クリスマス、ハヌカー
イスラエルにクリスマスはあるの?
イスラエルはキリスト教の聖地として有名です。ただ、「イエス・キリストの聖地なら、クリスマスには盛大なクリスマスパーティーが・・・!」と思って訪れると、少しがっかりするかもしれません。イスラエルでは一部の地域を除き、12月になってもほとんどクリスマスツリーも現れません。実は、イスラエルはほとんどの人口がユダヤ教で、キリスト教はマイノリティーに当たるのです。この時期、イスラエルではユダヤ教の伝統行事、「ハヌカー」が催されます。今回は、そんなイスラエルのクリスマス事情、そしてユダヤのお祭りである「ハヌカー」についてご紹介したいと思います。
目次
1.ユダヤ教のお祭り、ハヌカーとは?
12月にイスラエルを訪れた方は、「あれ、クリスマスっぽくない」と感じられるかもしれません。実は、イスラエルはほとんどがユダヤ教徒で、キリスト教は全体の2.5%程度と言われています。
そのため、イスラエルではハヌカーというユダヤの伝統的なお祭りを行います。ハヌカーは、ユダヤ暦に基づき毎年12月頃に行われます。時期は概ねクリスマスと被り、2022年は12月18日〜26日の予定です。ハヌカーでは、ハヌキアと呼ばれる9本のロウソクを立てたロウソク台を使いますが、イスラエル国家の紋章にある「メノラー」より2本分ロウソクが多いです。ハヌカーは合計8日間続き、初日に2本灯し、残りを1本ずつ灯していきます。またクリスマスのように、両親からプレゼントをもらう子供も多く、ドレイドルと呼ばれる四角のコマで遊んだり、ハヌカ・ゲルトというなかがチョコレートの丸い金貨をプレゼントとしてもらったりします。
また、クリスマスソングの代わりにハヌカー・ソングなるものもあり、有名なものとしては、Adam SandlerのChanukah Songがあります。
2.ハヌカでは何を食べる?
ハヌカでは、イスラエルの歴史として有名な「聖油」にちなんで、油を使った料理が出されます。例えば、ジャガイモをすり潰してフライパンで揚げたラトケスが有名です。ポテトパンケーキのようなもので、アップルソースやクリームサワーをかけて食べることが好まれるようです。
また、クレープにコテッジチーズやジャムを加えた揚げ物であるブリンツも人気です。
他にもハヌカにしか食べられないものとして、スフガニアがあります。ふっくらと揚げたドーナツにジャムやカスタードクリームなどを詰め込んだもので、こちらもハヌカならではの食べ物です。
どれも美味しそうですがこうしたカロリーの高そうな油料理が8日間出され続けるため、「正月太り」ならぬ「ハヌカ太り」という現象が起きているそうです。食べすぎには要注意ですね。
3.イスラエルのクリスマスは、ナザレで
ユダヤ教がマジョリティーを占めるイスラエルですが、クリスマスツリーやイルミネーションはどこにあるのでしょうか。それらは、キリスト教徒の聖地であるナザレやキリスト教人口の多いハイファなどで見ることができます。特にナザレは、イエスが生涯の大半を過ごした場所で、クリスマスには大きなクリスマスツリーで彩られます。他にもクリスマスマーケットが開かれたり、花火が打ち上げられたり、さらに聖書の物語に則したパレードやコンサートが行われるなど、クリスマスのナザレは非常に活気のある場所となります。
一方で、クリスマス、もしくは前後にヨーロッパへ旅行へ行き、クリスマスを楽しむイスラエル人も多くいるとか。クリスマスセールで買い物を楽しんだり、クリスマスのヨーロッパの街の雰囲気を楽しむために旅行に行く人が、年々増えているそうです。
4.まとめ | 12月はハヌカーとクリスマスを味わおう
いかがでしたか。イスラエルの12月はユダヤ教とキリスト教の一大イベントがあり、多くの魅力が詰まっています。ぜひ一度それぞれの伝統料理やイベントに参加して、イスラエルの宗教文化を堪能してみてはいかがでしょうか。
参考サイト