留学で得たグローバルコミュニケーション力をいかし、
海外香水ブランドのプレスとして活躍中
参加コース:オーストラリア高校留学プログラム
留学期間:2002年7月〜2003年6月(1年間留学)
留学先:Sandringham高校(メルボルン)
高校在籍中、メルボルンにあるSandringham高校に1年間留学。日本の高校に復学して卒業後、神戸市立外国語大学英語科に進学。卒業後は、フランスとイギリスの香水ブランドの企業のプレスとして働いている。
高校1年間留学が、大学の交換留学につながった
ダンスの授業の様子
ダンスの授業の発表会舞台裏で同じチームだった友人と
ダンスの授業の様子
家の裏にあった公園
ダンスの先生と
ホストファミリーのマザーと年下のブラザーと一緒に
ダンスの発表会で友人と一緒に
双子の妹と訪れたグレートオーシャンロードにて
学校の校庭
Q:高校留学を決めたきっかけは?
A:小さな頃から海外への興味が尽きず、小学生の頃から海外の音楽や雑誌などを読み、いつかは外国で学ぶことに憧れていました。また、日本でダンスを習っていたので、オーストラリアの高校の授業で、本格的なダンスやパフォーミングアートを学べる環境があることも大きな理由でした。日本で通っていた高校に、留学の単位互換制度があったのも理由のひとつです。
Q:留学前はどんな準備をしましたか?
A:特に塾に通ったりはしませんでしたが、登下校の間に英語の教材をずっと聞いて耳を鳴らしていました。後はパソコンの使い方の基本を学びました。
Q:メルボルンはどんな町でしたか?
A:本当に素晴らしい場所です。都市部にはさまざまな文化が溢れ、美しいリバーサイドや古い建造物もたくさんあります。一方で、ビーチやサーフィンができる場所がすぐそばにあったりと、自然も多く美しい街でした。私の好きな場所は、ビーチと素敵なカフェがたくさんあるSt.Kilda (セントキルダ)や、Brighton、Hamptonといった小さな町も好きでした。
Q:留学先の学校の特徴を教えてください。
A:Sandringham Secondary Collegeは、メルボルンの中でも珍しい私服の学校で、校風も他と比べると非常に自由だったように感じます。留学生も多く、アジアをはじめ、ブラジルやベルギーなど、いろいろな国からの留学生が勉強に来ていました。
Q:英語力アップのために、どのような努力をしましたか?
A:英語力アップの為に、とにかく今与えられた環境を最大限に生かすことを心がけていました。
・学校では、積極的に現地の子たちに話しかける。
・他国からの留学生との交流も大事にし、とにかく英語を話す。
・辞書を常に持ち歩き、分からない言葉は即座に調べる(パーティに行く時も辞書をバッグの中に携帯していました)。
・頭で覚えた言葉、表現、言い回しはとにかく使って、間違えて覚える。
・登下校のバスの中でもイヤホンで音楽を聴いたりせず、周りにいる現地の子たちの会話に耳をすませてリスニングの訓練。
・家にいるときはホストファミリーと話せるように、なるべくリビングでいる。
・テレビなども積極的に見て、リスニングを鍛える。
・毎日英語で日記をつける。
Q:オーストラリアと日本の学校には、どんな違いがありましたか?
A:オーストラリアでは全て個人の自主性に任せられているので、遠足なども全学年が一緒になって行く、などということはなく、行きたい人が参加します。自由ですが、その分、全て責任を持って物事を管理することが求められます。
Q:留学先で好きだった科目は何でしたか?
A:好きな科目はダンス。モダンダンスからコンテンポラリーダンス、ストリートダンスまで、本格的なレッスンが受けられるのは自分にとって非常に魅力的でした。また、日本では大学で学ぶようなビジュアルアートや心理学も好きな科目でした。
Q:逆に苦労した科目は何でしたか?
A:苦労した科目は数学です。内容自体は日本の高校数学のほうが難しいぐらいだったのですが、カリキュレーターという高性能の計算機を使って授業を行うので、その使い方をマスターするのがひと苦労でした。
Q:週末はどう過ごしていましたか?
A:ホストファミリーと買い物に行ったりもしましたが、よく一人で知らない街に行ったり、シティを探索したりしていました。またホストママがパーティー好きな人だったので、パーティーにもよく連れて行ってもらい、そこでまたたくさんの人に出会うことができました。
Q:ホームステイ先の家族構成は?
A:シングルマザーの家庭で、私と同じ学校に通っていた1つ上のホストブラザー、27歳のホストシスター、小学校3年生のホストブラザーがいました。何度か留学生を預かったことのある家庭だったのですが、最初、家族のアクティビティに声をかけてもらえないので悲しく思っていました。それを正直に打ち明けると「以前にいた留学生はあまりそういうことを好まなかったから、あえて気を使って声をかけなかった」と言われ、それ以来は、いろいろと一緒に出かけたりする機会が増えました。何事も、きちんと向き合って正直に伝えてみることが大事だと感じました。
Q:時期をずらして双子のお姉さんも留学していたそうですね。
A:同じビクトリア州とはいえ、双子の妹はWarnamboolというかなり遠くの土地にいましたので、春休みや夏休みなど、ホリデーの際に私のところへ何度か遊びに来ました。逆に私も彼女の住んでいる場所へ訪れたこともありました。くじけそうになったとき、電話で話を聞いてもらったりしたので、私にとってはとても大きな心の支えだったと感謝しています。
Q:現地での暮らしを満喫するために、心がけていたことは?
A:やはり「郷に入れば郷に従う」ということです。日本のやり方を現地でも貫き通すのではなく、まずは現地のやり方を選んでみる。それは日本のアイデンティティーを捨てることではなく、自分の世界と可能性を広げる方法だと思います。
Q:日本の大学に進学されましたが、受験準備はどのように進めましたか?
A:日本に帰国すると、まわりの皆は、受験勉強真っ最中の高校3年の夏。志望大学が推薦入試枠を設けていて、日本の高校で推薦が得られれば、高校3年間の成績と、面接、英語の筆記試験で受験ができるというものでした。そのため、帰国後3週間で予備校の夏期講習に参加して日本の受験で必要な英語の知識と傾向をつかみ、その後は、自分で受験英語を勉強しました。
Q:大学に進学して、高校留学体験が活きていると思ったのはどんな時でしたか?
A:進学したのが外国語の大学だったのですが、国際感覚をもった人がたくさんいる中で、自分の意見をきちんと伝え、授業に参加したことは、大学生活を有意義なものにしてくれました。高校留学で培った英語力と自信のおかげで、大学でも交換留学生に選ばれ、アメリカの大学で学ぶチャンスを頂きました。
Q:現在のお仕事について教えてください。
A:フランスとイギリスの香水ブランドの会社で、プレス(PRコミュニケーション)を担当しています。ブランドを伝えるために、雑誌、ラジオ、テレビなどのメディアで広報の仕事をし、またプロモーションイベントなどの企画から運営まで行います。同時にブランドのマーケティングにも関わっています。本社があるロンドンやパリとのメールや電話でのやり取りで、日常的に英語やフランス語を使うほか、ロンドンやパリへの出張も年に数回あります。
Q:高校留学経験は、就職活動でどう役立ちましたか?
A:高校留学で身に付いた、将来のビジョンを自分の言葉で語る力が役立ったと思います。自分を表現する力も留学経験から得たものです。
Q:現在の仕事に留学経験は役立っていますか?
A:高校留学がなければ今の自分はありません。日々の仕事は半分は英語や外国語なので、留学の経験から得た語学力はもちろん、グローバルなコミュニケーションの方法、海外の人との関係性の構築など、日本にいるだけではやはり学び得なかったことが多いです。ですが、何より、留学を通して他人への「感謝」と「尊敬」の大切さを心から感じ理解できたことが、今の仕事で一番役に立っていることだと思っています。
Q:今、振り返ってみて、高校留学によって何を得たと思いますか?
A:留学経験で得たものは語学だけではなく、生きていくうえで大切なものに気づくために必要なスキルでした。それは自らの世界と思考、可能性を広げてくれるものです。言葉を学ぶことで、異なる文化や、自分とは違う相手を理解して思いやることを学びました。異文化の中で生きることで、人々の愛情と支えに対する感謝、尊敬を心の底から感じられるようになり、世界の中の自分というアイデンティティーを考えるきっかけをくれました。
Q:仕事の展望と、将来の夢を教えてください。
A:常に世界とつながって、「地球」をフィールドに仕事がしたいと思っています。また、アートや創作活動を通して、教育や環境問題、食糧問題などに向き合っていきたいです。
Q:これから高校留学を目指す人たちへ、アドバイスをお願いします。
A:未知の世界に立ち向かう時、最初は自信をなくして怖いかもしれません。ですが、立ち向かった努力の数だけ自信が身に付き、素晴らしい経験となります。ぜひ世界へ出て、たくさんの経験をしてください。心から応援しています!