インターン体験を活かし、帰国後は美術教師としてのキャリアをスタート
留学期間:2009年9月〜2010年8月(BC41期)
留学先:IBPプログラム・ベルビューカレッジコース
インターン先:The Children's Museum, Seattle
1986年生まれ、東京都出身。女子美術大学卒業後にテンプグループ・ユースインターナショナル・スカラシップでIBPベルビューカレッジへ留学。インターン先はThe Children's Museum, Seattle。エデュケーターとして、子供たちにアートを通して日本文化を伝えた。帰国後は私立中高一貫校の美術教師として勤務。
留学中、展覧会に自分の作品を出品しました
Suclptureの先生のアトリエに行った際に、お手伝い役に指名していただき、クレーンを操作しました。アメリカは、グローブもマスクも大きかったです
卒業式。いつも元気で誰よりパワフルなhost mom と、いつも誰よりも応援してくれたbrotherが来てくれました
1年間一緒に過ごした大好きなhost family
ラスベガスへの旅行中、カジノでの写真。韓国人の友達がたくさんできました
展覧会の初日、先生方と
Q:大学卒業直後に留学されたそうですが、留学の動機を教えて下さい。
A:大学で美術を専攻していたのですが、美術の可能性に惹かれながらも、将来への漠然とした不安を抱えていました。美術への想いだけでは経済的に困難になるのではと考え、ビジネスについて学ぶ必要性を感じたからです。大学3年生の夏にLAのUCLAに短期留学した際、人々の美術への関心の強さに驚き、アメリカで勉強したいと思いました。
Q:なぜIBPプログラムを選ばれたのでしょうか?
A:すでに大学を卒業していたので、帰国後の就職を考えると1年という長さが最適だったこと、語学だけではなく、ビジネスやビジネス英語を学べて、さらにインターンシップもできるという点に惹かれ、このプログラムを選びました。
Q:BCコースを選択した理由は?
A:初めはUWを希望していましたが、ICCのスタッフの方に相談したところ「BCは現地のクレジットクラスを選択できるため、ビジネスと美術の両方を勉強することが可能」ということでした。作品制作や展覧会などもできるのではないかという期待もあり、BCに決めました。
Q:1年間の留学で達成しようと思っていた目標は?
A:展覧会をすることと、英語で電話をする恐怖感をなくすことです。
Q:日本の学生と現地の学生(留学生含め)の違いは?
A:授業に非常に意欲的で、討論が盛んなところです。年齢も国籍も多様で、それぞれが明確な目的を持って勉強していることに感動しました。
Q:特に印象に残っている授業はありますか?
A:Sculptureの授業が印象に残っています。授業にスピード感があって、一学期間にいくつもの課題をこなさなければいけませんでした。日本人が私1人だったことや、彫刻は自分の得意分野だったこともあり、この授業をとったことで英語力が伸びました。課題が終わると講評会があるのですが,日本と違って学生主体で作品に対する討論が次々と行われ、たくさんの質問を受けました。その質問一つ一つに答えられた時はとても達成感があり、話し合い、理解し合うことに喜びを感じました。
特別授業では先生の広大なアトリエに呼んでいただき、ブロンズ鋳造を体験しました。この授業を通じて、先生の知り合いのアーティストやクラスメイトと仲良くなり、休日に一緒に美術館に行ったり、美術について語り合ったりするようになりました。
Q:留学中、勉強以外に熱中していたことはありますか?
A:Sculptureの先生から、展覧会への作品出展のお誘いをいただき、WALTArtというグループの展覧会に、作品を出展できたことです。BCのアート専攻の学生と物理専攻の学生が共同で一つの展覧会を作り上げました。自分の作品が会場に設置された時は、感動して涙が出そうになりました。
Q:インターン体験について教えてください。
A:The Children's Museum, Seattleでeducatorとして、子供にartを教えたり、一緒に遊んだりしました。日本人のスタッフは私1人だったので「日本の文化をartを通して伝えてほしい」と言われ、おりがみの授業をしたり、テルテル坊主の作り方を教えたりしました。日本から持っていった和紙や千代紙は大人気で、私自身が日本の色やデザインの美しさを再認識しました。
Q:インターン中に苦労したことはありますか。
A:インターンでは本当に毎日壁にぶつかってばかりでしたが、一番難しかったことは、保護者の方に話す英語と、子供に話す英語を使い分けなければいけなかったことです。これは留学中に毎日やっていたことなのですが、メモを持ち歩き、聞こえたフレーズや知らない単語をメモして、家に帰ったらすべて調べるということをインターン中にもやりました。他のスタッフの人がどうやって保護者の人に説明をしているか、また子供たちとはどのように会話をしているのかを聞き、メモして覚えました。通じないときは、何度も違う言い回しを試しました。
Q:インターン体験によって得たものはどんなことですか?
A:コミュニケーション能力がついたと思います。大人の人とは、きちんとしたビジネス英語で、子供たちには親しみを持てる話し方でと使い分けることができるようになりました。英語が全く話せない子供も多くいたので、そんな時は絵を描いたり、折り紙をすばやく折って見せたり、語学以外のコミュニケーションの方法もたくさん考えました。一人ひとりに合わせて伝え方を工夫したことが、コミュニケーション能力の向上に大きく関わっていると思います。
Q:インターン以外に、何かボランティアはしましたか?
A:IBPの同期生が企画した「日系アメリカ人と一緒におにぎりを作るイベント」でボランティアをしました。シアトルに住む日系アメリカ人と知り合い、違った角度から日本を見ることができるようになりました。また、週に1度ギャラリーのお手伝いもさせてもらい、お客さんやアーティストの方と話すことで、日本とアメリカの美術に関する意識の違いなども学ぶことができました。
Q:ホームステイはいかがでしたか?
A:1年間ホストファミリーと暮らしましたが、この家族と出会えたことが、何よりもかけがえのない宝物です。思い出はたくさんあるのですが、印象に強く残っているのは、TOEFL Testの当日朝、host sisterが「がんばれ!!」というようなメッセージをたくさん書いた手紙をキッチンに残してくれたこと、Momが「You can do it」を10回も留守番電話に残してくれたこと。それにも関わらずテストに落ちてしまい、抱き合って一緒に大泣きしたこと、最後に合格した時は、Dadが私を抱き上げて喜んでくれたことです。本当に家族として迎え入れて接してくれました。彼らはこれからもずっと私の大切な家族です。
Q:就職活動はどのように行いましたか?
A:帰国前の7月頃からWebで企業研究を少しずつ始めました。履歴書を書き、添削していただいたのもこの時期です。帰国後は就職支援サイトに登録し、母校のキャリア支援センターを利用するなど、本格的に就職活動を始めました。初めは業種を絞らず、少しでも興味を持ったら説明会に出席し、多くの企業を見るようにしました。母校には週3日ほど通い、採用の情報を集めました。そのなかの一つに、ずっと興味のあった美術科教論の募集があったので、応募しました。教職の専攻は倍率が高く、通常、教師の経験が重視されるのですが、美術だけではなくビジネスを学んだことや、アメリカの教育機関でインターンをしたことが評価され、内定をいただくことができました。
Q:1月から仕事をスタートされるそうですが、留学やインターンの経験はどのように役立つと思いますか?
A:私学の美術科教論として、中高生の美術科の授業を担当します。また来年時からは担任の業務もあります。インターンでは子供たちの教育に関わる仕事をしたので、そこで学んだ子供たちの視点や特性を踏まえて授業に臨むことができると思います。また、現代の教育の問題点や課題点、アメリカと日本の教育の違いについて学んだことを、授業や生徒とのコミュニケーションに活かしていきたいと思います。
Q:振り返って、IBP留学は三科さんにとって、どんな意味があったと思いますか?
A:人と真剣に関わることの大切さを再認識した1年間でした。語学を学ぶことが大きな目標でしたが、語学は1年間に学んだことの中のほんの少しの要素に過ぎませんでした。たくさんの人との出会いが、やりたいことを追求する勇気を私に与えてくれました。
Q:ICCの現地サポートについて感想をお聞かせください。
A:現地で風邪をひいた時はとても心細かったのですが、ICCのスタッフの方が病院へ付き添ってくださり安心でした。またアート情報を個人的にメールして下さったりと、いつも身近な存在としてサポートしてくださいました。
Q:今後の展望や将来の夢を教えてください。
A:仕事をしながら、彫刻家として生きることです。この2つを両立させ、そこから学んだことや得たことを社会に還元、貢献していけたらと思っています。
Q:IBP参加希望者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
A:すべてにおいて「やるか、やらないか」だと思います。実際に行動に移すことができれば、必ず結果は出ると信じていますし、私はIBPへの参加を決断して本当に良かったです。安全であれば、興味のあることはできるだけたくさん経験して下さい! IBP参加を検討中の方は、ぜひ参加して特別な1年間を手に入れてください。
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