港の街、ハイファ
ハイファとは?
「ハイファ」とは、イスラエルで3番目に大きい湾岸の街です。「イスラエルのカルフォニア」とも呼ばれ、エルサレム・テルアビブに継ぐ規模を誇る街ですが、その存在感は両都市に圧倒されており、あまり知られていないかもしれません。
今回はハイファの隠された魅力をご紹介したいと思います。
目次
. ハイファってどこ?
ハイファはカルメル山の麓にあるイスラエル北部の港町で、テルアビブのさらに北部の方にあります。ユダヤとアラブの文化が融合しているような街で、多種多様な人種が住んでいます。ハイファ港は地理的に非常に重要な場所に位置しており、例えば、スエズ運河を東から西に運航するすべての船舶がこの海域を通るなど、地中海東部の海運拠点としての重要性を秘めています。そのため現在は、インドの民間企業が港の運営会社の買収をしたり、中国が輸送コンテナターミナルを立ち上げたり1と、インド・中国間での投資競争が加熱している将来有望な港町なのです。
. ハイファってどんな街?
そんな戦略的に重要な位置にあるハイファですが、街にはどんな魅力があるのでしょうか。ハイファの人口は27万人と、エルサレムの87万に比べれば半分以下で、自然あるゆったりした街、という雰囲気のよう。街で一番美しいと言われているバハーイー庭園をはじめ、多くの観光スポットがあります。
こちらはジャーマンコロニーという通りで、第2次世界大戦までドイツ人が住んでいたとされる通りです。今ではドイツ人はほぼ見なくなり、おしゃれなカフェやパブ、バーが立ち並ぶ観光スポットとなっています。
ハイファには多くの綺麗なビーチがありますが、メジャーなビーチの一つがDado Beach。綺麗な夕日を眺めることができ、周辺には多くのレストラン、カフェなどがあります。
ハイファのダウンタウンには、リゾート地のような場所やアラブっぽい雰囲気の場所など色々な姿・形がありますが、全て石畳でできているのが共通しているところでしょうか。
. イスラエルで最も巨大かつ古いビジネスパークがある
実は、ハイファにはイスラエルで最も古いかつ大きい”Matam”と呼ばれるビジネスパークがあり、国内・国外の製造業の工場・研究開発(R&D)の拠点が置かれています。特に、多国籍のIT企業が多くR&D拠点をハイファに置いていることは有名で、AppleやAmazon、IBM、Microsoft、Google、Yahoo!、Phillips、Intelなどハイテク産業の雄たちがハイファで研究開発をしています。
また、カルメル山の麓には、ハイファ大学という総合大学がありますが、構内には”IBM Haifa Labs”というIBMの研究機関があり、学問・テクノロジー分野でハイファ大の学生と交流する機会があります。
. 分派宗教の聖地がある
最後に、ハイファのもう一つの特徴として、ハイファではいくつかの比較的新しい分派宗教の聖地でもあります。例えば、カルメル山は12世紀頃に始まったカトリックの修道会である「カルメル会」の発祥の地で、世界中に修道院を持っています。こんな壮大なところから新宗教が始まったなんて、不思議な気持ちになりますよね。21世紀ならツーリング・ドライブ!といった場所でしょうか。
また、ハイファで最も美しい場所とされるバハーイー庭園は、19世紀にイランで始まった新宗教の聖地で、バハーイー教の世界本部があります。同じくバハーイー庭園内にあるバーブ廟は、イスラム教の分派であるバハーイー教の開祖の「バハオラ」が所属していたバーブ教の聖地で、バーブ教の開祖、バーブの墓です。バーブは自らを預言者と名乗り、シャリーア(イスラム法)を廃止するなどの大胆な行動に出たそうで、イランで弾圧を受け処刑されていますが、彼の教えはバハーイー教を通して、今も人々の中で生きています。
まとめ | ハイファは週末旅行にぴったり?
いかがでしたか。街の規模はテルアビブ・エルサレムには劣りますが、港町らしい魅力がたくさんあり、ゆっくりとした時間を過ごせそうですよね。イスラエル各地からの週末旅行に来る方も多いそうで、ぜひ一度遊びに訪れてはいかがでしょうか。