話題のスタートアップ5選

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イスラエルのスタートアップは毎年どのくらい?

イスラエルと言えば、中東のシリコンバレー。
世界中から優秀な学生・研究者を集める大学があり(参考:イスラエル大学のランキングは世界トップ!)、私たちの身近なところにはイスラエル発のテクノロジー(参考:イスラエル発 身近なテクノロジー)が使われています。

実はイスラエルでは、毎年1,000社近くのスタートアップが生まれており、投資額も年々かなりの勢いで伸びています。

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まさに投資熱の熱いイスラエル。今回はそんな中でも、注目のスタートアップ5つをご紹介したいと思います。

目次

. 豊田通商が販売代理店に | Cybellum

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皆さん、コネクテッドカーをご存知でしょうか。
総務省の情報通信白書によれば、「ICT端末としての機能を有する自動車」を指し、インターネットに常時接続した自動車と言えます。現在コネクテッドカーの新車が続々と発売されており、2014年には1,400万台以上に上り、2024年には6,500万台を超えると言われています1。また、コネクテッドカーの普及に応じ、自動車事故時に自動で警察や消防へ連絡する緊急通報システムや、盗難車両の追跡システム、また走行実績に応じて運転危険度を評価し、保険料を策定するテレマティクス保険など、様々な市場も同時に拡大するとも言われており、自動車業界を中心とした一大ビジネストレンドでもあります。

そんな業界で今注目を浴びているのが、Cybellumです。この会社は、コネクテッドカーのサイバーリスクに焦点を当てた企業で、自動車の生産段階から販売後までに生じ得る全てのサイバー脅威を分析し、まるでインターネット上のファイアーウォールかのように、顧客の手に届いた後も、コネクテッドカーの安全状態をモニタリングするというサービスを提供しています。

こちらが商品紹介動画です。

Cybellum Cyber Digital Twins Platform

CybellumはCyber Digital Twinsというプラットフォームを使い、自動車のリスク評価・モニタリング・対応記録などを一元的に閲覧できるデータを提供しています。
各業界のサイバーリスクは年々高まっており、特にインターネットに繋がれた自動車へのハッキングは甚大な被害が想定されることから、コネクテッドカーのリスク管理の対応が早急に叫ばれています。そんな中、2021年6月、豊田通商はCybellum と日本国内での販売代理店契約を交わしました2。2022年7月から日本国内で義務付けられるサイバーセキュリティ対策の法制化(UNR155)に各自動車メーカーが乗り出しており、今後自動車業界を中心に、Cybellumの名前が浸透するかもしれません。今後、日本の自動車業界と大きく関わるイスラエルのスタートアップですね。

1 富士経済「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略2014」

. 音声認識の期待の星 | Hi Auto

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音声認識のパイオニアApple社のSiri

次にご紹介したいのが、音声認識分野のスタートアップ、Hi Auto。iPhoneのSiriやGoogleアシスタント、Amazonのアレクサを利用されている方は、端末がきちんと音声を読み取ってくれない場合が時々あると思います。そんな音声認識の精度を上げるのが、Hi Autoです。Hi Autoは話者の唇の動きをカメラで捉え、これをディープラーニング・アルゴリズムを通して話者の会話だけを抽出し、音声認識に変換します。つまり、騒がしいカフェや車の中でのウェブ会議でも、雑音を遮断して音声認識をすることが可能であり、話者の音声と合わせれば、より精度の高い音声認識が可能ということになります。例えば、Amazonのアレクサに指示を出しても、テレビのコマーシャルの音に誤反応してしまったりすることもあるかもしれませんが、Hi Autoで唇の動きをカメラが撮影していれば、話者の音声だけを聞き取ることができます。

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Hi Autoは、既にアメリカのレストランチェーンCheckers & Rally’sで実装されつつあり、ドライブスルーのバーチャルアシスタントとして活用されているようです。Checkers & Rally’sは全米に900の店舗があり、これらほとんど全てと関連店舗でHi Autoの音声認識を導入する予定3で、アメリカの人材不足をHi Autoで補うだとか。非常に面白い社会実験で、これが成功すれば今後様々な領域で導入され得るスタートアップかと思います。

. 4D体験をあらゆる場所で | iRomasents

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4D映画をご存知ですか?私は3Dの立体映画しか体験したことはありませんが、4Dとなると座席が揺れたり、水が降ったり、風が吹いたり・・・と、現実とかなり近い体験が映像と共に体験できるようです。そんな4D体験を可能にするのが、iRomasents
充電式の小型ユニットと、様々な香りを封入した香りのカプセルを搭載したトレイで構成されており、自動で香りが噴出されます。
こちらは既に映画館への設置が行われているようですが、場所を問わず今後浸透する可能性を秘めています。例えば、道路で通行人が香水の広告板を通った時に香水の香りが出たり、テレビCMの特定のタイミングで使われたり、あるいは買い物市場で使われたり、様々な広告媒体としての利用が高まりそうですよね。

. 位置情報データベースの革命児 | Deeyook

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位置情報の仕組み、ご存知でしょうか?位置情報の取得には、GPSとWifiの2通りあり、GPSは人工衛星を利用し端末の位置情報を把握する機能です。一方でWifiは、Wifiのアクセスポイントに位置情報を結びつけた「位置情報データベース」から取得する方法で、GPSよりもさらに正確な位置情報が取得できます。ただ、位置情報データベースはGoogleやアップルなど、位置情報サービスを提供している企業が構築する必要があり、Googleはこの分野に何十億ドル以上も投資していると言われています。
ここでご紹介するDeeyookは、OFDM APsと呼ばれるWifi・LTE・5Gなどワイヤレスインフラを利用し、位置情報サービスを提供している会社です。こちらの会社は、インターフェロメトリーという物理法則を利用し、基地局のアンテナから発射される電波の発射角度をセンサーで測定して位置情報を構築しており、なんと10センチ精度での正確な位置情報データを構築できるようです。2017年に米国で2件の特許を取得し、位置情報を必要とするサービスと連携して今後活躍が期待されている会社でもあります。

. あなただけのスマホを独自のアルゴリズムで | Anagog

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コーヒーショップに入った時、クーポン券がその場で届いたらとても便利ですよね。
Anagogはスマートフォンに付いているカメラやマイク、位置情報(GPS)、磁気といった様々なデータをAIによる独自のアルゴリズムで分析し、ユーザーの行動パターンを未来まで把握することを可能にするサービスを提供しています。これまでに25の特許技術を取得しており、スマホのセンサーデータを解析するトップレベルのAIエンジンを開発しています。日本でもいくつかの受賞歴があり、NTT Data主催の「NTTデータ第10回オープンイノベーションコンテスト」では領域賞を、2019年に開催された「X5 Retail-Tech Challengeコンテスト」では見事優勝しています。一方、スマホのデータ解析で心配なのが、プライバシーの問題。AnalogのAIエンジンはユーザーのスマートフォンの中でだけデータ解析を行っており、クラウドといったインターネットに接続しないため、個人情報が流出するリスクを無くしたそうです。
Analogはダイムラー、シュコダなど既に多くの企業からの投資を得ており、現在までに2,500万台の携帯端末への搭載が実現しているようです。4

まとめ | イスラエルはスタートアップの宝の山

いかがでしたでしょうか。今回はイスラエルのスタートアップ5選と題して、話題のスタートアップ企業をご紹介しました。イスラエルには多くの分野でのスタートアップが登場していますが、中でもテック系の社会へのインパクトは大きく、多くの投資マネーがテクノロジー企業を中心に流れています。中でも今回ご紹介した企業は日本市場と関係の深いものもあり、今後の日本での活躍は注目に値すると思います。毎年1,000社以上ものスタートアップが出てくるわけですから、来年はどんなスタートアップが出てくるか、待ち遠しいですね。

参考サイト