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キャリア、ビジネス、IBPがよくわかる「GLOBAL INSIGHT」
ビジネス留学情報ブログ「GLOBAL VISION」
2010年
垣下 至徳
YUKINORI KAKISHITA
出身校:早稲田大学 教育学部
コース:ウエストミンスター大学
キャリア:大学生
留学期間:2009年4月〜2010年3月
インターン先:Myriad Global Media(メディア)
早稲田大学(教育学部)卒業。大学2年次に休学してプログラムに参加し、帰国後、大学に復学。TOEIC950と英検1級を取得した。2012年春から、外資系コンサルティング会社に勤務。

インターン先では雑用に満足していないことをアピールし、上司の仕事を任せてもらえるまでに

既卒だろうと留年だろうと、チャレンジしたもの勝ち!

プログラム参加しようと思った理由を教えて下さい。

就職活動を始める前に、自分の将来のビジョンをつかんでおきたかったからです。大学2年の時に1つ上の先輩たちが就職活動をしているのを見て、1年後の就職活動で、自分がどんな業界を受ければいいのかさっぱりわかりませんでした。当時は海外ボランティアのサークルに所属しており、夏休みにインドやフィリピンに行く活動費を稼ぐためにバイトばかりしていたのですが、いろいろな仕事を経験してから将来の職業を決めたいと思っていたところにIBPプログラムを知りました。海外留学とインターンシップという自分のニーズを両方満たす内容に興味を持ち、参加を決意しました。

英国コースを選択した理由は?

イギリス人の友人がおり、彼の話を聞いてイギリスに興味を持ったからです。「大学卒業後、就職せずに海外を旅しながら将来やりたいことを見つける。それをイギリスではギャップイヤーというんだ」という彼の話を聞き、卒業したらまっさきに就職しないと不利になる新卒主義の日本との差に驚きました。その驚きが、後に留学先をイギリスと決めた要因です。

留学して、日本の大学と違いを一番感じた点はどんなところでしたか?

欧米の大学では自分のやりたいことに関係する分野を専攻し、卒業後は関連した職業に就職しますが、日本の大学はやりたいことと関係のない分野を専攻し、卒業後は関連しない職業に就くことです。イギリスの大学に限らず、欧米の大学生の話を聞いていると、「自分の専攻分野に興味が持てなかったから、他分野に専攻を変えて1年生からやり直している」という話をよく聞きます。それは専攻分野がその後の就職にもリンクしているからで、金融業界に就職するには経済学専攻などが当たり前です。必然的に大学時代の成績が重要視され、勉強への姿勢も真剣なものになります。日本では一部を除いて大学時代の専攻分野は将来の職種に関係がないため、学生もあまりまじめに勉強していません。仕組みの違いだと思いました。

英語力が格段にアップしたそうですが、語学力アップのためにどんな工夫をしましたか?

帰国後に受けたTOEICでは950点で、留学前と比較すると250点近く上がりました。文法は受験勉強でみっちりやっていましたが、リスニングは留学して伸びました。英語学習では、松澤喜好さんの「単語耳」という本を参考にしました。この本の良いところは英語学習の方法論から学べること、その根底にある英語の発音体型をみっちり学べるところです。それまでカタカナ読みとなんとなくで発音していた英語が、この本で勉強してからは、似たような発音だと思っていた単語同士が、じつは全く違ったものだったことに気づいたりしました。英語と日本の発音体型は全く違うので、発音は単に「できればかっこいい」のではなく「できて当たり前」くらい重要なものだと思いました。

留学先で特に印象に残っている授業はどんな内容でしたか?

「Economics for Business」です。それまで経済学を勉強したことがなかったので、新たな分野を英語で学ぶことは非常に大変でした。大学の授業は、大人数の講義であるLectureと少人数のSeminarにわかれており、Lectureで学んだことを前提に、Seminarでのディスカッションで応用していくスタイルだったのですが、ディスカッションも初めは全く歯が立ちませんでした。グループの中に、自分の意見を通そうとまくし立ててくるタイプの女の子がいて、何も言えずに授業が終わってしまうことが多々ありました。しかし後半の授業で初めて反論でき、彼女が私の意見を受け入れてくれたときは嬉しかったです。

留学中、勉強以外に熱中していたことはありますか?

週1回、剣道をやっていました。高校の部活の先生から「イギリスで剣道を教えている教え子がいるから、おまえも剣道をやってこい」といわれ、嫌々再開しました。でも、毎週稽古のあとにイギリス人のおっちゃんたちとビールを飲みに行くのが楽しく、それで英語を覚えたほどです。

インターン先の名称と業態を教えて下さい。

Myriad Global Mediaというメディアプロダクションで、主に広告用ショートフィルムの作成をしている会社。少人数であるため、会社というものの仕組みが大企業に比べてより掴みやすいだろうというのが、決め手でした。

インターン先での具体的な仕事内容を教えてください。

クリエイターが映像を作成するためのコーディネート業務が仕事の中心でした。電話番、フィルムの配送手配、発注の際の見積もりと比較検討、ウェブサイトのコンテンツ作成のためのカメラマンへのインタビューなどを担当しました。

インターン中にどんな壁にぶつかり、その状況をどのように打破しましたか。

最初の1週間は倉庫の整理しかさせてもらえませんでした。このままでは大した経験が得られないと危機感が募り、自分はこれで満足していないということを伝えるために、言われた仕事を終わらせると、すぐに「他の仕事はないか」と毎回聞き続けました。次第に他の仕事をさせてもらえるようになり、ある日上司が事情により1日休まざるを得なくなった時は、その日の上司の仕事を代わりに全部任せてもらえるまでになりました。

インターン体験によって得たものはどんなことですか?

ビジネスで使える英語力と自信です。特に電話を使った仕事を通じて、リスニング力が飛躍的にアップしました。旅行の際にあるオーストリアのバス会社の予約を電話でしたのですが、電話に抵抗がなくなっている自分に驚きました。

現地での滞在方法は?

大学寮に滞在していました。留学生が多く、イギリス人が少なかったことに不満を感じましたが、今となれば世界中に友達ができ、国際都市ロンドンならではだと感謝しています。

IBPの体験によって、自分自身が変わったと思うところはありますか?

本当の意味での自信を持つことができるようになったことです。「驕り」と「自信」の違いは、前者は「やらなくても自分はできる」ですが、後者は「やれば自分はできる」だと考えています。レポート地獄やインターン体験を乗り越えてからは、最初は上手く行かなくても、かじりついて努力すれば、なんとかなるような気がしています。

帰国後は大学に復学したそうですが、留学経験がいきていると思うことはありましたか?

帰国後、留学生を交えた農村ツアーを友人と一緒に企画・主催しました。留学中、現地コミュニティに入る難しさを感じていたのですが、日本にいる留学生も同じような悩みを抱えていると知り、壁を取り払うために両者に共通する目的をもった企画を行おうと考えました。日本人と留学生が「日本を学ぶ」という目的が共有できる農村ホームステイを、福島県で行ったのですが、狙いは大成功で皆とても仲良くなり、ある留学生の友人は日本での一番の思い出だと語ってくれました。

就職活動はいつ頃から、どのように行いましたか?

大学3年次の12月頃からです。インターネットで情報収集、企業のリストアップをし、1月後半から3月にかけてOB訪問を行いました。長年会ってなかった友人にも会い、飲みながら自分のやりたいことを話すことで、自分の考えの言語化作業が進み、また他人の反応を通じてどのような内容が他者に響くのかがわかり、志望動機を練る際に役に立ちました。

就職活動をしていた時、IBP留学が有利に働いていると思いましたか?

思いました。世間の就活生もいろいろなことやってきているので、経験そのものだけでなく、経験プラスアルファがないと差別化要因にならないのですが、英語だけの環境でインターンシップをしたというのは、それだけで面接官の反応が良かった気がします。もちろんそれだけでは受かりませんが。

振り返って、IBP留学は垣下さんにとって、どんな意味があったと思いますか?

社会人になる前の転換点でした。違う国で違う活動をすることで、自分のこれまでを振り返り、これからを考えるいいモラトリアム期間となりました。職場環境も日本とはかなり違うため、日本の常識に縛られずに「自分はどういった働き方がしたいのか」と客観的に考えることができたと思います。

ICCのサポートについて感想をお聞かせください。

留学生したら終わりではなく、現地でもOBの方の話を聞く機会などを設けて頂き、いい刺激を受けました。「今後の人生を考える人達を応援しよう」という姿勢が感じられ、とても有意義なサポートでした。

今後の展望や将来の夢を教えてください。

就職活動中はビジネスによる新しい仕組みづくりがしたいと考えていましたが、どの分野でどのような仕組みを作るかはわかりませんでした。その後、アフリカを旅したことで、先進国において何か人のつながりを再生できる仕組みを創りたいと今は考えています。

IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。

特に留年してしまった人や、すでに卒業してしまった人の中は「さらに1年間留学することで周りに遅れをとってしまうのではないか」と留学を思い切れない人がたくさんいると思います。しかし、そういったリスクを取って思い切ってチャレンジする人の方が、リスクを取らない人に比べてより積極的になり、いい結果を出すと思います。私の友人は卒業後にまぐろ漁船に乗りこみ、今は長年の目標であったマスコミへの就職を果たしました。既卒だろうと留年だろうと、チャレンジしたもの勝ちです。ぜひリスクに恐れずに挑戦してみてください。

*体験談の内容は寄稿時の情報です。

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