イスラエルの新年
イスラエル人は新年をどう過ごすの?
日本で新年と言えば1月1日、中国では12月中頃の春節・旧正月が有名ですよね。
一方イスラエルではユダヤ暦という暦(こよみ)に基づき、9月中旬の秋頃が新年とされています。
この時期イスラエルでは、美味しいりんごや蜂蜜がいっぱい。
そんなりんごと蜂蜜で新年を祝うのがイスラエルの新年の過ごし方なのです。
今回はイスラエルのビッグイベントである新年をご紹介したいと思います。
目次
. イスラエルの新年とは?
ユダヤ教が圧倒的多数を占めるイスラエルでは、ローシュ・ハッシャーナー(Rosh Hashanah)を毎年9月から10月にかけて祝います。ローシュ・ハッシャーナーは「年の頭」という意味で、ユダヤ暦でいう新年のはじめの日から、ヨムキプール(贖罪の日)までの10日ほどの期間を指します。この期間は、政府機関をはじめとして、鉄道などを除き、新聞・ほとんど民間会社が休日に入ります。ヨムキプールまでの10日間は、「畏れの日々(Yamim Nora’im)」と呼ばれており、敬虔なユダヤ教徒は、シナゴークと呼ばれる寺院に行き、悔い改めをしたり、教徒同士で和解をしたりするとされていますが、最近では大型連休をとって、海外や国内旅行へ出かける方も多いようです。また、この時期には「良いお年を」という意味の「シャナトバ(Shanah Tovah)」という挨拶が交わされ、お互いプレゼントを渡し合い、交友を温める機会でもあります。
ちなみにですが、アメリカのニューヨークには荘厳なシナゴーグがたくさんあります。
. 何を食べるの?
さて、イスラエルの新年の料理とはどんなものでしょうか。日本人がお正月におせちを食べるように、ユダヤ教徒にとっても新年に欠かせない食べ物がいくつかあります。まず、イスラエルの料理においては「甘い」=「良い」という意味を持つようで、「良い(甘い)年になりますように」という願いを込めて、焼きリンゴにハチミツをたっぷりかけて食べたり、ザクロの実を食べたりします。他にも、デーツや黒目豆(black-eyed peas)、かぼちゃのパンのロダンチャ(rodanchas)、ビーツや魚など、多くの種類の食べ物があります。
他にも、人参料理のツィメス、生姜糖のテイグラハなど、多くの伝統料理が食されます。
それぞれの食材には意味があり、ザクロの実は「多くの実りがなりますように」とか、ハラーブレッドは、その丸い形から「一年のサイクル」を象徴しています。
. 街では様々なアクティビティが開かれる
ローシュ・ハッシャナーの期間は、ユダヤ新年に関するコミュニティイベントが多く開かれます。中にはローシュ・ハッシャナーの伝統行事を啓蒙するものもあり、多くの方が自由に参加できるようになっています。例えば下記のものがあります。
Apples & Honey: Rosh Hashanah Service for Children
こちらはユダヤ系の団体が主催するイベントで、家族・子供向けにローシュ・ハッシャーナーのお話や音楽を楽しむアクティビティを提供しています。
Chabad Oakland: Shofar at the Lake
こちらはタシュリク(Taschlich)という贖罪の儀式を行うイベントです。タシュリクはヘブライ語で「流産」という意味で、前年の罪を捨て 、パンや他の食べ物を流れる水の中に投げ捨てることを表すそうです。水の流れが投げ捨てられたパンや食べ物を運ぶように、昨年の罪を流し捨てるための儀式を行うようです。
そのほかにも、ミュージックコンサートや講演会など、多種多彩なアクティビティが行われています。
. 贖罪の日には角笛を奏でる
祝いの期間が終わる10日目のヨームキプル(贖罪の日)には、シナゴーグでショファー(Sofar)と呼ばれる角笛を奏でます。この角笛、元々は羊飼いが羊を呼び集める時に使うもので、転じてシナゴーグに人々を呼び集める時に使われるなど、ローシュ・ハシュナーのシンボル的存在です。まるでサクソフォーンのような、力強い音色を持っています。
ショファーの音色
実はこのショファー、イスラエルで「オリエンタルメタル」という新ジャンルのパイオニアであるSalemという音楽バンドが、楽曲に取り入れています。ショファーが出てくるのは序盤のみですが、ヘビメタにも関わらず、メロディーは中東の音楽にあるようなリズムを感じることができます。
SALEM Al Taster
まとめ | 是非イスラエルの新年を満喫してみてください
いかがでしたか。イスラエルの新年は、毎年の秋頃はユダヤ教の伝統を味わえるイベント・料理がたくさんあります。シナゴーグ・嘆きの壁でお祈りするのもよし、コミュニティイベントに参加して交流を深めるのもよし。色々な楽しみ方があるので、イスラエルを訪れた際は、ぜひローシュ・ハッシャーナーを楽しんでみてください。
それでは、シャナ・トバ!