国によって異なる教育制度。今回はニュージーランドの義務教育や、高校留学に深く関わる卒業後の大学についてご紹介します。
目次
①義務教育は高校1年生まで
・日本と比較したNZの年齢と学年
・義務教育でなくなると退学する人もいる?
②大学に行くことは当たり前じゃない!
・ポリテクニックなどの進路選択技
・日本とニュージーランドの大学に行くことの意味の違い
③ニュージーランドの大学は8つだけ!
・ニュージーランドの大学は全て国立
・NZの高校を卒業して大学に行くには?
義務教育は高校1年生まで
ニュージーランドの義務教育は、6~16歳ですが5歳の誕生日から小学校に入学ができます。ほとんどの高校が公立学校で、小学校から高校までの学年は”Year”で数えられ、Yaer1〜13まであります。1月下旬から1学期が始まり12月中旬に4学期が終わります。学期と学期の間は2週間ほどの休み(School Holiday)があり、12月〜1月が夏休みになります。高校1年生に値するYear11からNCEAの全国統一学力試験(The National Certificate of Educational Achievement (NCEA))が始まります。
日本と比較したNZの年齢と学年
ニュージーランドの学校は生年月日によって在学する学年(Year)が決まりますが、留学生の場合は英語力や学力、留学開始のタイミングなどによって学校側より学年を1つ下げることを勧められる場合もあります。また、学年途中の3学期などから開始する場合は、その年度の約半年は現地生活と学校生活に慣れるための期間として過ごし、翌年に同じ学年に再度在籍することもあります。
Secondary schoolと呼ばれる学校が日本の高校に該当し、Year9〜Year13の5年間です。現地の方の義務教育はYear11の16歳までですが、大学進学する学生はYear13まで通学し、大学入学資格(UE)を取得します。
義務教育でなくなると退学する人もいる?
16歳(Year11)の誕生日を過ぎると義務教育期間は終了します。自分の意思で学校を辞めることができますので、就職をしたりポリテクニック(Polytechnic-高等専門学校、あるいは短大に相当)に進学することもできます。ただし、ポリテクニックに進学する場合はYear12を終了しなければなりません。日本では義務教育を終了した後も高校に進学する学生がほとんどかと思いますが、ニュージーランドでは自分のなりたい仕事や将来に向けて別の道を選ぶ学生もいます。日本で過ごしていると珍しく感じるかもしれませんね。
大学に行くことは当たり前じゃない!
日本では「やりたいことは特にないけど何となく大学に進学しよう」という学生も多くいますが、ニュージーランドでは自分の進む道の方向性として大学に通う必要性を感じない学生は大学への進学をしません。社会人として自分の進みたい道があったり、先が決まっていない学生は学校生活では得られない経験を体験する時期としてGap yearを持ち進学を遅らせる学生もいます。そのような選択が一般的な背景には、日本と異なる教育機関のあり方が関係しています。
ポリテクニックなどの進路選択技
ニュージーランドには特定分野の研究など学術的な高等教育機関である大学の他に、技術や特別な知識を必要とする専門職に進む学生へ向けてポリテック(Polytechnic-高等専門学校、あるいは短大に相当)があります。このポリテクニックでは、大学同様に学士号などの学位も取得できます。そのため、学位を取得するためには必ず大学に行かなければいけないということではなく、自分が学びたい分野や内容にあわせて最適な進学先を選択するという考え方があります。ポリテクニックではより実践的な授業を受けることができ、企業も即戦力として積極的に採用しています。日本では所属していた大学の学部・学科にかかわらず、就職した会社で教育を受けて仕事を覚えていくような育成型が主流ですが、海外の選考では学校で何を学んできたか、就職して何ができるかが重視されるため、仕事で活きるスキルを学びながら学位が取得できるのは合理的なシステムかもしれません。
また、将来の方向性によってはポリテクニックの他にもダンスやドラマなどのスクールなどに通う学生もおります。その他、必ずしも進学という方だけではなく、ヘアドレッサーのように働きながらスキル習得を目指す学生もおります。
日本とニュージーランドの大学に行くことの意味の違い
日本では、自分が興味のある道に進むにあたって大学進学が最善という判断をして進学する学生ももちろんいますが、「就職が有利になるから」「皆が大学に進学しているから」などの理由で大学に進学する学生も多くいると思います。一方ニュージーランドでは、進学はあくまでも自分の学びたいことや進みたい道に繋げるための通り道という考え方で、やりたいことが決まっていないのに何となく大学に進学するという学生は多くありません。それには、先述のとおり、就職にあたって「何を学んできたか」「学んできたことが仕事でどのように活かせるか」を問われることも関係していると考えられます。また、進学をするために国から学生ローンを借りる学生もニュージーランドには多くいるため、専門知識を必要とする職や目指す方向が決まっている学生はその資格を取るために、大学ではなく専門学校に通うことも理由の一つと考えられます。
ニュージーランドの大学は8つだけ!
日本の大学の数は約800と言われていますが、ニュージーランドの大学はなんと8校のみ!日本の大学は4年制ですが、ニュージーランドの大学は3年制で、1年目から専攻科目について学んでいきます。ここではニュージーランドの大学と、ニュージーランドの高校を卒業した後の進学方法についてお話します。
ニュージーランドの大学は全て国立
ニュージーランドには8つの大学があり、8つ全てが国立です。大学により提供するコースや力を入れているコースに違いがあるため、学びたい分野にあった大学を選んでいきます。ニュージーランドの8つの大学は以下のとおりです。
- The University of Auckland オークランド大学
- AUT(Auckland University of Technology) オークランド工科大学
- University of Waikato ワイカト大学
- Massey University マッセー大学
- Victoria University of Wellington ビクトリア大学
- University of Canterbury カンタベリー大学
- Lincoln University リンカーン大学
- University of Otago オタゴ大学
NZの高校を卒業して大学に行くには?
ニュージーランドの高校を卒業してニュージーランドの大学に進学する場合は、UE(大学入学資格)を取得している必要があります。UE取得には、在学中にUE取得のための規定の単位を取ることが必要です。必要な単位の詳細や、日本の大学に進学する場合に必要な要件は、本ブログの『ニュージーランドの教育システム「NCEA」を徹底解説!』をご覧ください。
高校3年生になると、各大学・コースの出願時期を確認し、必要な書類を整えて学生が自分で出願します。大学選びや進学にあたって分からないことや相談したいことがある場合は、高校の担当者が相談にのってくれます。ニュージーランドの高校生は、11月〜12月に全国統一のNCEAの試験を受け、最終結果が1月上旬〜中旬頃に確定します。その結果を受けて、大学の合否が決まります。
将来進学したい大学や国、分野などが決まっている場合は、それをもとに高校留学する国を決めることも可能です。将来の進路も含めて高校を検討したい方は、お気軽にICCの無料個別相談にお問い合わせください!