どろんこのジャガイモ
こんにちは、メルボルンの黒谷です。
5月に入り、今まで信じられないくらい暖かだったメルボルンの街でも
やっと秋らしい気配が感じられるようになりました。
本年度4月生の皆さんも間もなく到着一ヶ月を迎えます。
ワクワクドキドキの日本出発、メルボルン到着から、緊張のホストとの対面そして初登校日。
新入生の皆さんは、毎日ものすごい量の新しい情報の嵐の中を、
不安な気持ちになりながらも少しずつ、そして確実に新生活のリズムを身に付けていきます。
ホームステイでのルール、スクールバスの乗り方やチケットの買い方など、
ステイ先から学校までの行き帰りに自信を持てるようになるには、少なくとも1週間かかります。
学校では、先生とクラスメイトの顔と名前を覚えることから始まり、
日本とは違った参加型の授業に戸惑いながらも、“楽しいと”感じられるようになってきます。
[caption id="attachment_713" align="aligncenter" width="300" caption="新入生の学校での一コマ"][/caption]
週末や放課後は近くのショッピングセンターなどにも一人で行けるようになり、
どこのお店に行けば何が買える、お店は何時に閉まるなど
自分で様々な体験をしながら自信を付けていきます。
オーストラリアでは日本とは国土の広さ、交通機関の違いから、
どこに行くにも目的地までの行き方、交通機関の有無、地図を片手に
または少なくとも地図で確認してから外出というのがごく日常的なことです。
生徒さんにとってもまずは土地勘を身に付けること、海外で自分の身を自分で守る、
安全の確保の必要性を感じることでしょう。
そして、留学生の皆さんが決まって質問することがあります。
まず一つ目は“やっぱり二年くらいここにいたら英語はペラペラになりますか?”
答えは残念ながら“NO”です。
やはりそれなりの、というかものすごい努力は必要だと思います。
移住から何年経過しても努力をしない人は
いつまで経っても“母国語の輪”の中でしか生活ができません。
二つ目の質問は“どうしたらお友達/親友はできますか?”
これは難しい質問ですね。でもこれも同じく“努力”を要します。
先日一人の生徒さんから同じ質問を受けました。
[caption id="attachment_718" align="aligncenter" width="300" caption="留学生同士の交流"][/caption]
私はこんな風に考えています。私達は“ジャガイモ”みたいなもの。
みんなお父さんお母さんの溢れる愛情と
たっぷりの栄養、太陽のような暖かい環境で育ったジャガイモ。
でもみんな形や大きさはまちまちです、そしてドロンコです。
英語がペラペラに話せるようになるにも、沢山のお友達を作るにも、
必要なのは人の輪の中に飛び込むことです。
ドロンコのジャガイモもバケツの綺麗な水の中に入る、
そして他のジャガイモの入ってくると綺麗な水もドロドロになってくる。
沢山のドロンコのジャガイモでもお互いがこすり合い、かき混ぜられてこそ鍛えられ強くなります。
そしてバケツから取り出したときには、すっかり“洗礼されたジャガイモ”になっています。
英語が上手くなりたかったら、ドロンコの水に飛び込むことを恐れないこと、
とにかく人と触れ合う機会を沢山持つことですね。
気の合うお友達を沢山作りたかったら、まずは出来るだけ多くの人と関わること。
関わることで自分と同じサイズの気の合うジャガイモに必ずめぐり合えるはずです。
でも肝心なのは焦らないことです。焦って強くこすりあっても傷が付いてしまいます。
バケツの水も何度も換えなければ、“洗礼されたジャガイモ”にはなりませんからね。
ドロンコの水の中で余裕をもって、
他のドロンコのジャガイモ達と切磋琢磨して欲しいと思います。
[caption id="attachment_714" align="aligncenter" width="300" caption="メルボルンの夕焼け"][/caption]