石川裕香さん
参加コース:SHMS PGD Event Management
留学期間:2008年2月~2008年8月
1985年生まれ、静岡県出身。明治学院大学英文科卒業。大学卒業直後にアメリカ・ボストンで9ヶ月英語を勉強してからSHMSに入学。プログラム修了後は、帰国してシャングリラ東京に就職。現在はマリオット・インターナショナルで、カスタマーケア&セールススペシャリストとして勤務している。3才の時から続けているピアノは、ウィーンで行われる国際ピアノコンクール本選にて3位入賞。
Q:ホテル留学をしようと思った理由を教えてください。
A:ホテルマンになりたいというよりは、英語という手段を使って国際人として仕事をしたいと考え、留学を決めました。そう考えるようになったのは、海外に向けてビジネスをしている父の影響が大きいです。また、海外に出てできるだけ多くの人と出会い、何でも受け入れられる感覚や視野を広げたいと考えておりました。
Q:SHMSを選んだ決め手は?
A:全て自分でアメリカとスイスのホテルマネージメント学校を調べ、アポイントを取り、スイスにあるいくつかの学校を見学し、SHMSも訪問してキャンパスを見学しました。最終的にこの学校を選んだのは、半年間という短期集中コースで学べる点が私の目的に合っていたからです。スイスが私の大好きな国であったことも理由にありました。
Q:SHMSに入る前にボストンへ語学留学されたそうですが、それ以前にも留学経験はありましたか?
A:初めての留学は、大学2年の時にUCLAでの1ヶ月の短期留学でした。この時、私にとって将来英語が話せることに価値があることを感じ、大学卒業直後に長期留学をしたいと考えておりました。また、大学3年の時にはウィーンに音楽留学し、国際ウィーンピアノコンクールに挑戦。本選3位入賞、そして審査員特別賞シューベルト賞の2つの賞を受賞することができました。大学4年の時には、モーツァルト生誕250年記念に東京ニューシティーオーケストラと共演する機会を持たせて頂き、ピアノは今もでも趣味で楽しく続けております。ピアノがあったからこそ「心を開放して思いを表現したい」「海外に出て異文化に触れ合う環境に身を置きたい」と思ったのかもしれませんね。
Q:SHMSの印象はいかがでしたか?
A:SHMSには大学と大学院があって、そこで学ぶ生徒は約60ヶ国から集まっており、とてもインターナショナルな環境の中で勉強できるのが魅力ですね。キャンパスが2つあるのですが、どちらのキャンパスも周辺の環境が素晴しく、見渡せるスイスのアルプスのパノラマの景色がとても美しいのです。私がとったコースのキャンパスはレザンにあり、寮もキャンパス内にありました。学校の中のフレンチレストランでは、SHMSの学生がクッキングをしてサーブをし、たのもしい空間でした。
Q:PGD Event Managementのコースはどんなことを学ぶのですか?
A:イベントマネジメントコースは、もちろんホテル経営についても学びますが、同時にイベント経営についても勉強しました。ひと口にイベントと言っても、ホテルで行われるMeetingからウェディング、ファッションショー、企業の見本市や国際会議、オリンピックなど、規模は非常に広範囲です。MICEを知ることはとても価値のあったことだと思います。半年間の集中コースで、勉強に没頭しました。PGDの中では日本人は私を含め2名でした。
Q:留学中はどれくらい勉強していたのですか?
A:毎週なにかしらテストがあって、本当に気が抜けません。大きなテスト前は机から12時間離れなかったこともありました(笑)。ホテル経営やイベント経営については全く無知の状態で入学し、全科目の授業内容が初めて学ぶもの。さらにPGDEMは他のPGDのコースより過酷だったため、苦労しました。しかし、ベストを尽くして大変な分、達成感も大きかったと後から思います。常に限りない勉強量やミーティングの多さで、無理をして体調を崩したこともあったのですが、常に私をサポートしてくれる両親や友人に恩返しをするには、きちんと結果を出すことだと思っていたので、最後まであきらめずにやり通しました。日本で応援して見守っていてくれた家族やたくさんの友人、励まし合ったSHMSの先輩やクラスメート、ボストンで応援してくれていた語学学校時代の友達にはとても感謝しております。
Q:特に印象に残っている先生はいますか?
A:イベントのクラスの先生、スペイン人のモレノ先生です。彼女に出会えただけでもSHMSに留学した甲斐があったと今でも強く思っています。モレノ先生にはイベント全般を教えていただきましたが、イベントマネージメントのおもしろさを生徒に伝えたいという情熱がすごかったですね。イベントの仕事に対する思いを、毎回授業で生徒にぶつけてくるので、一コマ一コマの授業が本当に熱かったです。モレノ先生に出会ったことでイベントの魅力に気づき、モレノ先生のようにまっすぐで熱心な女性になりたいな、とつくづく感じました。
Q:苦労した授業や課題は?
A:一番達成感を感じたのが、PGD Banquetの授業です。授業で学んだことで、実際にイベントを企画・運営しました。PGDのメンバーでイベントの内容を企画し、資金集めから会場選びと装飾、料理とドリンクのメニュー作成、エンターテイメントなどを担当分けして進めました。私はファイナンスをメインに担当したのですが、ケーキ作り、会場の飾りつけやエンターテイメントにも参加。いろんなところに顔を出しました。
Q:その時のイベントのテーマは?
A:サッカーワールドカップがテーマでした。会場までの入り口を人工芝で敷き詰めたり、音楽やエンターテイメント、各テーブルの飾り付けもサッカーにちなんだものを選択。発砲スチロールで作られたサッカーボール型のメニューなども手作りし、こうしたアイデアやイベントの進行についてのすべてを先生や来客者が評価し、私たちの成績となりました。とにかく勉強に追われて忙しい中、時間を割いてみんなで意見を出し合い、一つの目標に向かって助け合いながら成し遂げることができた授業だったので、とても思い出深いですね。
Q:そのプロジェクトを通して、得たことは?
A:チームワーク、人の意見を聞き入れて同じゴールを持って協力しあうことの大切さですね。けんかしながら笑い合いながら、みんなで同じゴールを目指して、ひとつのことを成し遂げたという大きな達成感を感じました。ウィーンでピアノコンクールに挑戦した時は、自分ひとりのモチベーションにかかっていましたが、このプロジェクトではチームみんなでチャレンジし、最後はみんなでその達成感の喜びを分かちあえたことに感動しました。
Q:留学後、就職活動はいつ頃から行いましたか?
A:私はインターンはせずに、5ヶ月のコースが終わった時点で帰国。日本で論文を仕上げながら並行して就職活動を行い、シャングリラに就職してメインダイニングのレセプションとして働きました。その後、現在の職場に移り、マリオット・インターナショナルでカスタマーケア&セールススペシャリストとして働いております。
Q:SHMSで学んだことは今の仕事に活かされていますか?
A:SHMSで学んだことによって、ホテルの仕組みがよくわかりました。特にフロントマネージメントの授業で学んだことは、今の仕事に活かされています。でも、一番活かされていることは、私がSHMSで諦めずにやりきったことに対して自信を持てたこと、そしてSHMSで知り合った友人と先生やいろいろな方との素敵な思い出が、次なる私の将来への活力になっていることだと感じております。
Q:これから留学を考えている人に向けてメッセージをお願いします。
A:自分の力を信じて前に進み続け、一つの事をやり遂げた時の達成感を味わうのはとても気持ちの良いものです。旅をし、成し遂げたからこそ見えてくるものもあります。チャレンジ精神を持つことは何でも可能にします。しっかりとした目標設定をし、さまざまな国で出会う人々と一緒に感動を分かち合って素敵な思い出を作って下さい。日本を出て、世界に羽ばたきたいと強い意志をもつ方なら、どんなことでも貫き、やり抜くことができます。自分の可能性をいつどんな時でも持ち続ける勇気、いつも希望を持ってとにかく楽しく時を過ごし、快感を思う存分味わってきて下さい。自分が信じる道にとにかく一生懸命に突き進んできて下さいね。