MBA Formal Dinnerでスピーチしたことが
大きな自信につながりました
参加コース:オーストラリア大学院留学プログラム
留学期間:2008年2月〜2009年12月
留学先:マッコーリー大学・ビジネススクール(MGSM)
大学で経済学を学び、外資系金融会社でキャリアを積んだのち、2008年2月よりシドニーにあるマッコーリー大学・ビジネススクール(MGSM:Macquarie Graduate School of Management)にMBA留学。2009年12月に卒業し、留学前の勤務先に復職した。
中国への企業訪問ツアーにも参加しました
Strategic Managementの授業風景
同期入学の友人たちと
マッコーリー大学のキャンパス
MBA終了後のWeddingには、現地の友達もたくさん駆けつけてくれました
同期入学と前期入学の生徒とのグループ写真
Q:キャリアを中断して、MBA留学をしようと思ったのはなぜですか?
A:大学卒業後、外資系金融で5年半、カードのプロダクトマネージャーをしていました。MBA留学をしようと思ったのは入社4年目、COOが発足した4名のプロジェクトチームメンバーに選任された時からです。自分たちで考えてきたアイディアを実際のサービスとして市場に出すというプロジェクトでしたが、アイディアまでは出たものの、それをサービス化に持っていく過程で、自分のビジネスの知識がなさ過ぎて苦労したので、ビジネス全体の仕組みを体系的に勉強してみたいと思ったのが留学のきっかけです。2008年に会社を休職し、渡豪しました。
Q:MGSMは世界的に評価の高いビジネススクールですが、留学先としてMGSMを選んだ理由は?
A:もともと高校のときにオーストラリアへ1年間の交換留学をしていたこともあり、オーストラリアという国には親しみがあったことと、MGSMの入学の条件に「5年以上のビジネス経験」とあり、レベルの高い人たちと一緒に学べると思ったからです。卒業生の質が非常に高いという評判も、動機のひとつになりました。また、1年間でMBAの勉強できるところが、時間の面でも経済面でも非常に魅力的でした。
Q:MGSMのキャンパス、立地、施設など、就学環境はいかがでしたか?
A:マッコーリー大学のゴルフ場のような広大なキャンパスの一角にあり、緑が多く「海外のキャンパス!」という感じのする大学です。近くには、シドニー近郊一大きいショッピングセンターがあり、買いものにも困りません。また、シドニー市街地のサーキュラキーの近くにも校舎があり、夜はそこでも授業をしています。
Q:大学院で履修した科目を教えてください。
A:Term 1では、マーケティング、組織行動論、アカウンティング、統計学。Term2では、広告プロモーション戦略、International Perspectives in Management: China Study tour(Term 4で中国でビジネスをする会社訪問をするためのリサーチ)、ファイナンシャルマネージメント、ヒューマンリソースマネージメント。Term3では、哲学、オペレーションマネージメント、戦略マーケティング、Public Performance for managers (スピーチ)。Term4では、戦略マネージメント、International Perspectives in Management: China Study tour(中国の会社訪問)、経済学、Competition and Strategy in Asia Pacific。
Q:MGSMは、現地ビジネスマンからもニーズが高いことで知られていますが、クラスメイトにはどんな経歴の方がいましたか?
A:Full time Studentは、会社を一旦やめたり、休職して来ていました。年齢で分けると、International Studentは若干年齢が若めで28歳〜30歳前後。過去の経歴は、エンジニア、マーケティング、会計士、財務、医者、セールスなどさまざまでした。国籍で一番多かったのは、チリ、ペルー、メキシコなどの南米系、インド、インドネシア、マレーシア、韓国などで、日本人は私1人でした。現地のオーストラリア人学生は40歳前後の人が多く、マネージメントポジションについている方が多かったように思います。人数でいうとオーストラリア人が占める割合は、同期の3割くらい。
仕事の後で夜の授業に出るPart time Studentと呼ばれる学生は、ほぼ現地の人で構成されていました。それこそ職種はさまざまで、金融、ファッションブランドのブランドマネージャー、人事、経済アナリストなど。
Q:印象に残っている授業やプロジェクトを語ってください。
A:次の3つの授業が特に印象的でした。
■オペレーションマネージメント
いかに効率よくビジネスを進めるかという内容で、トヨタを始め、日本の最新技術などの話がバンバン出てきました。授業では、先生や生徒から私に質問が飛んでくるため、それに備えて下調べを積極的にしました。授業は講義ばかりではありません。サプライチェーンを理解するために、ビアゲームというゲームで勉強したり、在庫管理をするための管理方法をゲーム形式で実際にやってみたりと、とてもユニークな授業でした。
■International Perspectives in Management: China Study tour(中国の会社訪問)
総勢12名で上海と北京の2都市を2週間かけてまわり、海外から進出して中国でビジネスをしている会社を12社訪問しました。International Studentは私だけで、あとの11人はオーストラリア人だったため、言葉の壁を非常に心配していましたが、このツアーに参加したことで私の英語力が一気にアップしたと思えるくらい楽しい2週間でした。毎日、会社訪問の後は皆で観光したり、クラブで夜中まで飲んで騒いで、アフター5が非常に充実していました。ただ、ツアーの後に30枚のレポートを提出しなければいけなかったことは非常につらかったですが…。ツアーで親しくなった仲間とは、今でも定期的に連絡を取っています。
■Public Performance for managers (スピーチ)
世の中で成功しているスピーチを研究して、それを実践するクラスです。オバマ大統領の就任演説やキング牧師などの過去の名スピーチを分析し、スピーチのテクニックを学び、自分のスピーチを作っていきました。実践的な授業で非常に役に立ちましたが、緊張の連続で何度も逃げたくなりました。クラス43名の中で、International Studentは3名だけ。現地人の中でスピーチするだけでなく、即興でディベートをさせられることもあり、本当に胃が痛かったこともありました。でも、ある時、先生から「頭の中に、人からどう見られているのかを気にする小悪魔がいる。彼を追い出しちゃいなさい」と言われました。それを言われた途端、ふっと力が抜けて、緊張せずにできるようになった経験があります。「人と比べない。私は私らしくやればいいのだ。どうぜ第一言語じゃないんだから!」と開き直れたのです。
Q:前述の中国への企業訪問ツアーについて、詳しく教えて下さい。
A:今、中国が世界的に注目されていますが、海外企業が中国でビジネスするにあたり、障害になっているものは何か、どうやったらうまくやっていけるのかといったことを集中的に勉強しました。Term2からウェブサイトや論文などで情報収集をはじめ、Term 3とTerm4の間の2週間で実際に企業を訪問し、自分たちの目で確かめるというものでした。授業としても非常に有意義でしたが、そこで仲間と過ごした時間が本当にいい思い出になりました。
Q:大学院の授業で苦労した点は?
A:やはり言葉の壁。仕事で多少なりとも英語は使っていましたが、24時間365日英語で論文や教科書を読み、レポートを仕上げて、ディスカッションすることは、容易ではありませんでした。特にTerm1が始まった頃は、友達もいないシドニーで英語も不慣れ。授業は全部必須科目なので「1日が24時間なんて足りない!」と真剣に思っていました。しかし、人間には学習能力が備わっているものです。友達ができて、勉強で手を抜いても大丈夫なところがわかってくると、一気に気持ちが楽になりました。
Q:オーストラリアで学んでよかった、と思う点は?
A:3つあります。1番は、移民を多く受け入れているマルチカルチャーというところ。日本のように日本人がほとんどで、外国人が珍しいということはあまりありません。移民が多いため、違うカルチャーを受け入れる土壌がしっかりしていて、非常に居心地がよかったです。2つ目は現地のオーストラリア人の陽気で明るい国民性。せっかちなところがなく、のんびりゆったりとしていて、こちらもそんな気持ちにさせられました。3つ目は天候です。湿気がなく、からっとしていて、空が青くスカッとしていることが多く、とても気持ちよく過ごせました。
Q:勉強以外ではどのようにシドニー滞在を楽しみましたか?
A:Termごとに学校主催の打ち上げがあり、みんなでよく飲み明かしました。また、日本にいた時から付き合っていた彼と「MBAが終わったら、シドニーで結婚式を挙げよう」ということになり、ドレスや指輪を買ったり、教会やレストランの下見、日本から来てくれる人たちの宿泊の手配など、授業以上に準備が大変でした。でも、結婚式には現地の友人がたくさん集まって祝福してくれて、一生の思い出になりました。
Q:MBA留学の経験は、ご自身のキャリアパスにどう影響したとお考えですか?
A:技術的なスキルというよりも、大変な1年を乗り越えたことで、自信がついたことが一番大きな収穫だったと思います。在学中に英語がブラッシュアップされたことは事実ですが、人とコミュニケーションをとる際は英語の流暢さよりも、伝えたい内容とその気持ちが一番大切であるということに気づきました。
MGSMでは、MBA Formal Dinnerといって、1年を締めくくるディナーパーティを開催するのですが、学生側の主催者から「International Studentとして、MGSMで過ごしたMBAライフについて話してほしい」とスピーチを頼まれました。私は、英語が格別うまいわけではありません。上手な人はほかにたくさんいます。私にスピーチのチャンスを与えてくれたのは「日ごろ、あなたが発信する情報がいつも新鮮で面白いから」と言ってくれました。
Dinner当日は、授業で習ったスピーチのテクニックを散りばめながら話し、オーストラリアに来て感じたことや苦労したこと、素晴しい体験をしたことなどを伝えたところ、非常に反響がよく、中には何人か涙を流している人がいて、最後にはいろいろな人が挨拶をしに来てくれました。
この経験は、私の中で非常に大きな自信につながりました。英語が第一言語でなくても、中味や発信する情報に興味を持ってもらえれば、人に感動を与えることができるということを学び、この自信が、海外とやりとりすることへの不安を払拭してくれました。そういう意味で、今後のキャリアパスの選択肢が広がったと思います。
Q:今後の展望について教えてください。
A:大学院でアジアでのビジネスの授業を多く取ったので、今後はそういった方面にも視野を広げたいと思っています。
Q:これからMGSMを目指そうとされる方へ、アドバイスをお願いします。
A:日本のことについて、よく知っておいたほうがいいと思います。いま日本は不況下にはあるものの、世界からの注目度は依然として高いため、授業で先生や生徒から発言を求められることが多いです。授業で自分の国について話せると自分もうれしいし、クラスにも貢献できるので、非常にいいと思います。
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