"Be independent(自立しなさい)"から始まった留学生活
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期 間:2022年2月〜2024年1月
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国:カナダ
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地 域:ミッション
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高 校:Mission Secondary School
僕は日本の中高一貫校に通っていたのですが、中学3年生のときにこのまま同じクラスメイト、同じ環境、そして同じように大学を目指すことに違和感を感じたためです。ちょうどその時期に周りの大人達から早めに海外を経験しておくと良いとアドバイスをいただいたため、それに後押しされる形で留学を決めました。
実は僕は最初2020年の4月からニュージーランドへ行く予定でした。しかしコロナウイルスの影響でロックダウンを早い時期から行っていたニュージーランドへの入国はできなくなってしまいました。しかし留学したいという意思に変わりはなかったのでしばらくロックダウンが解除されるのを待っていましたが、なかなか厳しい状況が続いた為通信制高校に1年通い単位を修得すると同時に、ICCと提携があるカナダの高校へ進学先を変更しました。具体的な理由といえばカナダしか選択肢がなかったになりますかね(笑)。当時は特別思い入れもなかったです(笑)。
コロナとの共生が始まって初期の頃は、僕のように留学が決まっていても渡航できない学生の為にICCがオンライン高校留学というプログラムを提供してくれました。その後は僕が入学するはずだったニュージーランドの現地校も同じようにオンラインの講座を提供してくれました。
まずは1月に渡航予定でしたので選択肢があまり多くない状況でした。その限られた選択肢の中で僕の条件として都会から離れた学校がよかったのですが、休みの日に出かけたい部分もあったので程よくバンクーバーから離れたミッションを選択しました。
圧倒的に自由だったと思います。 一般的な日本の高校は時間割が最初から決まっていると思うのですが、カナダは一人一人時間割が異なり大学のように授業を選ぶことができることが大きな違いかなと思います。あとは自分の意見を聞かれることが日本より多かったような気がします。日本は授業の中で先生が一方的に伝えてくることが多いと思うのですが、カナダは先生から自分の意見を求められたことが多かったです。そして驚いたのが大学に進学することが当たり前ではないということです。キャリア形成に関する授業を受けたとき、卒業して働く人、専門学校に行く人が大半で、4年制の大学へ進学する人がマイノリティであるということは今まで大学に進学するのが当たり前のように思っていた僕にとっては衝撃的なことでした。
英数理社の必修科目はもちろんのこと、日本では珍しいものでいうと心理学、会計学などを履修していました。あとは“career life education”, “career life connection”という授業があり、この授業の時間が好きでした。この授業は卒業するためには必修なのですが自分の今後のキャリアについて考えるので、僕の場合は授業の中で大学選びをするなどして有意義に使えました。また並行して “Capstone project” というものがあり、高校生活の集大成となるプロジェクトやプレゼンテーションを制作するのですが、プログラミングをしてゲームをつくる人、アイスバケツチャレンジをする人、自分で音楽を作詞作曲する人など個性豊かで面白かったです。ちなみに僕は小学校へ行き5,6年生たちに向けた書道体験の授業をしました(笑)。
Capstone(書道体験の授業)
留学生向けのイベントで行ったアイスホッケーの試合ですかね。やはりカナダといえばアイスホッケーのイメージ通り、皆で叫びながら観戦しました。
アイスホッケー
僕はホームステイでした。2年間変えることはなく同じ家族のもとで暮らすことができました。ルーマニア系の家族で家族同士はルーマニア語で会話しているような家族でした。とても驚きましたが多民族国家のカナダでは家の中で様々な言語が飛び交うことはそれほど珍しくはないようです。印象深かったことが、空港から家へ向かっているときホストファザーから”Be independent”(自立しなさい)と言われ、決して子供扱いされることなく掃除洗濯などをこなしていました。今振り返ると充実していましたが、最初のうちは食事に慣れるのに時間がかかったり伝えたいことが上手く伝わらなかったり、色々ありましたが月日を重ねるにつれ楽しく生活できるようになりました。クリスチャンの家系だったのでイースターをお祝いしたり、ボートに乗って湖で遊んだり貴重な経験ができました。
分からないことはとにかく分かるまで聞くということです。
留学初期はバンクーバーへ行き観光したり日本食レストランに行ったりしましたが、いつの間にか家でのんびりしたり課題したりすることが多くなりました。長い休みのときには気晴らしに海へ行ったりもしました。
最初にできた友達がカナダ人をたくさん紹介してくれたおかげで苦労はしなかったです。他の国から来た留学生はドイツやメキシコが多かったのですが、留学生向けのイベントがきっかけで友達になることが多かったです。また普段の授業でもグループワークやディスカッション形式のものも多いので親交を深めるきっかけになると思います。もし不安なら体育や音楽、家庭科(裁縫)など非言語コミュニケーション系の授業を取るともっと簡単かなと思います。
プロム(お世話になった先生方と)
ちょうど日本食ロスになっていたときに作っていただいた唐揚げは涙が出るほど美味しかったです。あとはアドバイザーの家族とボードゲームしたことですね。熱中していました。
大学に進学するのはもともと決まっていたので迷うことはありませんでした。具体的に大学の候補を決めたのは卒業から約1年前には絞っていました。
多くの国からの留学生が派遣されているということ。クアラルンプール都市圏で日頃の生活に困らないこと。リベラルアーツで様々なことが学べること。この3つです。
おそらく高校留学していなかったらそのまま日本の大学を目指していたと思います。それが良い悪いではなくて高校留学を経て多様な背景を持つ人々との交流が、僕が今専攻している社会科学や国際関係学といった人と社会に関わる分野への関心が深まった原点だと思っています。そして高校留学の経験からまだまだ海外で挑戦したいという想いが一層強くなりました。その思いから僕は今マレーシアにいるのだと思います。
同級生1
僕の場合、入学に必要なのは「成績証明書」と「IELTSの結果」この2つだったのでまずは学校の成績をしっかり残せるように日頃から勉強していました。
進路相談で工藤先生には何度か相談させていただきました。また現地のアドバイザー(ゆきさん)にも親身に相談にのっていただいたので大いに選択に役立ちました。
同級生2
当たり前が当たり前ではなくなったということです。そして文化への理解が深まったということです。日本にいた頃より価値観や考え方に多様性が生まれ柔軟な考え方ができるようになったと思います。また失敗を恐れずにチャレンジできるようになったと思います。
英語の勉強というのは大人の皆さんから口酸っぱく言われていると思うので、僕からは違う視点から2つアドバイスさせていただきます。
1つ目、ぜひ渡航前に「日本のこと」を勉強してほしいです。みなさんが海外へ行き自己紹介をしたとき“I’m Japanese”と言って相手から嫌な顔をされることはないでしょう。僕の経験上はありませんでした。大抵相手は自分が知っている日本のことを話してくれたり、質問してきたりします。そのなか自信を持って答えたいはずです。すぐに友達になるきっかけとなる可能性が大いにあると思います。 アカデミックな歴史のことでも構いませんしアニメ、マンガ、ゲームまたは日本車のことでもいいかもしれません。日本人であるという大きなアドバンテージを活かすためにも少しだけ日本のことも勉強してみることをおすすめします!
2つ目、どんなことでも失敗したら恥ずかしいと思います。ですがあなたの失敗はあなたしか覚えていません。チャレンジしたということに価値がありその積み重ねが大きなものになると信じています。見切り発車でもいいのでやってみてください。そして楽しんでください。