こんにちは。ICC名古屋支店の吉村です。以前ニュースでサウジアラビアでミニスカートをはいて歩いている動画をSNSに投稿した女性が捕まったという記事が取り上げられいたこともあり、ご存じの方も多いかと思いますが、イスラム教は女性が公共の場で肌を露出することが良いとされていません。特にサウジアラビアは規律が厳しく、飛行機から降りた時点で”アバヤ”(全身を覆い隠せるマントのような女性の洋服)を着用しなければなりませんし、そもそもイスラム教ではない、独身女性が入国すること自体かなり難しいです。。サウジアラビアは特別厳しい所ではありますが、イスラム教の根強いアラブで働くCAは日系ではありえないような少し変わったルールでフライトをしています。どんなことがあるのかご紹介します!
イスラム教徒のための機内サービス
①プレイヤーマット(お祈り用の絨毯)を機内に常備
プレイヤーマットとはイスラム教の方がお祈りをするときに使われる敷物のことです。たまに宿泊施設などにも常備されていることがありますね。このプレイヤーマット、実は中東のエアラインはほぼ全て機内に常備してあります。何故かというと、イスラム教の方は1日に5回お祈りをすることが決まっており、お祈りの仕方も地に足をつけて(機内は上空ではありますが)なので、かなりの確率で「マットはないか?」とお客様から聞かれます。そしてどこで祈るのか?というと、機内の出入り口ドアの前です。お祈り中は基本話かけてはいけませんし、ご本人も一切返事をしません。なので祈っているお客さんがいながら、CAは隣でもくもくとサービスの準備をするという客観的にみると少し不思議な状況になります。
②常にスクリーンでメッカの方面を確認できる画面が映し出される
そもそもメッカとは、ムハンマドの生地でイスラム教の聖地とされいます。イスラム教徒にとっては死ぬまでに一度は行きたい場所として毎年多数のイスラム教徒が訪れる所です。このメッカの方向を向いて祈るのがイスラム教のお祈りスタイルなので、機内でもよくお客さんに「メッカの方向や太陽はどっち?」と聞かれます。上空で聞かれてもCAはすぐに答えることはできません!わたしも最初「え?!分かるわけない!」という状態になりました。そんな方へ、いつでもメッカの方向がわかるように機内のスクリーンには方向を表す映像を常に流しています。
③機内食は全てHalal料理
Halalとは、イスラム教で許されたものという意味合いで、口にするのが禁じられている豚肉・アルコール類が料理に入っていないこと。調理法などの条件もクリアした料理のことです。イスラム教では食べ物に関しても「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」が細かく定められています。そんなイスラム教徒が「食べてもよいもの」とされるHalalフードのみを機内食でもだします。どんなものなのかというと、、、、イスラム教が口にしてはいけないと定めている「豚」や「アルコール」が一切調理に使われていないことが条件です。簡単そう!と思いきや、じつはその決まりはかなり厳しく、豚やお酒を使って調理した道具を使って調理された食材やそれらを運んだトラックや入れた冷蔵庫で保管された食材も一切使ってはいけないんです。しかも、Halal料理を出しているかどうかを、専門機関がしっかりとジャッチします。それで認証されていればOKということになります。エアラインも機内で食事を出すので中東では「機内食も全てHalal」である決まりがあります。だからといって料理がすべてアラビア風なわけではなく、Halalのルールにそって調理されたイタリアンや日本食など様々な国の料理を提供します。なので、イスラムのお客さんは「これはHalal?」とよく質問をよくされます。
厳しい戒律のあるイスラム教を信教するムスリムのお客様に対しては気をつけなければならないことが沢山あるんですよ〜!
「中東CAのあるあるフライト事情〜ラマダンフライトの実態〜」へ続きます。
Shukran Masalama~~!!
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