海外で高校を卒業する学生数は年々増加しています。日本国内の多くの大学では、こうした海外経験のある帰国生を積極的に取り込もうと、帰国子女受験枠を設けています。今回は帰国子女枠の受験対策についてご紹介になります。
大学が帰国生に求めているのは?
- 主体性、積極性、チャレンジ精神、自発的な考えを持っており、他の模範となる人
- 自分を持ち、自分の将来を見据えて大学を選んでいる人
- 他の生徒に良い影響を与えてくれる人
- 異文化に対する理解、多様性のある人
以前は一般選抜より易しいと言われていた帰国生入試ですが、受験生の増加に伴い年々厳しさを増しています。これまでの先輩方も、早期に学校の授業と並行して合格を勝ち取ってきましたが、最低でも日本の高校にあたる学年からは本格的に次の進路を見据えて準備をスタートしていくことをお勧めしています。
学年別の具体的な準備の一例
<高校1年生>
大学は文系、理系どちらに進むかある程度決めておきましょう。大学によっては高校卒業までの成績を重視しますので、最初からコツコツと積み上げていきましょう。文系の場合、「英語民間資格試験、面接、小論文、志願理由書」がカギとなります。理系の場合、試験は日本の高校でやっている範囲から出題されます。海外では国や地域、学校によって理数科目の履修範囲に幅があるので、留学先の学校で学んでいない分野は自学自習でやっておくことが肝要です。理系の大学を目指すなら、数学はベクトルや数列など1a、2b、3の範囲を、理科は物理と化学をやっておくことが望ましいです。大学や学部によって異なりますので、志望校の条件を大学の入試要項で確認が必要ですが、芸術系や建築系の学部では、デッサンを求められる場合もあります。
<高校2年生>
志望校を5~8校程、選定しておきましょう。加えてTOEFLやIELTS等の英語力を証明するテストを受験しましょう。留学現地で受けやすいテストはどちらなのか確認しましょう。そして、学校の授業と並行してTOEFL、IELTSのスコアアップのための学習をしましょう。一度で目標点をクリアできるとは限りません。TOEFLであれば最低でも80点、IELTSであれば6.0が受験に必要なスコアの目安です。
<高校3年生>
各大学の出願時期を確認しましょう。5月頃までには出願校を本決定し、受験に向けたスケジュールを調整しましょう。スケジュールについて大学キャンパスでの試験に備えて一次帰国が必要なのかも含めて確認しましょう。出願に際し、志望理由書、海外の学校の英文成績証明書、英文卒業見込証明書、推薦状、在籍証明書等が求められるので、卒業前に学校の先生に依頼し、出願予定学校数分が必要になるので、準備を進めましょう(現地ホリデー中は必要書類を発行頂けないので要注意!)。オーストラリア、ニュージーランドに留学中の生徒は、学校を休んで一時帰国をする必要があるため、予め受験スケジュールを学校に伝えた上で、どの位の期間、学校を休めるか事前に確認しておきましょう。カナダに留学中の生徒は、卒業後、日本でどう過ごすのかも含めて考えておきましょう。
大学を選ぶ基準は?
- 学びたいことが学べるか
- 就職先や就職率
- 国家資格・試験の機会やサポート
- 自分のやりたい研究があるか
聞いたことのある大学だからと大学名のみで学校選択をするのではなく、上記4項目については
大学HP、大学youtube、大学の(オンライン)オープンキャンパスなどを活用してリサーチをした上で、受験大学を決定するようにしましょう。
留学中にできる受験対策は?
留学している国や地域によっては、これまでの先輩では放課後や土日を活用してオンラインの予備校を活用する学生もいました。また、夏休みや冬休みは日本国内で集中講座を開講している帰国子女受験予備校もあるので、それらを利用するのも有効です。
日ごろからボランティアや課外活動に積極的に取り組むこと、日本の本や新聞を読んでおくこと、漢字はもちろん、小論文の練習をしておくこともお勧めです。そして、何よりも、意識してほしいのは、他の国はでない、留学している現地だからこその経験、日本との違いなどを文書化、言語化する習慣をつけることが大切です。
日本の大学を受験するにあたっての注意点は?
- 大学によってはSATのスコアを求めるところもあります。
- 大学によっては、現地在籍期間が●年以上、●ヶ月以上と記載されているところもあります。
- 受験要項や対策内容は、その時々で変更となる可能性が高いですので、志望校のホームページにて最新情報を必ずご確認ください。(※ですが、昨年度の入試要項を必ず確認し、昨年度ベースで準備を進めておきましょう。)
- 一時帰国中にオープンキャンパスに足を運んでみることもお勧めです。最近では、オンラインオープンキャンパスも大学が実施しているので積極的に参加してみましょう。
- これまでの先輩方の受験スケジュールの傾向から、1番行きたい大学の入試が1番最初に始まることが多いです。難関校から始まる入試スケジュールであるのが帰国生として理解しておかなければならないです。
- 総合型選抜、帰国生入試の2つの入試形式を選択するケースがこれまでのICCの先輩方でも多かったのですが、最近の総合型選抜は日本の高校生も受験する人が多くなり、難化しているので気をつけましょう。
帰国子女枠の受験対策は参考になりましたでしょうか? ICC高校進路相談室では、ICCを通じて留学をされた皆様が日本の大学進学を希望する際、志願理由書、小論文の指導及び添削、面接指導面接練習、各大学の情報共有など帰国生入試に対応する進学サポートを実施しております。今後留学をお考えの方は、進学までしっかりサポート体制が整っているICCコンサルタンツに是非一度、無料個別相談をお申し込みください♪