大学でIT技術の2つの学位を取得。
大学院に進み、マネジメントを学ぶ予定
参加コース:オーストラリア高校卒業留学プログラム
留学期間:高校留学2003年4月〜2005年12月
大学留学2006年2月〜留学中
留学先:Keilor Downs高校(オーストラリア・メルボルン)、RMIT大学(オーストラリア・メルボルン)、メルボルン大学大学院(オーストラリア・メルボルン)
1987年生まれ、大阪府出身。オーストラリアの高校卒業後、そのまま現地のRMIT大学に進学し、2つの学位を取得して同校を卒業。今後はメルボルン大学大学院に進学予定。
高校でITシステム管理をした経験が、大学の勉強に役立ちました
Keilor Downs高校
Victoria Market.
Carlton gardens with City circle
RMIT大学
大学の卒業式
Q:なぜ高校留学しようと?
A:小さな頃から詰め込み的な日本の教育方法に不満があり、海外で一度学んでみたいと考えていた頃、中学校に送付されてきたICCの高校留学説明会のパンフレットを見ました。高校留学も高校進学のひとつのpathwayだと知り、ICCの高校留学フェアに参加してみることにしました。
Q:留学先の高校を選んだ理由は?
A:ICCの留学説明会に参加した際に、オーストラリア、ニュージーランドの高校の校長先生や、留学担当の方とお会いする機会があり、その際にお話ししたオーストラリアの高校の校長先生がすごく印象的で、この高校に留学したいと思いました。
僕が留学先に選んだ高校は、メルボルン郊外に位置するKeilor Downs College。留学生の数が少ないながらも留学生のサポートが充実しており、先生方のレベルも高く、とても充実した高校生活が送れました。
Q:メルボルンはどんなところ?
A:日本と違い、メルボルンにはゆったりとした空気が流れています。シドニーとも違うんですよね。自然が豊かで、以前「世界で一番住みやすい町」に選ばれました。公園の数が世界で最も多いそうです。また、日本食の材料が手軽に手に入ることも、海外で生活する日本人としてはメルボルンが好きになる一つのポイントだと思います。
Q:オーストラリアの高校と日本の高校との違いは?
A:日本では1学年で10〜12教科ほどを幅広く学びますが、 オーストラリアの高校では、Year 11と12の学年に、自分の学びたい教科、または大学進学に必要な教科を約6教科選択します。そのため授業内容が濃く、自分の学びたい分野を深く学べるところが印象的でした。また、理数系教科を学ぶ際は応用問題が多いため、Graphic Calculator(グラフ電卓)の利用やCheat sheet(カンニングペーパー)の持ち込みが認められている点も、日本の学校とは異なります。
Q:高校時代、勉強以外に熱中していたことは?
A:校長先生の紹介で、学校内のIT部門を管理している方たちと出会う機会があり、高校で利用しているすべてのITインフラストラクチャー、システムの管理方法などを教えていただいたり、生徒が利用するシステムの管理などをしたことがあります。この経験は、大学進学後、すごくプラスになりました。
Q:そのままメルボルンの高校に進学されたんですね。
A:オーストラリアに留学した際、日本の大学進学は考えていませんでしたし、日本に帰国しても自分の学びたいことは学べないと思い、オーストラリアの大学に進学しました。
高校留学の経験で一番印象的だったのは、オーストラリアならではの教育方法/方針です。日本の大学では今現在、高校での教育水準低下で、大学入学後の半年から1年は高校レベルの復習や、専攻科目の専門知識が不足しているので、学習内容を初歩から教えなければいけません。ビクトリア州では、高校2〜3年生(VCE)で専門教科を深く教えるため、大学進学後すぐに高校で学んだことをさらに深く学べます。また一般的なコースであれば、大学を3年で卒業できる点も魅力です。
Q:大学の入学オリエンテーションの様子を教えてください。
A:僕が大学に進学した2006年から、RMIT大学では「Associate Degree」という新しい学位が新設されました。僕らはAssociate Degreeの第1期生だったため、専攻決定はすべて大学側で行われました。オリエンテーションではすべてを教えてくれるわけではなく、やはり自己責任です。解らないことがあれば質問しない限り教えてくれないので、注意が必要です。
Q:大学での専攻は?
A:RMIT大学では、Associate Degree of Applied Science (Information Technology), Bachelor of Information Technology (System Admin)の2つの学位を取得しました。特に専攻として学んだのはNetwork technologyで、いわゆるインターネット、通信、IP電話等の技術関連の授業です。授業終了後、Cisco Academyの最終試験、Labでの実技能力検定試験を受け、これに合格することにより資格が授与され、これらの資格が就職する際にプラスになるのが魅力的でした。
Q:高校と大学で、学習スタイルは変わりましたか?
A:高校では先生が「勉強しなさい」と言いますが、大学では全て自分の自己責任です。もし授業に出ないで教科を落とすと、その分卒業時期が遅れますし、お金もかかります。また、教科の合格ラインが50%以上になった点も異なる点です。RMIT大学では通常、1学期間に4つの教科を学びます。1つの教科にはだいたい3つの課題と最終試験があり、そのうちの1つでも50%以下の点数を取ると、落第となります。
Q:印象に残っている課題を教えて下さい。
A:最も印象に残っているのは、課題として白紙の紙を渡されたことです。紙には何も書かれておらず、教授は「自分で課題の内容を決めなさい」と言いました。授業内容に沿った課題を考え、紙に書いて提出後、その課題を終わらせて提出。何とも変わった課題でした。
Q:特に印象に残っている先生は?
A:2年間Associate Degreeを学ぶ中で、いろいろな先生と知り合いましたが、中でも印象的だったのが、Dwi Tanniel先生です。3学期間に渡って3つの教科を教えていただきましたが、どうして彼が大学で先生をしているのか解らないくらい、その道に精通した方で、授業外のいろいろな技術的な質問にも答えていただき、すごくお世話になりました。最後の学期に、彼はアメリカのシリコンバレーからヘットハンティングされて渡米しましたが、将来的にはまたRMITで教鞭をとられる予定だそうです。
Q:メルボルン大学の大学院に進学予定とのことですが、何を学ぼうとお考えですか?
A:RMIT大学での3年間は、Information Technology / Computer Science などの技術関連を学んできましたが、メルボルン大学の大学院では、技術面からビジネス理論/People Managements等のIT/ISを統括する際に必要なマネージメント能力を学ぶ予定です。
Q:オーストラリアの高校、大学留学で得たものは何ですか?
A:オーストラリアに留学して6年が経ち、いろいろな人との出会いや異文化を体験できたことなど、留学から得たものは数えきれないほどあります。一番変わったと思うのは自己の成長/自立だと思います。高校留学時にはICCのアドバイザーさん、高校の先生方がいろいろな点でサポートしてくれましたが、大学進学後はすべて自分で問題を解決しなければいけませんし、困難なことから逃げれば、その時点で全てが終わってしまいます。そんな環境が自己の自立を促し、成長させてくれたのだと思います。
Q:今後の目標や将来の夢を教えてください。
A:将来の夢や目標はあまり考えていません。ICCから中学校に送られてきた案内がなければ今の僕はありませんし、違う人生を送っていたと思います。 だからこそ僕は、今、自分ができることを着実にこなして行くことが、将来、自分のためになると考えています。