参加コース:オーストラリア高校留学プログラム
留学期間:2004年4月~2006年12月
留学先:フェアヒルズ高校(メルボルン)
2004年4月からオーストラリア・メルボルンのフェアヒルズ高校(Fairhills High School)に留学し、2006年12月に卒業。立命館大学国際関係学部に進学し、卒業後は旅行会社に勤務している。
大好きなホストファミリーと一緒に。ほかにも猫が2匹いました
大学4年生の秋にメルボルンに遊びに行った時の写真。ホストマザーの両親と、ホストブラザーと一緒に
4年振りにホストマザーとも再会
高校時代にお世話になった先生方と一緒に。2010年訪問時には先生方のおうちにも滞在♪
出張先の北九州で、ハードスケジュールの合間に撮った1枚
バンコク出張で、案件が無事に終わりホッとひと息…な私です(笑)
バンコク出張の際には、FAIRHILLSに留学していたタイ人の友達に8年振りに再会!感動の瞬間でした
Q:留学のきっかけを教えてください。
A:私の住んでいる市がアメリカのロングビーチ市と姉妹都市で、2年に1回現地へ派遣団を送っているのですが、私は中学2年生の時に、市の派遣団の一員としてアメリカの姉妹都市に10日ほど滞在することができました。現地では市長への表敬訪問や現地の中学生との交流、ホームステイなどを行い、盛りだくさんの内容で充実した日々を過ごすことができました。その際に体験したことが大きなきっかけになり、帰国後「もっと英語を話せるようになりたい」という思いを抱くようになりました。
Q:語学力を伸ばすためにどんな努力や工夫をしましたか?
A:留学を決めてから出発するまでは、学校での勉強に加えて英会話にも通っていました。なるべく英語に慣れようと思い、洋楽を聴くことや洋画を字幕で見ることを心がけました。留学生活がスタートしてからは生活が英語ベースになり、少しでも早く慣れるように、自分から積極的に行動することを意識し、学校でもホームステイ先でも「能動的な学習環境」を作ろうと心がけていました。
Q:留学先にオーストラリアを選んだのは?
A:まず、治安がいいところ。そして多民族国家であること。アジア人でも抵抗なく受け入れてくれて、安心できる生活環境が確保できるのではと思い、オーストラリアを選びました。滞在先のメルボルンは、住みやすい都市として世界一に何度も輝くだけあるなと実際に住んでみて感じました。私が留学していた高校は都心ではなく郊外の学校だったので、便利な生活環境の中に、自然も多く、とても住みやすいところでした。
Q:留学先の学校の特色を教えてください。
A:フェアヒルズ高校は、公立で共学の中高一貫校で、ヴィクトリア州が学校教育に日本語を取り入れた最初の年から、日本語教育に力を注いでいる学校です。そのため、日本に興味を持っている現地の学生が多く、高校2年次に日本への語学研修プログラムもあるほどです。留学生の受入実績も十分あるため、先生方も勉強面や生活面でしっかりとフォローして下さいます。留学生同士の交流では、それぞれ出身の国の料理を学校で作って味わったり、誕生日にはみんなでケーキを食べながらお祝いしたり、ということもしていました。
Q:日本の学校との違いを感じたところは?
A:何でもチャレンジさせてくれる、という点です。留学先の高校では、現地の学生が日本語を勉強しているため、私が「アシスタントとして授業のサポートをしたい」と希望すると、快くOKして下さる環境でした。高校3年生の時には、チャンスをいただいて、生徒会に所属していました。留学生でも、興味を持てばどんなことにもチャレンジする機会を与えてくれ、貴重な経験をすることができるのがこの学校の魅力だと感じました。授業は、大学のように自分で受講する科目を選択できる方式で、一定の教育を受けた後は、興味のある分野を集中して学びます。高校生でも専門性を伸ばしながら勉強できる環境は、日本との大きな違いだと思います。
Q:好きな科目は何でしたか?
A:英語です。ただ教科書に沿って英語を勉強する、という日本方式の授業ではないところが大きな魅力でした。新聞記事、映画、小説というように幅広い教材から英語を学ぶことができました。そこから自分が何を感じて、どう表現していくのか、というように常に考えることが求められ、非常に面白い授業でした。
Q:英語力がアップしていることを実感したのはどんな時ですか?
A:頭で考えたことが、すぐ言葉にできるようになった時です。留学当初はまず頭の中で日本語で考えて、どうやって英語に訳そうかを考えていたので、言葉にするまで時間が掛かってしまうこともありました。それが気がつくと、日本語ではなく英語で考えているようになっていました。語学力に関しては、じわじわと身についてきたなぁと実感することが多かったです。その中でうれしい衝撃を受けたのは、英語の夢を見たときです。「脳内で日本語より英語のウェイトが重くなってきた!」とうれしくなりました。
Q:休日や放課後はどのように過ごしていましたか?
A:放課後は友達と過ごすことが多く、近くのショッピングセンターに寄り道することもありました。また、授業で分からなかった点は、放課後に先生のところへ質問しに行きました。休日はホストファミリーと一緒に行動することが多かったです。ホストマザーの御両親がFARM(農場)を持っており、週末はそこへ行くこともありました。
Q:ホームステイはいかがでしたか?
A:ホームステイは重要な留学生活の一部でした。英語力を身に付ける上で、ホストファミリーとのコミュニケーションから学ぶことは多く、鍵となる部分だと思います。今でも忘れられないのが、私の家族がメルボルンへ遊びに来た際に、ホームパーティーを開いてくれたことです。私の家族を温かく迎えてくれたことが本当にうれしかったです。
Q:高校卒業後は、日本の大学へ進学されたのですね。
A:立命館大学の国際関係学部に進学しました。国際的な視野から政治、経済、環境、文化など多岐に渡って勉強できる学部です。この学部の特色として、2回生に進級する際に4つの専攻コースの中から自分に合ったコースを選択するのですが、私は国際行政コースを選択しました。
Q:留学先での進学準備で苦労した点は?
A:本格的に準備を始めたのが遅く、高校3年生がスタートしてからでした。日本の大学の情報はネットである程度検索できるのですが、資料請求や入試用問題集などを揃えるには、日本の家族のサポートが不可欠でした。私の場合は準備が遅かったので、入試に必要なものが何なのか自分で調べて、一式日本から母に送ってもらいました。
Q:日本の大学に進学し、高校留学体験が役立ったと思うことはありましたか?
A:英語のスキルが求められることが多かったので、留学経験があって良かったと日々感じていました。また大学の授業では、小論文やプレゼンテーションが求められる機会が多くありましたが、留学中は、日本の高校生よりも普段の授業でこの2つのスキルが求められていたので、大学生活にも非常に役立ちました。
Q:現在のお仕事について教えてください。
A:現在は旅行会社に勤務しています。その中で、MICEという分野を専門とする部署に所属しています。MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive(報奨・招待旅行)、Convention(大会・学会・国際会議)、Exhibition/Event(展示会・イベント)の総称です。旅行だけに留まることなく、幅広い分野を業務の対象としています。
Q:お仕事に留学経験は役立っていますか?
A:日本から直接現地へ問い合わせたりと英語力を活かす場が多いので、日々の業務に役立っています。海外MICE案件で現地へ出張する際には、英語力をフルに活用することが求められます。最近の案件では、ある県の知事トップセールスで、海外3カ国をまたいでイベントを行う事業に携わらせていただきました。
Q:今後の展望や将来の夢を教えてください。
A:グローバル化によって国際交流が促進されてきている中で、旅行会社の役割というのは多様化してきています。旅行会社として人々の渡航をサポートするだけに留まらず、そこから先に生まれる何かを支えなければならない時代になってきていると感じています。
Q:具体的には?
A:たとえば、急激な成長を見せるアジアの国々から訪日旅行客が増加していますが、富裕層が増えつつある国に対して、日本の価値をどのように示すことができるでしょうか。その価値のひとつには、TPPによって日本国内で売れなくなる国産の農産品があります。日本国内での消費が減少するのであれば、「JAPANブランド」を評価してくれる海外の富裕層に販売を拡大していくことが求められるのです。そんな時に旅行会社として何ができるのか、微力ながら日本の将来を支えていきたいというのが私の思いです。
Q:東京オリンピック開催が決定し、ますます海外からの旅行者は増えそうですね。
A:海外の人々にとって、日本の観光資源の魅力は大きいものです。外国の人々が日本に旅行する「訪日旅行」の需要は高まっていくと考えられます。このインバウンドと呼ばれる海外需要の分野でも、必要とされる存在になりたいと考えています。また、社内には留学を扱う部署もあるので、より多くの方に留学の魅力を発信することにも関われたらと思っています。旅行業の枠にとらわれず、そこから広がる分野で幅広い事業に携わっていきたいです。
Q:今、振り返って、後藤さんにとって高校留学にはどんな意味があったと思いますか?
A:今の私を創り上げたのは、高校時代の留学経験だと言っても過言ではありません。現在の私の考え方やライフスタイルの一番のルーツになっているのは、高校留学の経験です。「英語がスキルアップした!」という表面的な成長だけではなく、人間として成長できたことが財産だと強く感じています。 留学生活をひと言で表現するなら「感謝」です。15歳の娘をたったひとりでオーストラリアに留学させることを快諾してくれた両親への「感謝」、私を温かく迎えてくれたホストファミリーへの「感謝」、留学生活をより楽しいものにしてくれた友達への「感謝」、快適な留学生活が送れるよう尽力してくれた先生方への「感謝」。いろいろな人々に支えられて自分があるのだと実感することができました。今でも常に「感謝」の気持ちを忘れないよう心がけています。
Q:オーストラリア高校留学を目指す人たちに、アドバイスをお願いします。
A:留学は、チャレンジできる環境さえあれば誰でも経験することは可能です。でも、その留学経験をどう活かすかは、留学する本人次第です。志を高く持ち、目標を決めて留学すれば、夢の実現もぐんと近づいてきます。そのためには、時には自分に厳しくすることも必要だと思います。留学生活は他の誰でもなく、自分で創り上げるものです。みなさんには目標を持って留学生活をスタートすることで、充実した留学生活を送っていただきたいと思います。
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