と親交が深まり、他国の外交官の方と交流したり、普段は入ることのできない大使館の会議室で話をしたりといった貴重な機会を沢山頂くことができました。人柄も生き方も尊敬できるようなロールモデルに出会えたことは私の価値観に大きな影響を与えました。
留学中に参加した課外活動(サークルやアクティビティ)はありますか?
ヨガサークルです。大学内に無料で使用できるジムで毎日ヨガやピラティスのクラスが開講されていたので、週2ペースで友人と通っていました。ヨガクラスの先生は大きな盲導犬をジムのスタジオに連れてきて犬と一緒にレッスンを行っていました。日本ではなかなか見ない光景で、多様性を認め合う考え方が浸透しているロンドンの良さの1つだなと思いました。とにかくロンドンは国籍、宗教、言語、食など様々な文化が混在していて、外に一歩出るだけで新たなカルチャーを吸収することができ、且つ自分も何の偏見もなく受け入れてもらえる、そんな街でした。
他にも日本食レストランで接客のアルバイトを行い、お客様とのコミュニケーションを楽しみました。サッカー観戦や海外アーティストのライブでは海外の熱狂的なファンたちの応援の雰囲気を楽しみました。春休みと夏休みにはイタリア、ポルトガル、ベルギー、オランダ、チェコ、オーストリアなど10か国に旅行に赴き、食を楽しみ、文化に触れ、現地の方と交流しました。自分が知らないことは世界中に沢山あるんだなと知的好奇心がくすぐられました。夏休みにはWwoofを利用してパリ郊外のオーガニック農家でボランティアを行いました。
課外活動から得たものは何ですか?
留学先では未知へのチャレンジの連続でしたが、勇気を出して行動した先には何にも代えられない貴重な経験ができるという学びを得ました。パリ郊外でボランティアを行った時は、ほぼ自給自足の生活を経験しました。田舎の大きな家に住み、花や果物、野菜を収穫して、近くの牧場に絞りに行ったミルクでチーズを作ったり、鶏やカモのお世話をしたり、自然と共に生活しました。もっと周りの人や環境に感謝して生きたい、自分に何かできることはないかと思うようになりました。地域の方々を含め、そこで一緒に生活を共にしたアメリカ人、中国人、ドイツ人と最後の夜にBBQをしてキャンプファイヤーをしたことは一生忘れられない思い出です。お互い英語ネイティブではないため、言語の壁で苦労することもありましたが、何とかジェスチャーを使ってでも伝え合おうとすることで距離が近づき、理解し合える喜びを分かち合うこともできました。
コミュニケーション力向上のために努力したことは?
Meetupに参加したり、寮のフラットメイトと毎日キッチンで話したり、アルバイト先のお客様と会話したり、アウトプットができる環境に身を置くようにしました。
インターンシップ先について教えてください。
JETRO (日本貿易振興機構)ロンドン事務所の食品部門です。
そこではどんな仕事を担当しましたか?
主に日本企業向けに、イギリスとEUの食関連のサステナビリティについてトレンドや政策に関する記事を執筆しました。他にも、酒類大型イベントImbibe Liveや日本文化イベントの取材、日本産フルーツの商談の見学に赴きました。
インターンで苦労したこと、そこから学べたことを教えてください。
記事を執筆する上で、情報を取捨選択すること、イギリスやEUの法律を英語で読むことに苦労しました。積極的に上司の方とコミュニケーションを取り、自分が欲しい情報や記事を執筆する目的を共有することで、自分のリサーチに有益な情報をピックアップしてくださったり、アドバイスを頂いたりすることができました。イベントに参加して試飲やインタビューを行うことで、欧州のサステナビリティへの意識の高さを実感し、政府や企業の取り組みについて知見を広げることができました。日本産フルーツを百貨店に卸売りする商談に同席させてもらった際は、他国間の貿易がどのように行われているのか、必要な審査、取引関係者など様々な事を学びました。1つの商品を外国で流通させるために、サポートする側が泥臭くやり取りを続けているということを実際に体感することができました。百貨店に日本産のフルーツが並んだという記事を見た時の喜びはひとしおでした。
JETROの方々は気さくに話しかけてくださって、意見交換が気軽にできる雰囲気であったことも非常に良かったです。
日本と現地のICCオフィスの対応について、感想を聞かせてください。
親身になってアドバイスをしてくださるおかげで、不安を感じることなく生活を送ることができました。Regent キャンパスのすぐ近くに、何もなくてもふらっと立ち寄れる場所があったことは心の拠り所でした。お二人のサポートに感謝しています。
これからのキャリアにIBPの経験がどうプラスになりましたか?
「自分が将来何をしたいか」を考えるきっかけになりました。食品部門でのインターンや農家ボランティア、アルバイトなどの体験を通して自分が将来達成したいキーワードに気づき、それが大学での卒論研究のテーマにも繋がっています。
社会人になる前に、外の世界に触れ、様々な価値観を持つ人々と交流できたことは自分を見つめ直すきっかけになったとも感じています。キャリアだけでなく、どんな人になりたいかという理想像も描けるようになったことは大きなプラスだと思います。
就職活動ではIBPの経験(インターンシップや課外活動など)をどのようにアピールしましたか?
現在進行形で就活中ですが、留学先でインターンやボランティアを行ったことや、自分の日本の大学の専攻とは異なる学部授業を履修したことは唯一無二の経験で、興味を持って聞いてもらえます。単に何をしたかではなく、なぜそのチャレンジをするに至ったか、結果を出すまでに困難を乗り越えたプロセスを話すことが大事だなと感じています。
留学をふりかえり、自分自身が変わったと思うところはありますか?
日本では正答を求められることが多く完璧でないといけない、と思いがちでした。しかし、現地の授業では、間違いを恐れずに常に自分の意見を持って主張する学生がほとんどで、自分もミスはつきものだから何でも手を挙げて発言してみようと思うようになりました。その結果、フィードバックをもらえることが多くなり、客観的に自分の考えを分析できるようになったと思います。
また、自分がやるべきことを終えたら帰って家族時間や自分時間を楽しんだり、長期休暇を取って外国を旅行したり、休みの日はゆるく散歩したり、オンオフをはっきりさせた働き方をしている人が非常に多い印象でした。ワークとライフのバランスを保つことが自分の心の余裕に繋がることに気づきました。
IBP留学を希望している人に向けて、アドバイスをお願いします。
IBP留学を通して様々な挑戦ができ、異国の地で何度も壁を乗り越えたことで自信がつきました。同期や、先輩、外国人の友達、フラットメイトなどかけがえのない出会いがありました。行かずに後から後悔することがあっても絶対行って後悔はしない!と経験者が胸を張って言えます! 新たな環境に飛び込んで、ぜひチャレンジを楽しんでください!