ボキャブラリーを増やすために、ハリーポッターの原書を全巻読破しました!
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期 間:2010年4月~12月
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国:ニュージーランド
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地 域:ネルソン
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高 校:Nelson College for Girls
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神奈川県出身。高校1年の2010年4月より、NZ南島のネルソンにあるNelson College for Girls(女子校)に1年間留学。昨年末に帰国し、日本の高校へ復学。現地では、寮生活を体験した。
将来、国際的な仕事に就きたいと考えていて、自分の視野を広げたいと考えたからです。留学するなら高校のうちにしておきたいと思い、高校1年の時に留学しました。
英会話学校に通いました。1年間の留学を終えた後は、留年せずに元の学年に戻るつもりで、そのためには一定の成績をとらなければいけなかったので、英語の勉強だけでなく、学校の勉強もしました。
アメリカやイギリスだと治安や時差の面で心配だと母が言ったので、比較的安全で、親日派が多いというニュージーランドを選びました。祖父の知り合いがニュージーランドにいたことも理由のひとつです。私も、アメリカやイギリスでは定番すぎる感じがして、違う場所に行ってみたいなあ、というのもありました。
クライストチャーチ近くのリトルトンという街に行ったときの写真です。ロープウェイで山の上の方まで行きました
静かで穏やかで、とても住みやすい街でした。観光地としては、ちょっと物足りないのかもしれませんが、住んでこそ魅力がわかるところだと思います。私は大都市があまり好きではないし、静かで勉強するには最適だったので、ネルソンは私にとっては最高の場所でした。留学当時は時間がたくさんあったのでよく1人で散歩をしたのですが、自然を身近に感じられて、景色がすごく気に入っていました。
Nelson College for Girlsは女子校で、近くに同系列の男子校もありました。留学生が多く、日本、韓国、台湾、香港、タイ、中国、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、ネパール、チリなどの国から合計50人弱くらいの留学生がいました。ヨーロッパの子はアジア人よりも英語が話せるために、ニュージーランドの子の中に混じってしまうので、留学生という感じはしません。それに比べて、アジア人は国籍ごとに固まってしまう傾向があり、ニュージーランドの子と距離ができてしまっていたので、留学生グループから抜けて、積極的に現地の学生に関わっていくことが、私の課題でした。
まず、発音の矯正からはじめました。父からもらった「英語耳」という本が、発音矯正にちょうどよかったので、その本を見て毎日練習しました。文法は、学校で使っていた「Forrest」という問題集を使って勉強しました。また、語彙を増やすために、日本語版で読んだことがあったハリーポッターの原書を全巻買って読みました。最初は1ページ読むのに、1時間ぐらいかかりましたが、最終巻を読む頃には1冊読み終わるのに1週間かからないほどになっていました。経験上からも、多読は本当におすすめです。読解力があがるだけではなく、正しい文法を身につけられるようにもなります!
ニュージーランドでは英語や数学以外の教科がほとんど選択制で、あまり科目を選べない日本と違って、すごく自由だと感じました。授業はすべて移動教室で、先生は自分の担当の教室にいて授業を教えるスタイルで、日本とは逆でした。また、日本のようにクラス替えというものはなく、個人で時間割が違うので「同じクラス」という感覚はあまりありませんでした。その代わり、朝の会?のようなものをやるTutor Classというものがあって、このクラスは基本的に卒業するまでメンバーと先生は変わりません。生徒のやりたいことをさせてくれる、自主性を重んじる学校で、とても魅力的でした。
特に違ったのは運動会のやり方です。絶対4種目以上出場しなければならず、種目が100、200、400、800メートル走や円盤投げ、槍投げ、ハンドボール投げ、高跳び、走り幅跳びなど、まるでオリンピックのような感じ。しかも練習時間はゼロで、本当に驚きました。ハリーポッターの組み分けと同じように5つのハウス(入学から卒業までハウスは変わりません)があり、運動会や演劇大会など、ハウス対抗の学校行事で点数を稼ぎ、年度末にもらえるハウスカップを競います。なので、運動会の勝ち負けだけで、総合優勝ができるわけではないのです。
Ballの写真。フォーマルなものではなく、かなりおふざけが入った仮装パーティのようなものでした
音楽と留学生向けの英語のクラスでした。音楽のクラスは日本とは全く違っていて、授業に参加した瞬間から、作曲やアレンジをするように言われました。机はあまり使わず、椅子を持ち寄って円をつくり、CDを聞きながら、その音楽について話し合ったりしたこともありました。テストでも、CDを聞いて音符やコードを書き込んだりと、結構本格的でした。音楽の授業はやりたい子しか授業を取らないので、全員何かの楽器を演奏できて、レベルも高くて驚きました。毎月、学校で小規模なリサイタルがあり、そのリサイタルに出ることで、単位がもらえたりするなど、とても実践的で楽しかったです。音楽やスポーツなどに参加すると、現地の友達ができやすいので、音楽や体育、演劇などのクラスを取ることをおすすめします。
留学生向け英語のクラスは、英語上達にものすごく役立ちました。特に、先生がとても良かったです。先生によく相談したりしたことで、英語も上達したのだと思います。
苦労したのはFoodのクラスでした。意外とライティングが多く、しかも使われている英語が専門的で難しかったです。最初はレシピも上手く読めず、苦労しました。
週に一度、学校全体の集会があったのですが、年度末に、最上級生が企画したパロディのようなものをしていました。先生は全員、後ろに立っていて、生徒たちが先生の物真似をして、集会を進めていました。物真似のクオリティが高く、よく先生のことを知らない私でも、思わず笑ってしまいました。
母や友達に電話をすることです。特に母とは以前からよく話していたので、ホームシック対策のためにも、電話は欠かせませんでした。
朝7時に起きて朝食を食べ、8時35分に朝の会があって、8時45分には学校に行き、15時15分には寮に帰って18時に夕食を食べ、勉強してシャワーを浴びて22時に寝る、という規則正しい生活を毎日繰り返していました。夕食後の18時45分から20時まで、強制的に勉強時間が設けられていました。最上級生以外はほとんど2人部屋になるのですが、扉の代わりにカーテンをひいているため、1フロアに20人が共同生活しているような感じでした。幸い私はルームメイトに恵まれたため、快適に過ごすことができたし、部屋に仕切りがないことで、たくさんの子と関わることができたので、寮を選んでよかったなと思いました。音が筒抜けなので、音楽を聴くときはスピーカーを使って全員で共有したり、部屋の中から遠い部屋の子に話しかけていたのがすごく面白かったし、フレンドリーでした。
運動会です。写っている子は全員寮生なので、ハウスカラーの紫色の服を着ています
思ったほど不味いとは感じませんでした。むしろこれも異文化だと思い、積極的に食べました。好きだった食べ物は日曜のブランチメニューだった目玉焼き、ハッシュドポテト、ベーコンなど。週末は、フライドポテトなど、ジャンクフードのようなものも多かったです。ちなみにご飯も毎日出ました。
最近は忙しくてあまり連絡がとれていませんが、時間があれば手紙を送ったり、Facebookを利用して連絡しています。
帰国前に、レストランでお別れパーティをしました。左の子は私のルームメイト
日本人のいいところに気づきました。他人に配慮できたり、礼儀正しくてきれい好きなところです。NZ人はフレンドリーなのですが、たまに自由すぎたり、度を越えることもありました。また日本人は時間にも正確です。NZは日本に比べると時間にルーズで「ニュージーランド時間」というものがあり、バスが5分遅れてくることなどが多々ありました。
国際系の大学に行ってさまざまな経験を積んだ後、国際連合に入って仕事をしたいなと思っています。
昔はわがままで配慮に欠ける言動をしていたのですが、性格が少し柔らかくなり、冷静に物事を判断できるようになったと思います。現地で寮生活だったこともあって、自立心が芽生え、ちょっとのことでは動じなくなりました。それから、人のことを第一印象だけで決め付けなくなりました。また、「留学をやりきったんだ」という達成感が自信につながり、何事も諦めずに頑張ってみようという姿勢に変わりました。
8月に家族と旅したミルフォードサウンドです。雄大でとても感動しました
「大学に行ってからでも留学できる。今はまだ早いかも」と思っている人には、ぜひ高校生のうちに留学することをおすすめします。語学の習得は早いほど良いですし、若いうちに親元を離れ、外から日本を見ることで、世界の広さに愕然とするはずです。留学は楽しいだけではなく、辛いことや苦しいこともありますが、留学で得られるものは計り知れません。英語が上達するだけでなく、精神的にも成長できます。留学を決断する際は「親がすすめるから」という理由ではなく、自分自身が留学したいかどうかをよく自問してください。そして、少しでもその気持ちがあるのなら、もう少し深く考えてみてください。応援しています!